スコッチウイスキー、アランについて知ろう!【アラン島のウイスキー】

スコッチウイスキー

アラン(Arran)は、スコットランドのアラン島で造られているシングルモルトウイスキー

この記事では、アランのことを深く知りたい人やアランを今まさに頼もうか買おうか迷っている人の参考になるような情報を提供していきます!

スポンサーリンク

アランはこんな時に買う・注文すべき

アランのことを知りたいと思い、この記事を読んで頂いてる皆さん。結局、ボトルを買うべきか、今飲むべきかで迷っていると言う方も多いかと思います。

そんな方の決断をサポートするために、場面ごとに買うべきか、注文すべきかpeatyなりの見解を示したいと思います!代表的なラインナップについて、記載させていただきます。

アランの歴史

スコットランドのアラン島で造られているアラン。もともとは、密造酒として誕生しました。

アラン島から一度ウイスキーが消えた

1800年代、スコットランドのアラン島には200か所以上の蒸留所がありました。アラン島は広大な島であり、大きな都市である「グラスゴー」の近くにあったため、ウイスキーの密造をするのに適していました。都市部では「アランの水」と呼ばれていたようです。

密造酒ではありましたが、島の環境がウイスキー造りに合っていたことから、どれも高い評価を受けていたのです。

しかし、スコットランドは酒類に高い税金をかけたことによりウイスキー造りから撤退する業者が増え、1837年を最後にアラン島でのウイスキー造りはストップしました。最後の蒸留所は「ラッグ蒸留所」でした。

アラン島でのウイスキーの復活

ウイスキー造りが行われなくなって1世紀半以上経った1995年に、アラン蒸留所が誕生しました。

創設者は、ハロルド・カリー氏

ハロルド・カリー氏は、シーバスリーガルのマネージングディレクターを勤めた人物でスコッチ業界の重鎮として知られています。

自分の蒸留所を持つことが夢だったハロルド・カリー氏が70歳の時に、その実現のために選んだのがアラン島だったのです。

しかし、資金繰りに悩み、彼の息子が今で言うところのクラウドファンディングのような手法で資金を集めます。

具体的には、債券を発行し、その債権に建設される蒸溜所で製造されるシングルモルトを優先的に配る権利をつけました。加えて、永年割引でシングルモルトを購入できる権利をつけました。

そして、アラン島でのウイスキー造りの復活を願っていた島民の協力も得て、ウイスキー造りを復活させました。

160年ぶりのリリースとハロルド・カリー氏の逝去

蒸留所を設立してから3年後の1998年に、「アランモルト」をリリース。1988年の7月には、映画「トレインスポッティング」で人気を博していたユアン・マクレガーも蒸留所を訪れています。

映画トレインスポッティングのユアン・マクレガー

アラン島でウイスキーが造られたのは、160年ぶりの出来事でした。

続けて2006年には「アラン10年」をリリース。年々、数多くの年代もの、ブレンド、限定版を発表し、スコットランド国内外で数多くの賞を獲得しています。

順調にその知名度を広げる中、2016年3月に創業者であるハロルド・カリー氏が惜しまれながら逝去します。

ハロルド・カリー氏の功績

ハロルド・カリー氏の1944年6月のノルマンディ上陸作戦時の功績が称えられ「レジオンドヌール勲章」を授与されました。

ハロルド・カリー氏はフットボール好きとしても知られていて、1970年代にセントミレンFCの会長を務めていたことで知られています。その際に見出したアレックス・ファーガソンをセントミレンFCの監督(マネージャー)に任命しました。

アレックス・ファーガソンは、1974年から1978年の4年間セントミレンFCの監督を努め、後にマンチェスター・ユナイテッドの監督となり、長きにわたりチームの指揮を執っています。

