ウイスキーの専門用語一覧

ウイスキーに興味を持って、色々調べ出すとよくわからない言葉が沢山出てくることはないでしょうか。私達も今ではこうしてウイスキーメディアを運営していますが、元々ウイスキー用語の多さに戸惑っていました。

個別の単語を検索したら大抵の意味は出てくるものの、網羅的に理解することは難しいです。こちらは、そんな皆さんの悩みを解決するページです。

それでは、あ行から早速紹介していきます。

あ行

ウエアハウス

ウイスキーの樽を長期間保存し、熟成を行う倉庫。日本語では、熟成庫と呼ぶ。

タンネージ式、ラック(オープンリック)式、パラダイス(パレット)式の3種類があります。

ウォート

グリスト(粉砕麦芽)に熱湯を加えて、抽出した麦汁(糖液)のこと。ウォートにイースト菌を加えることで、発酵が進む。

ウォッシュ

ウォートにイースト菌を加えて出来上がったもろみ※のこと。酸味があるのが特徴。この時点でのアルコール度数は、7~9度ほど。

※もろみとは、発酵して柔らかい状態になった固形物のこと。

ウォッシュスチル

ウォッシュを蒸留させるためのポットスチル(蒸留器)。ウォッシュを蒸留することで、アルコール度数を20度ほどまで上げる。

ウォッシュバック

ウォッシュを造るための発酵槽。松やカラマツ等の木か、ステンレスで作成されている場合が多い。

ウッディー

ウイスキーの香りを表す表現の一つ。熟成時に利用される木樽由来の香りのことを指す。

ウッドフィニッシュ

通常の熟成の後に、通常の熟成時と違う樽を使って熟成させ、独自の風味を創り出すこと。例えば、バーボン樽で熟成した後に、シェリー樽で熟成する場合などがある。

エステリー

ウイスキーの香りを表す表現の一つ。樽から溶け出す成分とアルコールが化学反応を起こして生まれるエステルという成分に由来する香りを指す。花や果実を思わせる香りが多い。

エンジェルズシェア

熟成中に蒸発し、最終的な製造量が熟成前より減ること。

オフィシャルボトル

ウイスキーを蒸留している蒸留所がボトリングまでを完結し、販売しているボトル。対義語は、ボトラーズで、世の中に販売されているウイスキーはこの2種類しかない。

か行

カスクストレングス

樽出し後、加水されずにボトリングされたウイスキーのこと。文脈によっては、樽出し後、加水前のアルコール度数を指すこともある。

キーモルト

ブレンデッドウイスキーを造る際に、核となるシングルモルトのこと。ブレンデッドウイスキーの味わいの方向性を決めている。そのため、ブレンデッドウイスキーを選ぶ際に、キーモルトを理解することで大体の味わいの方向性がつかめる。

グレーンウイスキー

トウモロコシ、小麦、ライ麦などの穀類を原料に造れられるウイスキーのこと。モルト(=大麦麦芽)ウイスキー以外のウイスキーは、広義では全てグレーンウイスキーとなる。

さ行

サラディン式

製麦(モルティング)を行う方式の一つ。浸水後の大麦を底に網目のある大きな箱に入れ、下から空気を送って撹拌させながら行う精麦方法。フランス人のサラディンという人物が発明した精麦方法のこと。

伝統的な製法のフロアモルティングと異なり、少しのスペースで一度にたくさんの精麦を行うことができる

シェリー酒

シェリー酒とは、スペイン南部の地方で造られる白ワインのことです。シェリー酒は通常のワインよりアルコール度数が高い。味わいも多様で甘口のものから辛口のものまで幅広く存在する。

シェリーカスク

ウイスキーを熟成する樽の1種類で、シェリー酒の熟成に利用された樽のこと。シェリー樽とも言う。ビターな味わいや果実っぽい味わいを産みやすい。尚、現在熟成に利用されているシェリー樽は、実際にシェリー酒の熟成に利用された樽ではなく、ウイスキー熟成用にシーズニングされた樽が大半。

