エヴァン・ウィリアムスは、アメリカケンタッキー州にあるヘヴンヒルバーンハイム蒸留所を代表する老舗ブランド。
バーボンとして世界でNo.2の販売量を誇り、初心者から上級者まで幅広く楽しめるさまざまなアイテムが揃っていることが特徴です。
POINT
- アメリカ合衆国ケンタッキー州で造られているバーボンの中で、世界No.2の販売量を誇るウイスキー
- 「エヴァン・ウィリアムス」氏は、世界初のバーボンを造ったとされる人物で「バーボンの始祖」と呼ばれている
- 1889年にヘヴンヒル蒸溜所が建てられ、1935年からウイスキーの蒸留がスタート。
- アメリカで1、2の生産量を争うほどの巨大な蒸溜所に成長し、「エライジャクレイグ」、「ジョンハミルトン」、「オールドフィッツジェラルド」など200種類以上のブランドのウイスキーを造っていた。
- 1996年に落雷が原因で火災が発生し、ヘヴンヒル蒸留所は多くの原酒とともに消失してしまう。
- 1999年にバーンハイム蒸留所を買収し、生産量を格段に増やして現在に至る。
エヴァン・ウィリアムスはこんな時に買う・注文すべき
エヴァン・ウィリアムスのことを知りたいと思い、この記事を読んで頂いてる皆さん。結局、ボトルを買うべきか、今飲むべきかで迷っていると言う方も多いかと思います。
そんな方の決断をサポートするために、場面ごとに買うべきか・注文すべきかpeatyなりの見解を示したいと思います!代表的なラインナップについて、記載させていただきます!
味わいとラインナップ
それでは各ラインナップごとに細かくその特徴を見ていきます。
・エヴァン・ウィリアムス ブラックラベル
・エヴァン・ウィリアムス 12年
・エヴァン・ウィリアムス 23年
・エヴァン・ウィリアムス 1783
・エヴァン・ウィリアムス シングルバレル
・エヴァン・ウィリアムス ハニーリザーヴ
・エヴァン・ウィリアムスグリーン
・エヴァン・ウィリアムス ボトルド・イン・ボンド ホワイトラベル
エヴァン・ウィリアムス ブラックラベル
エヴァン・ウィリアムス ブラックラベルは、エヴァンウィリアムスを代表するスタンダードなアイテム。
アルコール度数は43%と低めなのでウイスキー初心者にもおすすめです。
バニラやミントの香りと黒砂糖やキャラメルのような味わいが特徴。
スパイシーな余韻も感じられるので、アメリカン・ホワイトオーク樽ならではの風味を楽しめるでしょう。
ロックで飲むことをおすすめします。
エヴァン・ウィリアムス 12年
12年熟成させた原酒を使用しているエヴァン・ウィリアムス 12年。
50.5度という高いアルコール度数で、パンチがありますが、エヴァンウィリアムスらしい上品な香りは損なっていません。
熟したメロンやバニラビーンズのような香りで、こってりした強めの甘さが特徴。
シナモンやココナッツのような味わいです。
甘くて飲みやすいので、バーボン初心者の方の入門編としてもおすすめ。
アルコール度数が高いので、初めはストレートで楽しみ、その後、ロックや水割りで味の変化を感じてみましょう。
エヴァン・ウィリアムス 23年
日本市場向けにボトリングされた高級なアイテム。
23年間熟成させた原酒を使用していますが、バーボンでこれほど長期間熟成させた原酒を使うことは稀であり、非常に価値があります。
濃厚なキャラメルやバニラ、ナッツのような芳醇な香りや、ブラックベリーやクローブなどのスパイスの風味。
リッチな味わいですが、後味は意外とすっきりしています。
終売しているので入手するのは難しいですが、バーなどで出会えるかもしれません。
特別な味なので、ストレートやロックでじっくり楽しみたいアイテムです。
エヴァン・ウィリアムス 1783
エヴァンウィリアムス の製造がスタートした「1783年」にちなんだネーミングのプレミアムなアイテムです。
厳選されたオーク樽の原酒をブレンドし、伝統的な製法で造ったスモールバッチのバーボンウイスキー。
