ウイスキーについて扱っている当ブログですが、今回は「ジン」のブランドを紹介します。
この記事で扱っているのは、「タンカレー(Tanqueray)」。タンカレーは、世界4大ジンのうちの一つの銘柄です。焼肉屋さんのシメのメニューではありません。
この記事では、タンカレーのことを深く知りたい人やタンカレーを今まさに頼もうか買おうか迷っている人の参考になるような情報を提供していきます!
タンカレーはこんな時に買う・注文すべき
タンカレーのことを知りたいと思い、この記事を読んで頂いてる皆さん。結局、ボトルを買うべきか、今飲むべきかで迷っていると言う方も多いかと思います。
そんな方の決断をサポートするために、場面ごとに買うべきか、注文すべきかpeatyなりの見解を示したいと思います!代表的なラインナップについて、記載させていただきます。
タンカレーの歴史
ロンドンドライジンを代表する「タンカレー」。雑誌「The Spirits Business」によると、2016年に世界で一番売れたジンとなりました。
昔ながらの製法を引き継ぎ、現在まで造り続けている歴史あるブランドですが、これまでにどのような歴史があったのでしょうか。
チャールズ・タンカレーによって設立
タンカレー蒸留所は1830年にチャールズ・タンカレーによってロンドンのブルームズベリー(Bloomsbury)に設立されました。大英博物館も位置するロンドンの中心部に設立されたんですね。
チャールズ・タンカレーの父親も祖父も牧師でしたが、牧師という家族の伝統の道に進むことを拒否し、20歳の頃にジンを造ることを決意し、ジンの蒸溜所を開設します。
ジンを開発することに没頭し、300以上のレシピを試して完成させたのが「タンカレー ロンドンドライジン」です。
当時のジンは砂糖の甘さで雑味をごまかしたようなジンが主流でしたが、チャールズ・タンカレーは、これまでにない高品質なジンを目指しました。チャールズ・タンカレーの作ったジンがいわゆる「ロンドンドライジン」の標準となったと言われています。
その後、このレシピは代々引き継がれ、今もタンカレーでは使われています。
創業者チャールズの死と息子ウォー・タンカレーによる拡大
チャールズは、1868年に58歳で亡くなります。当時20歳だった息子のウォーが後を継ぎます。チャールズが蒸溜所を開設した歳と同じ20歳で継ぐとは何とも言えないエモさがありますね。
ウォーは、ビジネスが上手く拡大路線を進めていきます。まず、タンカレーの販路を世界へ広げていきます。代理店をうまく活用していくことに非常に才能があったようです。
そして、ウォーは更なる拡大を目指して大きな一手を打っていきます。
ゴードン社との合併・第二次世界大戦によるダメージ
チャールズ・タンカレーが設立した蒸留所は、1898年にゴードン社と合併され、「タンカレー&ゴードン社」となりました。まさにこれこそ、ウォーが繰り出したビジネス拡大のための大きな一手です。
チャールズが建設した蒸溜所を締め、ゴードン社と共同の蒸留所を利用することになります。また、この合併によりタンカレーは北米の市場を開拓し、世界的なブランドになっていきます。
その後、1922年にはディスティラーズ カンパニーの傘下に。
1941年には第二次世界大戦によって蒸留所が破壊されてしまいました。
この時、ほとんどの設備を失いましたが、唯一残った蒸留器は現在の蒸留所までも運ばれ、今も使用されています。「オールド・トム」と呼ばれるこの蒸留器は、なんと250年以上も使われています。
創業一族との別れ
1964年には、チャールズタンカレーの子孫(ひ孫の子ども)のジョン・タンカレーが世界中をプロモーションします。その後、1989年までジョンは、タンカレーで働きますが、彼がタンカレーで働いた最後のタンカレーファミリーとなります。
一方で、タンカレー蒸溜所は、1986年にギネスがディスティラーズ カンパニーを買収したことから、ディアジオの傘下となりました。
現在、タンカレーのスピリッツはキャメロンブリッジにある蒸留所で造られています。