シングルカスク

1つの樽の原酒のみをボトリングしたウイスキー。通常ウイスキーは、ボトリングする際に複数の樽の原酒を組み合わせてボトリングされる。樽ごとの味ムラを失くし、品質を安定させるために、1つの樽からのボトリングは行わない。シングルカスクは、敢えて1つの樽からの原酒のみボトリングすることで、その樽の原酒の味わいを楽しむことができる。

シングルモルト

1つの蒸留所のみで造られたモルトウイスキーのこと。

た行

チルフィルタリング

ボトリング前に品質保持を目的として行われる冷却ろ過のこと。ウイスキーは、温度を冷やすと白濁の物質やカビのような物質が現れることがある。チルフィルタリングは、この物質を取り除く工程を指す。樽そのままの原酒ではなくなるが、見た目は良くなる。

デビルズカット

熟成した樽の中に沁み込んで取り出せなくなったウイスキーのこと。新樽を利用するバーボンウイスキーで見られやすい現象。

は行

ヴァッテイング

モルトウイスキー同士を混ぜ合わせること。ヴァッテイングされたウイスキーをヴァッテッドモルトと呼ぶ。モルトウイスキーとグレーンウイスキーを混ぜ合わせることは、ブレンディングと呼ぶ。

ピート

ピートは苔やシダなどの植物が枯れて堆積し、長い年月をかけて炭化したもの。ウイスキー製造の際に、原料となる麦芽を乾燥させる際にピートを炊き、その煙で麦芽を乾燥させる。この工程で、ピート特有のヨード臭が麦芽にうつり、ウイスキーの煙っぽい味わいにつながる。

ppm(フェノール値)

あるウイスキーの中に含まれるフェノール化合物の濃度を評価した指標。ウイスキーのスモーキー度合いを客観的に表す指標。一般的にフェノール値が高いほうがスモーキーではあるが、飲んでみるとフェノール値が低いボトルの方がスモーキーに感じることもある。あくまで指標の1つ。

一般的なスモーキーな風味のウイスキーだと、例えばラフロイグは40~45ppmの麦芽を、キルホーマンは、50ppm程度の麦芽を、アードベックは、55ppmの麦芽を使っていると言われています。

フロアモルティング

大麦を発芽させる工程であるモルティングを床で行うこと。スコッチウイスキーの伝統的な製法の一つ。水を含んだ大麦を床一面に広げ、シャベルなどで混ぜながら大麦を発芽させる。発芽後はピートを炊くなどの方法によって乾燥させる。

ボトラーズ(ボトラー)

ボトラーズ(ボトラー)とは、蒸溜所とは独立した別の会社、団体のことで、蒸溜所から原酒を調達してボトリング(瓶詰め)を行う会社や団体を指す。ボトラーズによって作られるウイスキーを「ボトラーズウイスキー」と呼ぶ。

原酒を熟成する方法が、蒸溜所とは異なるので、同じ原酒を使っていても違う味わいになるため、ウイスキーの愛好家はボトラーズウイスキーを飲むことで、その違いを楽しむ。

対義語は、オフィシャルボトルで、世の中に販売されているウイスキーはこの2種類しかない。

ま行

マッシュビル

ウォート(麦汁)を作るために使われる原料のこと。モルトウイスキーの場合は大麦麦芽のみによって構成されるが、バーボンなどの場合はコーン、ライ麦、小麦などの麦芽以外の穀類も混ぜられる。

ウォートを抽出したあと、発酵が行われてアルコールになる。

ら行

ロイター式

ウイスキーの糖化に使われるマッシュタンの種類の一つ。マッシュタン内部に、麦汁を撹拌するためのレーキがついているものをロイター式という。

ロイター式のマッシュタンにはセミロイター式とフルロイター式のマッシュタンがあり、セミロイター式のものはレーキが固定されており、フルロイター式のものはレーキ部分が上下に動いて撹拌する。

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