オクトモア(Octomore)は、スコットランドのアイラ島で造られているシングルモルトウイスキー。いわゆるアイラモルトのひとつで、高いフェノール値のモルトを使っていることで有名なブランドです。
青いボトルで有名な「ブルックラディ蒸溜所」で製造されています。
この記事では、オクトモアのことを深く知りたい人やオクトモアを今まさに頼もうか買おうか迷っている人の参考になるような情報を提供していきます!
オクトモアの歴史
ウイスキーの聖地とされるアイラ島で造られている「オクトモア」。
テロワールを大切に、地元産にこだわったウイスキー造りを行ってきました。
老舗蒸溜所が手掛けるシングルモルトウイスキー
「オクトモア」を造っているのは、1881年操業の「ブルックラディ蒸溜所」。
「フェノール値が極めて高いモルトを使ったらどんな味になるのだろうか」という好奇心から「オクトモア」ブランドがスタートしました。
手掛けたのは、最高責任者であるマーク・レイニア氏とマスターディスティラーのジム・マッキュワン氏です。
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ちなみに、「ブルックラディ蒸溜所」では、「オクトモア」の他にも「ブルクラディークラシック」や「ポートシャーロット」も手掛けています。
オクトモアの誕生
オクトモアが誕生したのは、2002年9月23日。
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フェノール値80.5ppmのモルトを使用するところから始め、2年目には原酒のフェノール値は100ppmを超えていました。
一般的なスモーキーな風味のウイスキーだと、例えばラフロイグは40~45ppmの麦芽を、キルホーマンは、50ppm程度の麦芽を、アードベックは、55ppmの麦芽を使っていると言われています。オクトモアがどれだけフェノール値にこだわっているかがわかるかと思います。
その後も、高フェノール値にこだわった個性派のシングルモルトウイスキーを続々リリースし、人気を集めています。
世界的な賞を受賞しているアイテムもあり、注目のブランドとなりました。
オクトモアの製法
世界最大の数値だと言える高フェノール値が特徴の「オクトモア」。
スモーク感はしっかりあるものの、意外と甘さを感じることも特徴です。
では、オクトモアはどのように造られているのでしょうか。
テロワールにこだわっている
「オクトモア」はテロワールを大切にしています。
テロワールとは、ワインでよく使われる用語で、生産地の気候や風土によってもたらされる個性を大切にすることを指します。
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そのため、原料の麦芽はすべてスコットランド産を使用、そのうち40%はアイラ島産です。
また、ラベルには麦芽を生産した農家の名前や品種が明記されていることも特徴。
ブルックラディ蒸溜所はウイスキー業界で初めてトレーサビリティを可能にした蒸留所なのです。
スーパーへビリーテッド・モルトを使用
温度を抑えながら、できるだけ長時間ピートの煙で燻した大麦から作られる「スーパーへビリーテッド・モルト」を使用しています。
この「スーパーへビリーテッド・モルト」は、原料やその時々の気候や環境によって仕上がりが異なるものです。
そのため、定番品は造らず、エディションナンバーでボトルを管理するという独自の手法を行っています。
オクトモアのリリース周期と命名
オクトモアは、年一回限定本数がリリースされます。2023年は、10月にリリースされました。
また、オクトモアは、年一回数種類リリースされて、命名規則があることも特徴です。
例えば「オクトモア12.01スコティッシュバレー」など数字が併記されるのですが「.」の前は、エディション番号となっています。
上記の例だと12が該当し、12回目のリリースというわけです。2023年は14のため、2024年は15になります。
そして、「.」の後ろは「.01」が100%バーボン樽熟成、「.02」はワイン樽熟成原酒のブレンド、「.03」はオクトモア農場産大麦100%、「.04」は新樽熟成原酒使用を意味しています。
エディション番号を見ると、どんなウイスキーなのかが一目瞭然です。
オクトモアの公式ファンクラブ「OCTOMANIA」
2024年から、オクトモアの公式ファンクラブが発足しました。その名も「OCTOMANIA」。オクトモアの15シリーズの解禁と合わせて誕生しました。オクトモアに関するイベントの情報や、新製品についての情報をいち早く仕入れられます。少しでも興味ある方はぜひ登録してみてくださいね。
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味わいとラインナップ
オクトモアはスコットランドのアイラ島で造られているシングルモルトウイスキー。
フェノール値が非常に高く、「世界一スモーキーなウイスキー」と呼ばれています。
- オクトモア14.1
- オクトモア14.2
- オクトモア14.3
- オクトモア13.1
- オクトモア13.2
- オクトモア13.3
- オクトモア12.1 スコティッシュ・バーレイ
- オクトモア12.2 ソーテルヌ・カスク
- オクトモア12.3 アイラ・バーレイ
- オクトモア11.1 スコティッシュ・バーレイ
- オクトモア 11.2 ONLINE DISTILLERY EXCLUSIVE
- オクトモア11.3 アイラ・バーレイ
- オクトモア10年
オクトモア14.1
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2016年に収穫したスコットランド産大麦を100%使用した「オクトモア14.1」。
2017年に蒸留し、ファーストフィルのアメリカンウイスキーの樽で約5年熟成させました。
バニラやキャラメル、ココナッツやシトラスの香り。
シトラスや洋梨、コーヒー豆やバタースコッチのような味わいです。
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オクトモア14.2
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スコットランド産の大麦を100%使用し、オロロソシェリー樽とアマローネワイン樽で熟成させた「オクトモア14.2」。
プルーンやシナモン、グリーンアップルやブラックペッパーのような香りを感じます。
味わいは、ブラックペッパーやフルーツケーキ、洋梨やシーソルトなど。
スパイスとスモークの風味をしっかり感じるアイテムです。
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オクトモア14.3
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アイラ島産コンツェルト種大麦を100%使用した「オクトモア14.3」。
アプリコットやレモンピール、バタースコッチやチョコレートのような香り。
スイカズラやバニラ、トフィ―のような味わいです。
