シングルトン(The Singleton)は、スコッチウイスキーの一種です。スコットランドの有名なウイスキー産地のひとつであるスペイサイドで作られています。
この記事では、シングルトンを詳しく紹介していきます。シングルトンのことを深く知りたい人、シングルトンを今まさに頼もうか買おうか迷っている人の参考になるような情報を提供していきます!
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POINT
- シングルトンはディアジオ社が出しているウイスキーのブランド名
- なんと、3つの蒸留所で造られたウイスキーが同じブランド名で売られている
- シングルトンの蒸留所のうちの一つ、ダフタウン蒸留所は、今日本で手に入るシングルトンの主な製造元
- 残りの2つの蒸留所は、グレンオード蒸留所と、グレンダラン蒸留所である
- ひとくちにシングルトンといっても、どの蒸留所のものかで味わいが違うので、様々なシリーズがある
シングルトンはこんな時に買う・注文すべき
シングルトンのことを知りたいと思い、この記事を読んで頂いてる皆さん。結局、ボトルを買うべきか、今飲むべきかで迷っていると言う方も多いかと思います。
そんな方の決断をサポートするために、場面ごとに買うべきか、注文すべきかpeatyなりの見解を示したいと思います!代表的なラインナップについて、記載させていただきます
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シングルトンの歴史と製法
シングルトンは、世界的な大手酒造メーカー「ディアジオ社」が手がけるシングルモルトウイスキーです。
シングルトンは、ダフタウン・グレンオード・グレンダランという3つの蒸留所で造られたウイスキーを同じブランド名でリリースしているというのが大きな特徴。
なぜこのようなことが行われているかという理由は、「ディアジオ社」が大手の会社だからです。
規模の大きな会社のため、多くの蒸留所を保有しており、それらがブレンデッドウイスキー用の原酒を造る役割を担っています。
そこで、この中から3カ所の蒸留所で造られているウイスキーを同じブランドのシングルモルトとして売り出すという珍しい手法が生まれたのです。
それでは、それぞれの蒸留所について紹介していきましょう。
ダフタウン蒸溜所
ダフタウン蒸溜所はスペイサイドのダフタウン地区にある蒸溜所。
ダフタウンは小さな町ですが、ウイスキー産業で有名な場所として知られています。グレンフィデック・モートラック・バルヴェニーといった有名蒸留所に加え、後に紹介するグレンダラン蒸留所もダフタウンにあります。
ダフタウン蒸溜所の歴史
ダフタウン蒸溜所は1896年に当時リバプールに住んでいた投資家たちによって建てられました。
元々は食品工場だったところを改装して蒸留所にしたそうです。
1933年にアーサー・ベル&サンズ社に買収されて以降は、原酒の98%をブレンデッドウイスキー「ベル」のキーモルトとして使用、残り2%をシングルモルトウイスキーとしてリリースしています。
ちなみに、ベル社は1985年にギネス社に買収され、その2年後にギネス社とグランドメトロポリタン社が合併して、ディアジオ社が設立されています。ダフタウンは、実質ディアジオ傘下であり、ディアジオ社内でも1・2を争う規模の蒸留所です。
2018年9月以降に日本国内で販売されているシングルトンは、ダフタウン蒸溜所で造られたものがメインです。
ダフタウン蒸溜所の製法の特徴
コンバルヒル丘にある「ジョックの井戸水」の新鮮な水を仕込み水として使用。
ステンレス製の発酵槽12基、ポットスチルは初留器4基、再留器4基が設置されています。
熟成には、ヨーロピアンオークのシェリー樽とバーボン樽を使用。
ダフタウン蒸溜所は、豊かな土壌とキレイな水のある土地を活かし、良質なウイスキーを生産し続けていることで知られています。
グレンオード蒸溜所
グレンオード蒸留所は、スコットランドの北ハイランドにある蒸溜所。
前述のとおり、2018年9月以降日本で販売されているシングルトンはダフタウン蒸溜所で造られたものですが、それ以前はこの「グレンオード蒸留所」のものが輸入されていました。
グレンオード蒸溜所の歴史
1838年に創業したグレンオード蒸溜所。
歴史のある蒸留所なので、現在でも蒸留所内には創業当初からある19世紀の貴重な建築物があります。
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創業者は地元の領主だったトーマス・マッケンジー。
グレンオード蒸溜所は大麦の生産地であるブラックアイル半島インバネスの北西にあるクロマティ湾の入り江にあり、蒸留所の拡張を経て、現在ではスコットランドでトップ5に入る生産力に成長しました。
シングルモルトとしては、1980年代からグレン・オード、グレノーディ、オーディなど様々なブランド名で販売されています。今日では、シングルトンとして安定していますね。
グレンオード蒸溜所の製法の特徴
グレンオード蒸溜所内には自社の製麦所があることが特徴で、ノンピートのものを主に使用。ちなみに、このモルトはタリスカーなどの蒸留所にも供給されています。
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蒸留器のあるハウスは2カ所あり、古い方にはストレート型のスチルが初留器3基・再留器3基、新しい方には初留器4基・再留器4基があります。
熟成は、ヨーロピアンオークシェリー樽とアメリカンオークバーボン樽を使用。
原酒の大半は、オールドパーやデュワーズなどのブレンデッド用として使われています。
グレンダラン蒸溜所
グレンダラン蒸溜所はダフタウン蒸溜所と同じく、スペイサイドのダフタウンにある蒸留所。
ディアジオ社が所有している蒸溜所の中でも、生産量の多い蒸溜所です。
グレンダラン蒸溜所の歴史
グレンダラン蒸溜所は1897年にウィリアム&サンズ社によって建てられました。
