富士は、キリンの富士御殿場蒸溜所で作られているジャパニーズウイスキーです。
日本人の繊細な味覚に寄り添いながらも、世界に通用する品質を追求して生み出されたブランドとして知られています。
この記事では、富士のことを深く知りたい人や富士を今まさに頼もうか買おうか迷っている人の参考になるような情報を提供していきます!

POINT
- 富士は、キリンの富士御殿場蒸溜所で作られているジャパニーズウイスキーのブランド
- 富士は、キリンがキリン・シーグラム株式会社での活動を通して長年培ってきたノウハウを活かしてできた比較的新しいブランド
- モルトとグレーンの両方を同じ蒸溜所内で作っているだけでなく、蒸溜所内で生産した原酒だけをブレンドした、シングルブレンデッドも取り扱っている。
- 国内唯一のグレーン用の蒸留器を2基有し、富士ブランドのウイスキーラインナップのほとんどが国際的にも評価されている
富士はこんな時に買う・注文すべき
富士のことを知りたいと思い、この記事を読んでくださっている皆さん。
結局、ボトルを買うべきか今飲むべきかで迷っているという方も少なくはないでしょう。そんな方の決断をサポートするために、場面ごとに買うべきか注文すべきかpeatyなりの見解をお伝えします!ここからは、代表的なラインナップについて紹介していきます。

ウイスキー富士の歴史
富士御殿場蒸溜所建設へ

富士を製造しているキリンビールがウイスキー製造に参入し始めたのは、1972年のことです。
キリンビールといえば、その名の通りビール会社として老舗で、1800年代後半にはビール製造を行なっていました。しかし、ウイスキーに関してはだいぶ後の1970年代に着手する形になったのです。
きっかけとなったのは、「日本で、日本人の嗜好に合ったウイスキーをつくりたい、そして世界に通用するウイスキーをつくりたい」という思いでした。しかし、当時キリンビールにはウイスキー作りのノウハウがありませんでした。
とっかかりとして、1971年にカナダのJ.E.シーグラム社が製造していた商品を日本国内で販売開始。翌年の1972年に、J.E.シーグラム社傘下のシーバスブラザーズ社と力を合わせ、3社合同でキリン・シーグラム株式会社を設立しました。
さらに同年、富士御殿場蒸溜所の建設にも着手し、世界的なウイスキー作りの製法を獲得しつつ、日本国内でのジャパニーズウイスキー製造への第一歩を踏み出したのです。富士御殿場蒸溜所は1973年に完成し、蒸留を開始します。
この際、富士御殿場が建設地に選ばれたのは、夏の涼しさと冬の厳しい寒さを併せ持つ上、霧が多く湿度が高いという特徴からでした。この特徴は、ウイスキー作りの本場であるスコットランドのハイランド地方によく似ているということです。
キリン・シーグラム株式会社によるロバートブラウンの販売

日本国内でウイスキー製造に取り掛かる以前から、ブレンダーの育成はスタートしていました。J.E.シーグラム社との提携をスタートした1971年、スコットランドとアメリカで技術研修を受けたブレンダーが試作品を作り始めます。
競合となるウイスキーなどと比較しながら作り上げたサンプルが、なんと93種類。それらを日本に持ち帰り、社内で試飲の結果、基本的なブレンドの形を決定しました。
さらに、翌年の1972年、ブレンダーは再度渡米し、スコットランドから来た原酒などを使って複数種のサンプルを製造。数々の選抜を経て、最終的には3種類までに絞り込まれた試作品より、選ばれた一品が「ロバートブラウン」です。
こうして、1974年2月に初のオリジナル特級ウイスキー(当時)である「ロバートブラウン」の発売が開始されました。このロバートブラウンが、キリンビールが自社で作って販売した最初のウイスキーとなりました。なめらかな口当たりと香りの良さが決め手だったということです。
ちなみに、ロバートブラウンという名前は、一緒にウイスキーを作ってくれたJ.E.シーグラム社がスコットランド進出時に設立した蒸溜所の名前なのだそうです。「ロバート・ブラウン」という名前は、スコットランドで一般的な人名でもあり、それぐらい一般に浸透してほしいという思いも垣間見えます。
現在でも販売されているロバートブラウンですが、現在では富士御殿場蒸溜所で作られているモルト原酒・グレーン原酒に、海外で作られた原酒をブレンドして製造されています。
キリン・シーグラム社によるウイスキーの展開
ロバートブラウンの販売後も、キリン・シーグラム社は数々の商品を展開していきます。
「ダンバー」(1975年11月九州限定で発売開始、翌年から全国展開。1993年販売終了)