まろやかな口あたりが特徴で、メロンやバナナのようなフルーティーな香りが特徴です。
エヴァンウィリアムスらしさを楽しめるのに比較的リーズナブルなのもポイント。
水割りにするのもおすすめです。
エヴァン・ウィリアムス シングルバレル
ブレンドせず、単一樽の原酒のみをボトリングしていることが特徴のエヴァン・ウィリアムス シングルバレル。
バーボンとしては珍しくヴィンテージが表記されていて、樽詰めした日までも記載されています。
リンゴやオレンジなどのフレッシュな味わいとダークキャラメルや焦がした木のような香りが特徴。
ロックにすると、氷が溶けて味が変化する過程も楽しめそうです。
エヴァン・ウィリアムス ハニーリザーヴ
エヴァン・ウィリアムスをベースにはちみつを加えたハニーリキュール。
はちみつやバニラ、シトラスのような香りが特徴です。
ただ甘いだけでなく、バーボン特有の樽っぽい味わいもちゃんと感じられるのもポイント。
ロックやハイボールで飲むだけでなく、アイスクリームにかけるのもおすすめです。
エヴァン・ウィリアムスグリーン
エヴァン・ウィリアムスグリーンは、アルコール度数40度のスッキリとした味わいが特徴。
日本での流通量は少なめですが、世界では広く愛されている比較的リーズナブルな銘柄です。
バーボン特有の香りが少なく、ほのかに香る程度なのでバーボン初心者にもおすすめ。
ハイボールで気軽に毎日飲めるボトルです。
エヴァン・ウィリアムス ボトルド・イン・ボンド ホワイトラベル
1897年に制定された「ボトルド・イン・ボンド法」に基づき製造されたボトルドインボンドホワイトラベル。
「ボトルド・イン・ボンド」とは、単一蒸留所の単一蒸留年のものだけを熟成期間4年以上、アルコール度数50度で瓶詰めしたものです。
この条件を満たしているものだけボトルに「ボトルド・イン・ボンド」と表記することができます。
ボトルドインボンドホワイトラベルはキャラメルやスパイス、リンゴのような香りが特徴です。
比較的お求めやすい価格で購入できますが、価格以上の深みのある味わいがポイント。
バーボンらしい風味を楽しめるので、ロックで飲むのがおすすめです。
エヴァンウィリアムスの歴史
世界で最初にバーボンを造ったとされる人物に由来する「エヴァン・ウィリアムス」。
一般的にはあまり知られていない名前ではないでしょうか?バーボンウイスキーを日頃から楽しんでいる人以外にとっては、比較的マイナーなブランドです。
それでもアメリカ合衆国ケンタッキー州で造られているバーボンの中で世界No.2の販売量を誇っています。
「エヴァン・ウィリアムス」とは
「エヴァン・ウィリアムス」は、アメリカがまだ開拓時代だった1783年に、石灰岩(ライムストーン)の湧き水ととうもろこしを原料に世界初のバーボンを造ったとされる人物です。
バーボンは、アメリカ合衆国建国の年である1789年にエライジャ・クレイグ牧師によって作られたのが世界初という説もありますが、エヴァン・ウィリアムスが造ったのはそれより6年も早い時期。
本当はどちらが早かったのでしょうか。
現在のバーボンの原材料の比率とエライジャ・クレイグ牧師のバーボンの原材料の比率が似ているので、エライジャ・クレイグ牧師が世界初だと言われることも多いです。一方で、文献や資料が残っていないので真実は明らかになっていません。
そこで、エヴァン・ウィリアムスは「バーボンの始祖」、エライジャ・クレイグ牧師は「バーボンの父」と呼ばれているのだそうです。
「エヴァン・ウィリアムス」にちなんだウイスキーの誕生
「エヴァンウィリアムス」は、前述したバーボンの始祖「エヴァン・ウィリアムス」にちなんで名付けられたウイスキーです。
1889年にアメリカのケンタッキー州で二番目に古い街「バーズタウン」で創業した「ヘヴンヒル蒸留所」が造り始めました。
「ヘヴンヒル」という名前は、ヘヴンヒル蒸留所に土地を売った農場主の「ウィリアム・ヘヴンヒル」が由来。