ウイスキーだけでなく、多岐にわたって才能を発揮した人物でした。

蒸留所の名前を改名

2019年にはアラン島内に第2蒸留所「ラッグ蒸留所」を設立しました。もちろん、アランができる前の最後の蒸留所の名前にちなんでいます。

これを機に、アラン蒸留所は「ロックランザ蒸留所」に改名。樽にも「Lochranza」と書いてますね。

2つの蒸留所ではビジターセンターにも力を入れていて、観光客を積極的に誘致しています。

アランの製法の特徴

スコットランドのアラン島で造られているアラン。

蒸留所自体の歴史は浅いものの、伝統的な製法を踏襲した、こだわりの詰まったアイテムが多いことに定評があります。

大麦麦芽の品種がポイント

原料の大麦麦芽は、「オプティック」という品種のものを使用しています。

モルト用に開発された比較的新しい品種で、2000年頃から使用されていますが、アルコール収率が高いことが特徴です。

また、仕込み水にはミネラル分を豊富に含んだロック・ナ・ダビーが水源の湧き水を使っています。

単式の蒸留器を使用

比較的新しい蒸留所では連続式のポットスチルが設置されることが多い傾向がある中、単式蒸留器を設置しています。

ポットスチルは2基、ウォッシュバックは4槽使用。

単式蒸留器を使用している理由は、香りや風味が残りやすいからだそうです。

ざまざまな樽を使用

熟成のための新樽にはヨーロピアンオーク材を使用。

リフィル樽は、ワイン樽シェリー樽ポート樽などを使っています。

樽や蒸留器の管理を行う5人のスチルマンが、最高のウイスキーの完成を目指して、日々取り組んでいます。

味わいとラインナップ

アランは、スコットランドアラン島で造られているシングルモルトウイスキー

日本でも人気が高く、伝統的な製法で造られていることで知られています。

それでは各ラインナップごとに細かくその特徴を紹介していきましょう。

  • アラン・シングルモルト10年
  • アラン・シングルモルト・バレルリザーヴ
  • アラン・シングルモルト・クォーターカスク
  • アラン・シングルモルト・シェリーカスク
  • アラン・シングルモルト・18年
  • アラン・シングルモルト・21年
  • アランモルト10年(旧ボトル)
  • アランモルト14年
  • アランモルト18年(旧ボトル)
  • アランモルト21年(旧ボトル)
  • アランモルト アマローネカスク
  • アランモルト ポートカスク
  • アランモルト マディラカスク
  • アランモルト ソーテルヌカスク
  • アランモルト ザ・ボシー

アラン・シングルモルト10年

アランは2019年にロゴとパッケージを刷新し、商品名は「アラン・モルト」から「アラン・シングル・モルト」に変わりました。

この「アラン・シングルモルト10年」は、旧ボトルのリニューアル版です。

旧ボトルと比べて濃い色合いにはなっていますがアルコールの刺激が弱くなったことにより、初心者にも飲みやすくなっています。

バニラやシトラス、ハチミツやバタースコッチのような香り。

味わいはシトラスやヘーゼルナッツ、リンゴやシナモンのようなニュアンスです。

ストレートはもちろん、ハイボールで飲むのにも向いています。

アラン・シングルモルト・バレルリザーヴ

アランのスタンダードボトルである「アラン・シングルモルト・バレルリザーヴ」。

ファーストフィルバーボン樽のみ使用し、7~8年熟成させています。

麦芽やバニラ、シトラスや青りんごの香り。

青りんごやシトラスのような味わいです。

ライトな仕上がりなので飲みやすいアイテムと言えるでしょう。

アラン・シングルモルト・クォーターカスク

バーボン樽で7年間熟成後、クオーターカスクで2年間追加熟成し、カスクストレングスでボトリングした「アラン・シングルモルト・クォーターカスク」。

オークならではのスパイシーな風味をしっかりと感じられるアイテムです。

レモンピールやココア、綿あめのような香り。

味わいは、パイナップルやペッパー、バニラや唐辛子のようなニュアンスです。

アラン・シングルモルト・シェリーカスク

ファーストフィルのシェリーホグスヘッドで100%熟成させた「アラン・シングルモルト・シェリーカスク」。

とても濃いルビー色をしていることが特徴で、シェリー樽由来の風味をしっかり感じられます。

香りは、チョコレートやマンダリンオレンジ、シトラスなど。

いちじくやヘーゼルナッツ、パイナップルの缶詰のような味わいです。

アラン・シングルモルト・18年

シェリーホグスヘッドで熟成した原酒とファーストフィルのバーボンバレルで熟成させた原酒をヴァッティングした「アラン・シングルモルト・18年」。

18年熟成させることにより、奥行きのある風味に仕上がっています。

香りはオレンジピールやバニラ、ハーブ。

ミルクチョコレートやジンジャー、オレンジピールのような味わいです。

華やかな余韻を楽しめるアイテムだと言えるでしょう。

アラン・シングルモルト・21年

ファーストフィル、セカンドフィルのシェリーホグスヘッドで熟成させた原酒のみをブレンドした「アラン・シングルモルト・21年」。

数量限定でリリースされています。

21年間熟成させることにより、リッチな風味を引き出しているアイテムです。

香りはダークチョコレートやりんご、焼きプリンやアプリコットジャムなど。

アランモルト10年(旧ボトル)