「エンブレム」(1979年10月発売開始、2014年販売終了)

「クレセント」(1981年10月発売開始、2000年代中頃に販売終了)

「NEWS」(1983年発売開始、2007年販売終了)

「ボストンクラブ」(1986年発売開始、1996年販売終了)

ペルノ・リカール社と合弁関係解消により、キリン・シーグラム社はキリン・ディスティラリー株式会社に
30年の提携の後、2002年にペルノ・リカール社(旧J.E.シーグラム社、シーバスブラザーズ社)との合弁関係は解消され、キリン・シーグラム社はキリンビール100%出資の「キリン・ディスティラリー株式会社」へと名称を変更します。
2005年には、今でも多くの人に愛飲されている「富士山麓」を発売し、「オークマスター樽薫る(2024年4月をもって出荷終了)」や「キリンウイスキー 陸」などもリリースされています。
「富士」ブランドは2020年に販売を開始したまだ新しいウイスキーですが、キリンが培ってきた醸造技術や、スコッチウイスキーとアメリカンウイスキーのノウハウを合わせた独自の製法で作られたウイスキーなのです。
「富士」の製法の特徴
「富士」は比較的新しいブランドではありますが、キリンが長年培ってきた醸造技術、ノウハウが生かされたウイスキーです。その製法の特徴をみていきます。
原料:「富士」に使われる原料は、蒸留所内の伏流水と、イギリス産のノンピート麦芽

富士に使用される仕込み水は、富士の伏流水です。富士御殿場蒸溜所内に備えられた井戸を利用し、地下100mから汲み上げられた硬度55度の軟水は、およそ50年の歳月を経て、富士山の地表に落ちた雪や雨が火山灰や溶岩層によって濾過されたものです。
50年という長い年月をかけて濾過されたことにより、非常に美しく純度の高い水で、適度なミネラルも含み、富士にまろやか、かつ華やかな味わいを与えます。
原料となる麦芽は、イギリス産のノンピート麦芽です。また、大麦を原料としないグレーンウイスキーには、主原料としてトウモロコシやライ麦が使われ、アメリカやカナダ産のものが集められています。いずれも厳格な基準を設けられ、チェックを潜り抜けた高品質のものです。
糖化:「富士」ではステンレス製のマッシュタンが利用されている
糖化に使用されるのはステンレス製のマッシュタンです。なめらかで華やかな味わいを実現するために、原料の配分や仕込み時間など、細かいところまで設定して行われます。
糖化が進めば、麦芽の穀皮を使って濾過し、麦汁にしていきます。柔らかい甘みを持つきれいな麦汁に仕上げるため、濾過もゆっくりと丁寧に行なっていきます。
グレーンウイスキーに使用される原料は、クッカーと呼ばれる仕込釜で仕込まれていきます。こちらも、長年の経験を持つプロの目によって、原料の配分や仕込み時間など、細かいところまで設定されています。
発酵:「富士」では木製の発酵槽が使われている

麦汁になった原料は、発酵槽に入れられます。富士御殿場蒸溜所では、操業時よりステンレス製の発酵槽を使用していましたが、2021年、生産力増強の目的のもと、木製の発酵槽が導入されました。
木製発酵槽が導入されたことにより、蒸溜所で所有しているエール酵母をはじめとする純粋培養酵母だけではなく、木の表面に住む乳酸菌の力も借りて発酵が進められるようになりました。
ステンレス製8基と木製4基を使用することで、より複雑さと深みのある原酒が生まれ、原酒の多様化に成功しています。
蒸留:「富士」は6基の蒸留器を使用