英語表記では「ヘヴン・ヒル」と2語に分かれていますが、これは当時の印刷ミスが理由だとされています。
1889年からスタートしたヘヴンヒル蒸留所ですが、創業当時、アメリカは禁酒令の真っただ中。
設立者であるシャピラ兄弟と、数人の投資家からなる投資グループの協力により本格的にウイスキーの蒸留がスタートしたのは1935年でした。
巨大な蒸留所に成長した矢先に
ヘヴンヒル蒸留所は順調に成長し、アメリカで1、2の生産量を争うほどの巨大な蒸溜所に成長。
エヴァンウィリアムス以外にも、エライジャクレイグ、ジョンハミルトン、オールドフィッツジェラルドなど200種類以上のブランドのウイスキーを造っていました。
しかし、1996年に落雷が原因で火災が発生し、ヘヴンヒル蒸留所は焼失してしまったのです。
この時、多くの原酒も失うという大きな痛手を負いました。熟成中の多くのお酒が失われちゃったんですエン。とても残念です。
新たな場所で再開
火事に遭った後、同じケンタッキー州にあるアーリータイムズ蒸留所を借りて再開しましたが、1999年に「I.W.ハーパー」で有名なバーンハイム蒸留所を買収。
改装後、「ヘヴンヒルバーンハイム蒸留所」として本格的に再スタートしました。
移転後もヘヴンヒル蒸留所で行っていた伝統的な製法を引き継いでいますが、火事で原酒も失っているので、原酒も以前とは違ったものに。
そのため現在では、焼失前の「ヘヴンヒル蒸留所」で蒸留されたものは「旧ボトル」、ヘヴンヒルバーンハイム蒸留所で蒸留されたものは「新ボトル」として区別されています。
世界No.2のウイスキーに
ヘヴンヒルバーンハイム蒸留所に移転後、ヘヴンヒル蒸留所時代と比べてウイスキーの生産能力は3倍になりました。
この背景には、世界トップとされるバーボン「ジムビーム」を手掛けるビーム社の協力があります。
じつはヘヴンヒル社とビーム社は創業当時から関わりがあり、今でもヘヴンヒルバーンハイム蒸留所の製造責任者(マスターディスティラー)はビーム家の人物が務めているのです。
こうしてヘヴンヒルバーンハイム蒸留所は、ウイスキーを1日に1300バレル、ニューメイクを1日に73000ガロン製造できるほどの規模になりました。
エヴァン・ウィリアムスの特徴
「バーボンの始祖」の名前が由来の、歴史あるエヴァンウィリアムス。
製造している蒸留所の大規模な火事という災難を乗り越え、世界No.2のウイスキーになりました。
ここからは、エヴァン・ウィリアムスの製法の特徴を紹介します。
とうもろこしを78%使用
バーボンはとうもろこしをメインに、大麦やライ麦などの穀物を加えて造られます。
バーボンと認められるには、とうもろこしを51%以上使用しなければならないという決まりがありますが、エヴァンウィリアムスはとうもろこしを78%使用。
とうもろこしの比率が大きいことが特徴です。
ちなみにとうもろこしの比率が高いものは、甘みのまろやかなバーボンになる特徴があります。
サワー・マッシュ製法を採用
エヴァンウィリアムスの製法の大きな特徴はサワー・マッシュ製法を採用していることです。
サワー・マッシュ製法とは、蒸溜残液の上澄みを仕込み水に25%程度加え、2度発酵させる方法のこと。
サワー・マッシュ製法により糖化条件がよくなるので、もろみに酸味が増し、スピリッツの香味が強く出るという効果があります。
アメリカン・ホワイトオーク樽で熟成
昔ながらの製法を受け継いでいるエヴァンウィリアムスは、バーボンのセオリー通り、内側を焦がしたアメリカン・ホワイトオーク樽の新樽で熟成させています。
このことにより、スパイシーな余韻が生まれるのです。
まとめ
世界2位の販売量を誇るエヴァン・ウィリアムスをぜひ飲んでみてください!ブラックラベルであればリーズナブルにお買い求めいただけますし、12年ものであってもそこまで高価ではありません。ぜひご自宅で楽しんでみてくださいね。
その他のバーボンウイスキーについてもまとめておりますので、以下の記事をご確認ください!