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オクトモア13.1
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最高品質のアメリカンオーク樽で5年間熟成させた「オクトモア13.1」。
ナッツやアプリコット、バニラやアプリコットのような香り。
味わいは、アプリコットジャムやナッツ、チョコレートに燻製のニュアンスも感じます。
スモーキーながらもまろやかな風味を楽しめるアイテムです。
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オクトモア13.2
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2015年に収穫したスコットランド産大麦を100%使用した「オクトモア13.2」。
ファーストフィルのフェルナンド・デ・カスティーリャのオロロソシェリー樽で5年熟成させています。
香りは、ナッツやミルクチョコレート、レーズンやメロンなど。
ナッツやオレンジマーマレード、胡椒のような味わいです。
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オクトモア13.3
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スコットランド産コンチェルト種の大麦を100%使用した「オクトモア13.3」。
ファーストフィルのアメリカンウイスキー樽を中心に熟成させています。
香りはアプリコットやローズ、ゼラニウムやユーカリなど。
ブラウンシュガーやレモンの皮、ココナッツやマジパンのような味わいです。
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オクトモア12.1 スコティッシュ・バーレイ
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5年熟成させたシングルモルトウイスキーを、カスクストレングスで瓶詰めした「12シリーズ」。
この12シリーズの基準となるのが「オクトモア12.1 スコティッシュ・バーレイ」です。
スコットランド産の大麦「コンチェルト種」を100%使用していることが特徴。
ファーストフィルのアメリカンオーク樽で熟成させています。
香りはシトラスやスポンジケーキ、ココナッツやチョコレートなど。
味わいは、胡椒やシロップ、アプリコットジャムやシトラスなどのニュアンスです。
オクトモア12.2 ソーテルヌ・カスク
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アメリカンオーク樽で約3年半熟成後、ファーストフィルのソーテルヌ樽で後熟させた「オクトモア12.2 ソーテルヌ・カスク」。
香りはメロンやハチミツ、オレンジピールやハチミツ。
レモンピールやバニラ、メロンのような味わいです。
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オクトモア12.3 アイラ・バーレイ
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ファーストフィル・アメリカンオーク樽で熟成させた原酒と、ファーストフィル・ペドロヒメネス樽で熟成させた原酒をマリアージュさせた「オクトモア12.3 アイラ・バーレイ」。
香りはレーズンやデーツ、ミルクチョコレートなど。
ダークチョコレートやドライフルーツ、トフィ―のような味わいです。
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オクトモア11.1 スコティッシュ・バーレイ
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2013年に収穫した大麦を使用し、2014年に蒸留した「オクトモア11.1 スコティッシュ・バーレイ」。
ファーストフィルアメリカンオークで5年間熟成させています。
30,000本限定で生産されました。
香りはレモンやピーチヨーグルト、青りんごなど。
赤唐辛子やアプリコット、バニラやキャラメルのような味わいです。
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オクトモア 11.2 ONLINE DISTILLERY EXCLUSIVE
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免税店限定でリリースされた「オクトモア 11.2 ONLINE DISTILLERY EXCLUSIVE」。
スコットランド産の大麦「スコティシュバーレイ」を100%使用しています。
ワイン樽熟成の原酒25%とアメリカンウイスキー樽で熟成させた原酒75%を組み合わせ、セントジュリアンワイン樽で18ヶ月後熟させていることが特徴です。
香りはドライフルーツやトースト、柑橘など。
オークやチョコレート、タフィーやドライフルーツのような味わいです。
日本国内では取り扱いがないので、バーなどで出会えたら迷わず飲んでみましょう。
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オクトモア11.3 アイラ・バーレイ
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フェノール値194ppmという高い値の「オクトモア11.3 アイラ・バーレイ」。
ジムビームやヘヴンヒル、バッファロートレースやジャックダニエルから仕入れたファーストフィルのアメリカンオーク樽で熟成させています。
香りはフローラルやピートのニュアンス。
ハチミツやアプリコットジャム、花束を感じる味わいです。
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オクトモア10年
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上記のラインナップはすべて5年間熟成させたものでしたが、この「オクトモア10年」は10年間熟成させています。
アメリカンオーク樽で5年後、スペインのリベラ・デル・ドゥエロのワイン樽でさらに5年間熟成させていることが特徴です。
香りはネクタリンやシトラス、パイナップルやマンゴーなど。
ココナッツやタバコ、バニラのような味わいです。
蒸留所のオンラインショップで3,500本限定で販売された非常にレアなアイテム。
運よく出会えたらぜひ試してみてください。
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まとめ
オクトモアについてまとめてみました。現代のウイスキーの巨匠、ジム・マッキュワン氏の挑戦でできたウイスキーなので、是非ウイスキー好きな方には飲んでもらいたいです!
ただ、少しボトルで買うには正直お値段張りますね(笑)。バーなどで見つけた場合に試してみてくださいね!