蒸留器の種類も豊富で、モルト原酒とグレーン原酒それぞれを生産するための蒸留器が備えられています。
モルトを製造するための蒸留器として3系統の計6基があり、そのうちのストレート型とランタン型1基ずつは初留と再留を交換して使用することもできます。
富士御殿場蒸溜所では「ハート オブ ハーツ蒸留法」を製法とし、蒸留したての原酒のうち、おいしいところのみを熟成に使うことが徹底されています。これは蒸留された原酒の半分ほどにしか満たず、こだわりを感じるポイントです。
グレーン用の蒸留器は4種類あり、それぞれタイプの違うグレーンウイスキーを作るために備えられています。
ライトなグレーンを作るマルチカラムが4塔、バーボンスタイルのグレーンに使うビアカラムが1塔です。また、ヘビータイプを作るタブラーとミディアムタイプを作るケトルは、国内では富士御殿場蒸溜所にしか備えられていない蒸留器です。
樽熟成:「富士」に使われるのはホワイトオークのバーボン樽

熟成に使用されるメインの樽はアメリカンホワイトオークのバーボン樽で、容量180リットルの小樽と呼ばれるサイズのものです。そのほかにも、フレンチオークのワイン樽やビール熟成の樽なども使用されています。
どの原酒をどの樽に入れるかという見極めや原酒の樽入れ・樽開けなど樽場で行われるこれらの作業は、熟練の職人の技が光るポイントです。
樽入れされた原酒たちが熟成色を過ごす熟成庫は、ラック式4棟とダンネージ式1棟があります。2021年に新設された倉庫では樽の入出庫は自動で行われ、コンピューターによって管理されています。
この他の熟成庫もそれぞれの特徴があり、合計で約18万個の樽を貯蔵できます。それらの樽の最適な熟成期間を見極める「マチュレーション・ピーク管理」がされており、一樽一樽丁寧に熟成が進められます。
調合:富士の調合は田中城太氏によって行われる
調合は蒸溜所内にあるブレンダールームで行われます。熟練のブレンダーによって、原酒の熟成状態や品質が見極められ、どの配合でブレンディングしていくか、が決められます。数々のブレンドや試飲を繰り返しながら作られていきます。
富士御殿場蒸溜所のマスターブレンダーとして、世界一の蒸留家にも選ばれ、「ウイスキーの殿堂入り」もしている田中城太氏が配されています。アメリカでの修行経験もある彼の知識や経験がふんだんに織り込まれたウイスキーといえるでしょう。
キリン シングルブレンデッドジャパニーズウイスキー 富士のブレンドには、富士御殿場蒸溜所内で生産されたモルト原酒とグレーン原酒のみが使用されています。これは、世界的に見ても珍しい、「シングルブレンデッド製法」と呼ばれるものです。
ブレンダーのきめ細やかな選別を経て、その時々に最高の味が実現されていくのです。
瓶詰:富士の瓶詰めは富士御殿場蒸溜所内で行われる
ボトリングも富士御殿場蒸溜所内で行われます。「マチュレーション・ピーク管理」によって把握されている最適の熟成のタイミングでボトリングされるのです。
この瓶詰めの工程は、蒸溜所内の見学ツアーでも見ることが可能です。
富士に使われているボトルは、丸みを帯びた形で、底の部分が富士山の形を模しています。また、透明の瓶を使用することで、ウイスキーの美しい色を楽しませるとともに、夕日を浴びた富士山の姿も想起させています。
瓶の姿からも富士山のイメージが湧き上がるような、細かいこだわりと富士への愛を感じられます。
「富士」の味わいとラインナップ
キリン シングルモルトジャパニーズウイスキー 富士