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1901~1910年に在位した国王エドワード7世にスペシャルボトルを献上していたことで知られていて、由緒ある蒸留所です。
1925年には、DCLに買収され1972年には、第二蒸留所が設立されます。1985年以降は、第二蒸留所がメイン蒸留所として稼働していきます。
グレンダラン蒸溜所の製法の特徴
ポットスチルはウォッシュスチル3基、スピリットスチル3基の計6基あり、長めのネックのものを使用しています。
現在、「オールド・パー」のキーモルトはクラガンモアですが、かつてはグレンダラン蒸溜所の原酒が使われていました。
味わいとラインナップ
シングルトンは、前述の通り、スコットランドのスペイサイド、北ハイランド地方で造られているシングルモルトウイスキー。
ダフタウン(スペイサイド)・グレンオード(北ハイランド)・グレンダラン(スペイサイド)といった3つの蒸留所で、製造されているブランドなので、スペイサイド・北ハイランド地方で作られるという説明になっています。
上述のように、複数の蒸留所で造ったウイスキーを「シングルトン」というひとつのブランド名でリリースしていることが特徴です。
それぞれの蒸留所の強みを活かしながら、さまざまなアイテムを展開している珍しいウイスキーと言えるでしょう。
それでは各ラインナップごとに細かくその特徴を紹介していきましょう。
- シングルトン ダフタウン 12年
- シングルトン ダフタウン 18年
- シングルトン オブ ダフタウン モルト マスターズセレクション
- シングルトン オブ ダフタウン スペイ・カスケイド
- シングルトン オブ ダフタウン サンレイ
- ・シングルトン オブ ダフタウン テイルファイア
- シングルトン グレンオード 12年
- シングルトン グレンオード14年
- シングルトン グレンオード18年
- シングルトン オブ グレンダラン(グレンデュラン)12年
- シングルトン オブ グレンダラン(グレンデュラン)リバティ 1L
- シングルトン オブ グレンダラン(グレンデュラン)トリニティ 1L
- シングルトン オスロスク
シングルトン ダフタウン 12年
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シングルトン ダフタウン 12年は日本では、2018年にリリースされたスタンダードボトル。ヨーロピアンオークのシェリー樽とアメリカンオークのバーボン樽で熟成させています。
ナッツやドライフルーツ、青りんごの香り。
ブドウや青りんごのフルーティーな味わいの中にナッツのオイリーさを感じます。
ウイスキー初心者も飲みやすいアイテムで、ハイボールで飲むのがおすすめです。
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シングルトン ダフタウン 18年
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ヨーロピアンオークのシェリー樽とアメリカンオークのバーボン樽で熟成させたシングルトン ダフタウン 18年。
レーズンやハーブ、カカオの香り、バナナやヘーゼルナッツのような味わいです。
前述したシングルトン ダフタウン 12年より樽の香りが強くなっていて、飲み応えのある仕上がりになっています。
シングルトン オブ ダフタウン モルト マスターズセレクション
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シングルトン オブ ダフタウン モルト マスターズセレクションはノンエイジのボトル。
シェリーカスクやバーボンカスクで熟成させた原酒をヴァッティングしています。
ヨーグルトやハチミツ、レモン、ドライフルーツの香りが特徴。
ハチミツやキャラメルのような味わい。
シングルトン ダフタウン 12年より甘さを感じます。
甘みのある味わいと原酒の若さ、両方を楽しめるアイテムです。
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シングルトン オブ ダフタウン スペイ・カスケイド
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シングルトン オブ ダフタウン スペイ・カスケイドもノンエイジのボトル。
バーボン樽とシェリー樽で熟成させた原酒をバランスよくブレンドしています。
ダークチョコレートやドライフルーツ、麦芽ビスケットのような香り。
コーヒーやハチミツ、カラメルの味わいです。
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シングルトン オブ ダフタウン サンレイ
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シングルトン オブ ダフタウン サンレイも、熟成期間を記載していないノンエイジボトルです。
ボトルの名前の「サンレイ」はサーモンフィッシングに使われるフライの一種が由来。
バーボン樽で熟成させた原酒を使用しています。
バニラやハチミツの香り、焼きリンゴやハチミツ、モルトの味わい。
全体的に甘さをしっかり感じるアイテムです。
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シングルトン オブ ダフタウン テイルファイア
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シングルトン オブ ダフタウン テイルファイアは、2014年にリリースされたアイテム。
こちらも熟成期間が記載されていません。
シェリー樽で熟させた原酒を使用しています。
リンゴや砂糖漬けのオレンジ、タバコのような香り。
味わいはラズベリーやオーツ麦、バニラやコショウのニュアンスを感じます。
やや酸味のあるフルーティーさと、スパイシーな風味が特徴です。
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シングルトン グレンオード 12年