現在、ロゴやパッケージが刷新された新ボトルがメインにはなっていますが、まだまだ旧ボトルも流通しています。

アランモルト10年(旧ボトル)」は、アランのレギュラーボトル的な立ち位置。

カスタードやメロン、キウイフルーツのような香りが特徴です。

味わいは、シトラスやシナモン、シロップのようなニュアンス。

アランらしい風味を楽しめるアイテムです。

¥13,799 (2024/01/18 18:12時点 | Yahooショッピング調べ)

アランモルト14年

現在は終売している「アランモルト14年」。

ドライフルーツやバニラ、シトラスのような香りです。

味わいはチョコレートやアプリコット、若干の塩気も感じます。

ストレートはもちろん、ハイボールもおすすめです。

アランモルト18年(旧ボトル)

バーボン樽シェリー樽で熟成した原酒をヴァッティングした「アランモルト18年(旧ボトル)」。

キャラメリゼしたオレンジピールやシロップ、バニラのような香りです。

味わいはチョコレートやブラウンシュガー、バニラクッキーのようなニュアンス。

アランの複雑な風味を感じられ、ウイスキー初心者の方でも楽しみやすいアイテムです。

アランモルト21年(旧ボトル)

2018年にリリースされた「アランモルト21年(旧ボトル)」。

シェリーカスクバーボンカスクで熟成させた原酒をヴァッティングして造られています。

香りはシトラスやハチミツ、トフィ―やアプリコットジャムなど。

ベイクドオレンジやラムレーズン、シナモンのような味わいです。

9,000本限定で発売されたので、見かけた場合は、ぜひ試してみてください。

アランモルト アマローネカスク

ヨーロピアンオーク樽で熟成させた後、イタリアの赤ワイン「アマローネ」の樽で追熟させた「アランモルト アマローネカスク」。

アランのマスターディスティラーであるジェームス・マクタガート氏が30年以上研究を重ねて完成させました。

冷却濾過を行っていないので、アランらしい力強さをしっかり感じられます。

香りは白桃やアーモンド、バニラなど。

ビターチョコレートやアプリコット、ベリーのような味わいです。

アランモルト ポートカスク

ヨーロピアンオーク樽で熟成させた後、ポルトガルの酒精強化ワインである「ポートワイン」樽で追熟させた「アランモルト ポートカスク」。

こちらも「アランモルト アマローネカスク」と同じく、ジェームス・マクタガート氏が手掛けたアイテムです。

香りは、白桃やアーモンド、ハチミツやバニラなど。

ビターチョコレートやアプリコット、ドライフルーツのような味わいです。

アランモルト マディラカスク

ホグスヘッドバーボン樽で熟成後、ポルトガルの貴腐ワイン「マディラワイン」の樽で追熟させた「アランモルト マディラカスク」。

レーズンやアプリコット、フルーツケーキやチョコレートシロップなどの香りです。

味わいは、レーズンやハチミツ、ビターオレンジなど。

世界で12,000本、日本には300本しか入っていないレアなアイテムなので、もしも出会えたら試してみてください。

アランモルト ソーテルヌカスク

スパニッシュオークの新樽やワイン樽、シェリー樽などで熟成させた原酒をフランスのソーテルヌの甘口貴腐ワイン「ソーテルヌワイン」樽で追熟させた「アランモルト ソーテルヌカスク」。

黄桃やハチミツ、バニラやナッツのような香りです。

味わいは、麦芽クッキーやマスカット、シナモンやザラメのようなニュアンスを感じます。

アランモルト ザ・ボシー

ファーストフィルのバーボンバレルで熟成後、クォーターサイズアメリカンオーク樽18か月以上追熟させた「アランモルト ザ・ボシー」。

シトラスやバニラ、シナモンの香りが特徴です。

味わいはパイナップルやリンゴ、クリームパンやシトラスなど。

毎年、世界で13,800本限定でリリースされていたアイテムです。

フルボディで厚みのある風味のため、食後に飲むのがおすすめ。

まとめ

アランについてまとめてみました。いわゆるアイランズといわれるスコッチウイスキーの代表的な銘柄の一つですね。お店で見かける機会も多いウイスキーです。

見かけたらぜひ飲んでみてください!

タイトルとURLをコピーしました