富士御殿場蒸溜所内で製造されたモルト原酒だけを使用したシングルモルトウイスキーです。
原酒には、創業時から伝統的に作られてきた軽やかさと華やかさが特徴のものと、さらに発展させた製法を用いて作られたクリーミーさとフルーティーさを特徴とするものの2種類が使われています。
グラスからは、熟したリンゴなどの華やかなフルーティーさとクリームブリュレやハチミツの甘さ、さらにダージリンティーのフローラルな香りを感じます。
口当たりはとろりと柔らかく、熟した白桃や洋梨の濃厚な果実の味と、フルーツタルトの芳醇な風味が口の中に広がっていきます。
余韻は長く続き、甘く複雑に熟された香りをたっぷりと感じることができます。
インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC)において、2023年・2024年と続けてゴールド受賞を果たしています。

キリン シングルグレーンジャパニーズウイスキー 富士

キリン シングルグレーンジャパニーズウイスキー 富士もまた、富士御殿場蒸溜所内で製造されたグレーン原酒のみを使用して作られた、グレーンウイスキーです。
使用されている原酒は3種類あり、バーボンタイプ・カナディアンタイプ・スコッチタイプとなっています。このうち、バーボンタイプとカナディアンタイプは、製造する蒸留器にもこだわり、本場アメリカとカナダで使用されているものと同様のものです。
それぞれのタイプの特徴をうまくブレンドすることで、多彩な味わいを生み出しています。評価も高い一品で、インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC)において、2020〜2023年と4年続けて金賞を受賞しています。
グラスに注いだウイスキーからは、ラズベリーやオレンジ・マーマレードのフルーティさ、パウンドケーキの甘い香りが漂います。
やわらかな口当たりの中から、白ブドウやオレンジピールのフルーティーさやビターチョコレートの風味、さらにシナモンのようなスパイシーさなど複層的な味わいが広がります。
ほのかな甘さの残る余韻には、香木のウッディさやスパイシーさも加わり、心地よく続きます。

キリン シングルブレンデッドジャパニーズウイスキー 富士

「時間のテロワール」という概念を大事に作られたブレンデッドウイスキーです。他の富士ブランドと同じく、富士御殿場蒸溜所内で製造された原酒のみを使用しています。
テロワールは、富士御殿場蒸溜所がある富士の麓の風土と、そこで原酒が過ごした時間を指し、その概念を表現しつくせるよう丹念に作り込まれたウイスキーとなっています。
元々「シングルブレンデッド」という言葉はなく、この場所と時間にこだわったウイスキーにふさわしい名をつけるために、新しく呼称申請して認められたものなのだそうです。
美しい黄金色から香るのは、ピーチやアプリコット、オレンジリキュールのフルーティーさ、甘いハチミツに加えて、ビスケットのような香ばしさです。
やわらかくシルキーななめらかさの口当たりで、フルーツケーキと白い花のハチミツのような上品な味わいが口いっぱいに広がります。
この上品かつフルーティーさが重なり合い、心地よい余韻となって感じられます。
こちらも国際的評価が高く、インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC)において、2023年・2024年と続けてゴールド受賞を果たしています。

キリン シングルグレーンウイスキー 富士 30年

キリン シングルグレーンウイスキー 富士 30年は、ケトルと呼ばれる蒸留器で製造されるグレーンウイスキーです。国内では唯一富士御殿場蒸溜所に備えられており、またグレーンウイスキーの30年ものとなると世界的にも珍しいため、このウイスキーがいかに希少なものかがわかるでしょう。
30年熟成とはいえ、使用した原酒の中で一番若いものが30年ものということで、もっと古く40年も前から熟成されているものもあるそうです。
グレーンウイスキーは、モルトウイスキーよりも熟成が早く、さらに「天使の分け前」と呼ばれる蒸発分も含めると、数十年の時を経て十分な量を残すのは容易ではありません。富士御殿場蒸溜所でも、樽の場所を変えたり、樽自体を入れ替えたりしながら、大事に大事に守ってきたものなのです。
最初に感じる香りは、ナッティかつ黒蜜のような甘い香ばしさと熟しきった果物やドライフルーツを感じるものです。
重厚でぎゅっと凝縮した味わいではあるものの、柔らかい口当たりとなっています。ハチミツの甘さ、ビターチョコのような苦み、そしてわずかに存在感を示すウッディさがまとまっています。
重厚さは余韻まで続き、複雑な香味も感じさせながらたっぷりと長く一口を楽しませてくれます。
国際的ウイスキーコンテスト「ワールド・ウイスキー・アワード2020」において、ワールドベスト・グレーンウイスキーの座に輝き、世界最高峰のグレーンウイスキーと位置付けられました。
しかし、現在キリンの公式サイトでは完売となっており、ネット上でもその姿を見つけることはなかなか叶いません。機会があれば一度口にしてみたいものです。
キリン シングルモルトジャパニーズウイスキー 富士 50th Anniversary Edition