近年も積極的にプロモーションを展開
長い歴史を持ち、バーなどでおなじみのタンカレーですが、近年も積極的にプロモーションを展開しています。
2021年には、ディアジオジャパンの協力飲食店で最初の一杯にタンカレーを楽しんでもらおうというキャンペーンを開催。1杯目のタンカレーが190円という特別価格で提供されました。
ディアジオ社が力を入れてることがよくわかりますね。今後の展開も楽しみです。
タンカレーの製法
ジンを造る際、一般的にスピリッツは1度蒸留を行いますが、タンカレーの場合は蒸留を4回行います。
蒸留を3回行って純度の高いスピリッツを造り、4回目の蒸留でボタニカルを加えているのです。こうすることで、洗練された味わいが完成します。4回目の蒸溜では250年の歴史をもつ「オールド・トム」という蒸留器で行われます。
ボタニカルは「ジュニパーベリー」「リコリス」「コリアンダー」「アンジェリカルート」の4つを中心に、さまざまなボタニカルをブレンド。
このレシピは門外不出とされていて、世界で6人しか知らないと言われています。
味わいとラインナップ
タンカレーはロンドンドライジンのブランドのひとつで、バーでは欠かせない存在。洗練された風味のアイテムが揃っています。
- タンカレー ロンドンドライジン
- タンカレー ナンバーテン
- タンカレー ラングプール
- タンカレー ラヴァージュジン
- タンカレー マラッカジン
- タンカレー ブラックカラント ロイヤル ジン
タンカレー ロンドンドライジン
「タンカレー ロンドンドライジン」は、上質で洗練された風味のプレミアムジン。
ジンの基本と言えるジュニパーベリー、リコリス、コリアンダー、アンジェリカルートの4つのボタニカルを使用していて豊かな香りを楽しめます。
タンカレー ナンバーテン
タンカレーの上級品という立ち位置の「タンカレー ナンバーテン」。マスターディスティラーが少量ずつ丁寧に造る「ハンドクラフテッド・ジン」です。
1950年代から使われている、スワンネックのオリジナル小型単式蒸溜器「タイニーテン」で蒸留されていることが特徴。
「タイニーテン」はタンカレー蒸留所に現存する蒸溜器の中で最も新しい、10番目に造られた小型単式蒸溜器です。ナンバーテンという銘柄のネーミングもこれに由来しています。
オレンジやライムなどのフレッシュなフルーツや手摘みされたボタニカル等を使用していて、奥深く、エレガントな香りを楽しめます。
タンカレー ラングプール
「タンカレー ロンドンドライジン」にライムやハーブ、ジンジャーなどを加えた「タンカレー ラングプール」。
柑橘の香りの中にスパイスのニュアンスを感じるエキゾチックな風味が特徴です。
マティーニに使用するのがおすすめ。
タンカレー ラヴァージュジン
限定アイテムとしてリリースされた「タンカレー ラヴァージュジン」。
創業者のチャールズ・タンカレーが1839年に作成したレシピに基づいて造られています。
香りはハーブやセロリ、カモミールなど。
ジュニパーやハーブのニュアンスの味わいです。
バランスのとれた風味だと言えるでしょう。
タンカレー マラッカジン
通常のタンカレー ロンドンドライジンよりジュニパーの使用量を抑え、シトラスの風味を強調した「タンカレー マラッカジン」。
シトラスやグレープフルーツの柑橘の香りの中にシナモンやスパイスのニュアンスをしっかり感じられ、甘さと爽やかさの絶妙なバランスを楽しめます。
タンカレー ブラックカラント ロイヤル ジン
カシスを漬け込んで造ったタンカレー ブラックカラント ロイヤル ジン。
カシスの風味はしっかり感じますが、すっきりとした味わいで、わずかな苦みも感じます。
ジュニパーやコリアンダー、アンジェリカ、リコリスなどのボタニカルを使用。
バニラのニュアンスも感じます。
まとめ
今回はジンのトップブランドのひとつ、である「タンカレー(Tanqueray)」についてまとめました。
ジンはあっさりしているので、たしかに最初の1杯にもいいですよね。みなさんもぜひタンカレーを飲んでみてください!