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シングルトン グレンオード 12年は2018年まで日本市場におけるシングルトンのスタンダードボトルでした。
現在は日本では終売になってしまいましたが、他のアジア市場では今でも販売されています。
ヨーロピアンオークのシェリー樽とバーボン樽で12年以上熟成させた原酒をヴァッティングして造られていて、ジンジャーやラムレーズンなどの香りが特徴。
香りにはややアルコールも感じます。
ラムレーズンやチョコレート、青リンゴのような味わい。
深みのある風味で、ハイボールで飲むのがおすすめです。
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シングルトン グレンオード14年
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シングルトン グレンオード14年は限定ボトルで、ディアジオ社のリミテッドリリース2018として発売されました。
ナッツやモルトの香り、熟したフルーツやバニラ、チョコレートのような味わいです。
限定品なのでバーなどで出会えたら、じっくり味わいたいですね。
シングルトン グレンオード18年
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シングルトン グレンオード 12年より熟成期間の長い原酒を使ったシングルトン グレンオード18年。
リンゴやいちごジャム、紅茶やシトラスのような香り。
ザラメやドライフルーツ、バニラアイスクリーム、チョコレートのような芳醇な甘さを感じます。
IWSC2007最優秀賞、IWSC2008ゴールド賞、ISC2008ゴールド賞など数々の賞を受賞。
残念ながら日本では終売していますが、まだ流通しているかもしれないので、見かけたら購入してみてください。
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シングルトン オブ グレンダラン(グレンデュラン)12年
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スペイサイドの名門であるグレンダラン蒸溜所で造られた原酒を使ったシングルトン オブ グレンダラン(グレンデュラン)12年。
グレンダラン蒸溜所で造られた原酒の約99%はブレンデッドウイスキーに使われていて、オールドパーのキーモルトとして知られています。
シングルモルトとして楽しめるのは、このシングルトン オブ グレンダラン(グレンデュラン)12年だけなので、非常に貴重なアイテムです。
ちなみに、アメリカ向けにリリースされています。
リンゴや洋梨、生キャラメル、クッキーのような香ばしい甘さを感じる香りです。
味わいは、リンゴやハチミツ、カスタード、コーヒー。
バランス良く、とても飲みやすいので普段飲みにぴったりです。
ハイボールで飲むのがおすすめ。
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シングルトン オブ グレンダラン(グレンデュラン)リバティ 1L
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アメリカ向けにリリースされたシングルトン オブ グレンダラン(グレンデュランリバティ 1L。
グレンデュラン蒸留所の100年以上に渡るウィスキー造りの専門知識を祝ってリリースされたレゼルヴ・コレクションのひとつです。
グレンデュラン蒸留所のモルト・マスターが手掛けた、スムースでリッチな味わいが特徴。
まろやかですっきりした味わいなので、ウイスキー初心者にもおすすめです。
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シングルトン オブ グレンダラン(グレンデュラン)トリニティ 1L
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シングルトン オブ グレンダラン(グレンデュラン)トリニティ 1Lもシングルトン オブ グレンダラン(グレンデュラン)リバティ 1Lと同様に、グレンデュラン蒸留所の100年以上に渡るウィスキー造りの専門知識を祝ってリリースされたレゼルヴ・コレクションのひとつ。
アメリカ市場向けにリリースされています。
青リンゴやシナモンの香り、ダークチョコレートやアーモンドのような味わいです。
シングルトン オブ グレンダラン(グレンデュラン)リバティ 1Lよりスパイシーな印象に仕上がっています。
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シングルトン オスロスク
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シングルトンの初期のボトルであるシングルトン オスロスク。
2001年に終売になっています。
シェリー樽とバーボン樽で熟成させた原酒をヴァッティングした後、再び寝かせる「ダブルマリッジ製法」で造られていることが特徴です。
レーズンやドライフィグ、トースト、チョコレートなど芳醇な香り。
リンゴジャムや紅茶、ミルクキャンディー、ジンジャーのような味わいです。
余韻をしっかり楽しめるので、ホッと一息つきたい夜などに向いているでしょう。
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まとめ
シングルトンについてまとめました。3つの蒸留所のウイスキーが、同じブランド名で売られているのは面白いですね。ぜひ味わいの違いを楽しんでみてください!
スペイサイドではシングルトン以外にも多くのブランドが作られています。世界的に有名なブランドの多いエリアですね。そんなスペイサイドモルトについて知りたい方は以下の記事も読んでみてください!
スペイサイドモルトについては他にもまとめてますので、合わせて読んでみてください!