日本のウイスキー、「トリスウイスキー」のご紹介

日本のウイスキー

トリスウイスキーは、サントリーが製造している国産ブレンデッドウイスキー。ほとんどの人が名前を聞いたことがあるでしょう。「トリスハイボール」をよく居酒屋で飲まれている読者の方もいるかもしれません。

この記事では、トリスウイスキーのことを深く知りたい人やトリスウイスキーを今まさに頼もうか買おうか迷っている人の参考になるような情報を提供していきます!

編集部
編集部

POINT

  • 1919年に「トリスウイスキー」は販売され、大ヒットとなる。海外原酒が偶然熟成されたもので、原酒がウイスキーだったかどうかは不明と言われている
  • トリスウイスキーは品質向上を図り、1946年に正式なウイスキーとしてリリースされた。
  • 1950年代からトリスバーが展開され、日本でウイスキー文化が広がった。
  • 2010年代にハイボールブームが再燃し、トリスウイスキーの人気が復活した。
  • トリスエクストラは、2024年3月に終売した。昨今の原酒不足が理由だと推測される。
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トリスウイスキーの歴史

国産ブレンデッドウイスキーの定番であるトリスウイスキー

日本におけるハイボールブームのきっかけとも言える銘柄ですが、その誕生の裏には「思いがけない偶然」がありました。

海外の原酒がきっかけ

トリスウイスキーを製造販売しているサントリーの前身である寿屋では、1907年にリリースした赤玉ポートワインが大ヒットしていました。

そこで、創業者の鳥井信治郎はワイン以外の洋酒にも目を向け、海外から熟成前のウイスキーの原酒やブランデーの原酒を輸入したのです。

もちろん、この原酒は熟成前のため、とてもウイスキーとはとても言えない代物でした。

到底販売できるものではなかったため、ワインの樽に入れて放置していました。

そのまま数年の時が経ち、久しぶりに樽を開けてみると、そこには琥珀色に熟成された原酒があり、その風味はまさにウイスキー。

鳥井信治郎はこの原酒に加水し、1919年に「トリスウイスキー」と名付けて販売しました。その物珍しさから大ヒット。瞬く間に売り切れになります。(中身はウイスキーだったのか、ブランデーだったのか、それとも他のなにかだったのかは不明です。)

余談ですが、このことによって鳥井信治郎は、日本でもウイスキーが受け入れられると確信したのだそうです。

そして、鳥井信治郎は1923年に山崎蒸溜所を建設。ここから、本格的なウイスキー造りがスタートしました。

品質の良いウイスキーを届けるために

トリスウイスキーは人気のお酒となりましたが、原料等も含め正式に「ウイスキー」と呼べるものではありませんでした。

また、戦後の混乱期で粗悪なお酒も市場に出回る中、「安くても品質の良いお酒を飲んでほしい」という想いから1946年に正式にウイスキーとしての「トリスウイスキー」をリリースします。

発売当初はウイスキーの比率が5%程度の「3級ウイスキー」でしたが、粗悪な密造酒と比べると質は高く、徐々に人気が高まっていきました。当時のキャッチコピーは「やすい・うまい」で、戦後の洋酒ブームを引っ張っていく存在となっていくのです。

トリスバーが人気

1950年頃からは、トリスウイスキーを楽しめる「トリスバー」を全国に展開。

夏はハイボール、冬はホットウイスキーなど、飲み方の提案も行われました。

こうして、日本人にウイスキーを飲む文化が広がっていったのです。

トリスウイスキーのおじさん登場【アンクルトリス】

1958年には、おなじみのキャラクター「アンクルトリス」も誕生しています。

アンクルトリスは、美味しいハイボールが好きなサラリーマンのおじさんです。当時、高度経済成長期にあった日本のサラリーマンに親近感を持ってもらうためのキャラクターです。

サラリーマンの皆様も、アンクルトリスも、トリスウイスキーを飲んで、疲れた体を癒やしていました。

モルト・グレーンのみに変更

酒税法が改正されるまで、トリスウイスキーはモルト・グレーン原酒の他に安いアルコールも混ぜて造っていました。

しかし、酒税法が改正された1989年からはモルト・グレーンのみとなっています。(このときから「1級ウイスキー」になります。)

これを機に、トリスウイスキーの品質は高まりました。

そのため、89年以前のトリスを知っている人にとっては、トリスは粗悪品のイメージがあるかもしれません。今のトリスを飲んだら驚くことでしょう。

ハイボール人気再び

1980年代頃からウイスキーの消費量は落ち込んでいましたが、2010年頃にハイボールが再びブームになりました。

出典:https://www.oricon.co.jp/news/80135/

同時期に、よりハイボールに馴染みやすい爽やかな味わいをもつ「トリスエクストラ」や、気軽に楽しめる缶タイプなども発売を開始しました。

2010年のトリスのCMです。
出典:https://www.oricon.co.jp/news/80135/

結果として、安価で飲みやすいトリスウイスキーの人気も復活。以降、みなさんも知っての通り、定番のブレンデッドウイスキーとして愛され続けています。

トリスエクストラが2024年3月に終売、その理由は?