富士御殿場蒸溜所創業50年を記念して作られた50th Anniversary Editionの一つです。
インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC)で、2023年にゴールド受賞を果たしたこちらのウイスキーは、蒸溜所創業時からの原酒を選りすぐって作られました。
長期熟成原酒の深い味わいと伝統的に作られてきた富士の特徴である軽やかかつ華やかな味わい、そして新しく作られているフルーティーさを持つ原酒などが絶妙なバランスで合わさっています。
キャラメルの香ばしい甘さとメロンのようなフルーティーさをまとった香りを感じ、やわらかい口当たりからは、ドライパイナップルや白桃タルトのような果物感のある甘く華やかな風味が広がります。各年代の原酒が折り重なったことにより複雑さを増した芳醇な熟成香と甘い余韻が残ります。
全世界で3000本のみの限定販売で、抽選販売に出てくる本数は1140本のみ。2025年現在すでに予約抽選も終了していますが、どこかでお目にかかれたらと思わずにはいられない一品です。
キリン シングルグレーンジャパニーズウイスキー 富士 50th Anniversary Edition

キリン シングルグレーンジャパニーズウイスキー 富士 50th Anniversary Editionは、50th Anniversary Editionのうちの一つとして、全世界6000本限定で発売されました。
こちらもすでに予約抽選は締め切られており、オークションなどを利用する以外に入手する方法はありません。
富士御殿場蒸溜所が有する3種類のグレーン用蒸留器を使って、創業時より作られてきたそれぞれの年代の原酒を用いて作られた、非常に特別な一品です。
口に含む前に鼻をくすぐるのは、メープルキャラメルの甘く芳しい香りとラズベリーやドライイチジクのような密度の濃い果実の香りです。
口の中に含むと、今度はカシスを思わせる黒い果実とスミレの花の華やかさ、そしてライ麦パンの爽やかな香りが、やわらかくなめらかな口当たりとともに広がってきます。
長い熟成期間を経た原酒が醸し出す熟成香とともに、心地よい甘さが長くゆったりと余韻を残します。
キリン シングルブレンデッドジャパニーズウイスキー 富士 50th Anniversary Edition

まさに、50年の富士御殿場蒸溜所の歴史のすべてが濃密に瓶の中に詰められた一品といえるでしょう。
創業時に生産されたモルト原酒をはじめ、これまでに生産されてきた各年代のモルト原酒・グレーン原酒を古いものから新しいものまで、絶妙なバランスで配合されています。
全世界で3000本限定で販売され、こちらもすでに予約受付は終了済みです。
グラスに注がれた琥珀色からは、コニャックのような芳香と白桃のタルトの果実感ある華やかな甘さ、黒蜜のような上品かつしなやかな香りが漂います。
口当たりはやわらかく、コクがありながらもきめ細かい味わいが口の中に広がります。じっくりと味わっていると、フィナンシェやドライイチジクのような甘く凝縮された風味のさらに奥から、香ばしさや伽羅の香木のような香りも姿を見せるでしょう。
心地よい甘さはそのままに、長期熟成されたウイスキーならではの芳醇さを感じられる、ゆったりとのびやかな長い余韻にひたれます。

まとめ
キリンのウイスキー「富士」についてまとめました。ブランドとしての歴史は浅いですが、キリン社の長年の経験と技術の詰まったウイスキーです。ぜひ飲んでみてください。
他の日本のウイスキーについても記事を書いていますので、ぜひあわせて読んでみてください!