人気ラインナップだるトリスエクストラは、2024年3月に終売しています。トリスクラシックに統合されたということになっているようです。

終売の理由は、明らかになっていません。ここからは、Peaty編集部の推測ですが、、、昨今の原酒不足による価格高騰が関係しているのではないかと思います。

トリスは、山崎・白州・知多の原酒を使っています。どの蒸溜所の原酒もそれだけで価値があり、原酒不足の現代において価格が高騰しています。

こうした状況下で、トリスに原酒を回して薄利多売を行うより原酒を確保して、個別ブランドとして売っていく方が利益が出ると判断したのではないでしょうか。これは編集部の推測なので、くれぐれもサントリー公式見解ではないこと再度記載しておきます。

トリスウイスキーの製法の特徴

トリスウイスキーはブレンデッドウイスキーのため、複数の蒸留所で造られた原酒をブレンドして造られています。

原酒は、サントリーが運営する山崎蒸溜所白州蒸溜所モルト原酒知多蒸溜所グレーン原酒を使用。

スタンダードボトルである「トリス クラシック」は、シェリー樽で熟成された白州蒸留所のモルト原酒をキーモルトとしています。

味わいとラインナップ

ロングセラー商品であり、コンビニやスーパーなど身近な場所で販売されています。

それでは各ラインナップごとに細かくその特徴を紹介していきましょう。

  • トリス クラシック
  • トリス エクストラ
  • トリス スクエア
  • トリス ブラック
  • トリス ハニー

トリス クラシック

トリス クラシック」はトリスウイスキーのスタンダードボトル。

1946年の発売以来、日本で愛され続けているロングセラー商品です。

キーモルトには、白州蒸溜所シェリー樽で熟成された原酒を使用しています。

カラメルや消毒薬、バニラのような香り、カラメルや洋梨の味わいが特徴です。

アルコールの刺激が強いので、ハイボールで飲むのがおすすめ。

トリス エクストラ

2010年にリリースされた「トリス エクストラ」。

アルコール度数が40%に調整されていて、すっきりとしたキレのある味わいのアイテムです。

スタンダードボトルである「トリス クラシック」は丸みがあって、甘さとまろやかさが特徴のため、対照的なアイテムだと言えるでしょう。

シェリー樽ならではのフルーティーな香りで、青リンゴやレーズン、オークのニュアンスを感じる味わいが特徴。

さっぱりとした風味なので、ストレートや、レモンを効かせたハイボールなどで飲むのがおすすめです。

なお、既述ですが、2024年3月にトリスエクストラは終売しています。まだ、在庫はあるみたいなので、お早めに購入ください。

トリス スクエア

トリス スクエア」は2003年にリリースされましたが、現在は終売となっています。

バニラや黒糖、カラメルなどの香り。

かりんとうやレーズンのような甘さを感じますが、全体的に薄めの味わいに仕上がっています。万人受けするタイプの風味ではないかもしれません。

トリス ブラック

2004年にリリースされた「トリス ブラック」。

現在は終売となり、「トリス クラシック」が後継のアイテムとなっています。

香りや味わいは薄いものの、甘さを感じることが特徴。

ハイボールで飲むのがおすすめです。

トリス ハニー

トリス エクストラ」にはちみつを加えた「トリス ハニー」。

「フレーバードウイスキー」と呼ばれ、日本の酒税法では「リキュール」にカテゴライズされます。

はちみつが入っているので、甘くて飲みやすく、アルコール度数も20度と低いためウイスキー初心者にもおすすめです。

リキュールとされていますが、じつはしっかりとウイスキーの香りを楽しめることもポイント。

ハイボールはもちろん、ストレートやロックでも楽しめます。

現在は生産終了となっている商品です。

まとめ

トリスウイスキーについてまとめました!吉高由里子さんの印象が強いですが、2010年からCMに出ているのでそれも当然ですね。

他の日本のウイスキーについてもまとめていますので、合わせて読んでみてください!

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