サントリーホワイトとサントリーレッドは、サントリーが販売している日本のブレンデッドウイスキーです。
実は、サントリーが初めて販売した国産ウイスキーがホワイトで、2番目に発売したウイスキーがレッドです。
今回はサントリーの原点ともいえるこの2つのボトルについて詳しく紹介していきます。
サントリーホワイトやレッドのことを深く知りたい人やサントリーホワイトやレッドを今まさに頼もうか買おうか迷っている人の参考になるような情報を提供していきます!
- サントリーホワイト(白札)は、サントリーが製造するブレンデッドウイスキー。日本で初めて製造されたブレンデッドウイスキーでもある。
- 1929年の発売当初はピート香が強く、日本人の口には合わなかったが、改良を重ね、現在のような軽やかな香りとフルーティーな甘さに仕上がってきた。飲みやすく初心者向け。
- 続いて販売されたサントリーレッド(赤札)は、強いカラメルの香りとバニラやリンゴのような甘さが特徴。クセがなく、こちらも初心者でも飲みやすい。
サントリーホワイト
サントリーホワイトは、サントリーが製造している国産のブレンデッドウイスキー。
国産第1号のブレンデッドウイスキーであり、日本のウイスキーの歴史を語る上では外せない銘柄です。
それでは各ラインナップごとに細かくその特徴を紹介していきましょう。
味わいとラインナップ
・サントリーホワイト
・サントリーホワイト 復刻版
サントリーホワイト
サントリーホワイトは国産第1号のブレンデッドウイスキーとして1929年にリリースされたアイテムです。
発売当初は本格的なスコッチウイスキーを意識していたためかピート香が強く、当時の日本人の口に合いませんでした。そこで改良を重ね、スモーキーフレーバーを和らげて飲みやすい風味に変えたことにより人気に。
ウエハースや軽やかな樽の香り、青りんごや水飴のような甘みのある味わいが特徴です。
非常に飲みやすいので、ウイスキー初心者の入門編としておすすめ。
ペットボトル入りのアイテムもあるので、気軽に購入できます。
サントリーホワイト 復刻版
2014年10月にリリースされたサントリーホワイト 復刻版。
1929年発売当初のラベルデザインを採用したアイテムです。
当時のサントリーの社名である「壽屋」の文字が入っていることが特徴でレトロなデザインですが、中身は現行品と同じなので、当時の味を再現しているわけではありません。
サントリーホワイトの歴史
国産のブレンデッドウイスキー第1号であるサントリーホワイト。
ウイスキーになじみのなかった日本で愛されるまでには、創業者の絶対に諦めない気持ちがありました。
サントリーの創業者が手掛けた渾身のアイテム
サントリーホワイトがリリースされたのは1929年。
「壽屋」(現在のサントリー)の創業者である鳥井信治郎が手掛けました。
鳥井信治郎はウイスキー事業をスタートする前に「赤玉ポートワイン」を発売していました。赤玉ポートワインが売れたことから資金に余裕ができ、次の事業展開を考えはじめました。
そこで鳥井信治郎が目をつけたのが、海外で人気のウイスキーでした。そして、1923年に「山崎蒸溜所」を設立。
スコットランドでスコッチウイスキーの製造方法を学んだ竹鶴政孝の協力を得て1924年からウイスキーの製造をスタートしました。
そして、「山崎蒸溜所」で造られたモルト原酒とグレーン原酒をブレンドして造られたのがサントリーホワイトです。
当初は「サントリーウイスキー」という名前で販売されていましたが、白いラベルから「白札」と呼ばれていました。
しかし、当時の日本人はウイスキーの味に馴染みがなく、「白札」は受け入れられず、全く売れなかったのです。
「焦げ臭くて飲めない」という声もあったようなので、なじみのない味ということに加え、ピートを焚き過ぎていてピート臭がつきすぎていたのかもしれません。
日本人の味覚に合わせて進化
「白札」は日本市場に受け入れられず、その後に発売された「サントリー赤札」(後のサントリーレッド)も失敗。
しかし、鳥井信治郎は諦めませんでした。
ピートの焚き方や蒸溜方法などの試行錯誤を重ねて原酒の見直しを図り、「白札」の味わいも徐々に変化していったのです。
商品名を「サントリーホワイト」に変更
改良を重ねた「白札」は飲みやすい味わいになり、徐々に人気になっていきました。
戦後はウイスキー愛好家に飲まれるようになり、親しみを込めて「シロ」と呼ばれるように。
そして、1962年に社名が「壽屋」から「サントリー」に変わったタイミングで、商品名も「サントリーホワイト」に変更しました。
以降、サントリーホワイトは日本で愛され続けています。
サントリーホワイトの製法の特徴
サントリーホワイトはサントリーの創業者である鳥井信治郎が何度もトライ&エラーを重ねたことで完成したアイテムです。
発売当初は焦げ臭いといった意見があったようなのでピートを強めに焚いていた可能性がありますが、以後はどのような製法なのか明らかになっていません。
サントリーレッド
1930年に「サントリー赤札」として発売された「サントリーレッド」。
発売当初はあまり人気がなく、一時は販売停止となってしまいましたが、改良を重ねて今ではサントリーの定番アイテムになっています。
それでは各ラインナップごとに細かくその特徴を紹介していきましょう。
味わいとラインナップ
・サントリーレッド
サントリーレッド
サントリーレッドは、1929年に発売された「サントリーホワイト」の弟分のようなアイテム。
カラメルの香りが強いことが特徴で、バニラやリンゴ、木材のような味わいです。
甘さを感じますが、クセがなく飲みやすいアイテムなので、ウイスキー初心者にもおすすめ。
サントリーレッドの歴史
今ではサントリーの定番アイテムとなっているサントリーレッドですが、じつは、サントリーホワイトの低迷を救うために誕生しました。
サントリーホワイトの次に投入されたアイテム
前述のとおり、サントリーホワイトは当時の日本人の味覚に合わず、売り上げが低迷していました。
そこで、状況を打破するために急遽造られたのがサントリーレッドだったのです。
サントリーホワイトは「白札」と呼ばれていたため、サントリーレッドは「赤札」と呼ばれていました。白札の悪い状況を打破するために作られたアイテムでしたが、急造の商品で窮地を脱することができるわけもなく、赤札も残念ながら失敗に終わってしまいました。
時を経て再発売
一時は販売停止になっていたサントリーレッド。
しかし、経営陣の交代や1963年に社名がサントリーに変わったことなどからウイスキー戦略が見直され、1964年に再発売されることになりました。
再発売のタイミングで価格もかなりリーズナブルに抑えられ、晩酌にぴったりなウイスキーとして世の中に浸透していくこととなったのです。
サントリーレッドの製法の特徴
特級制度があった時代、サントリーレッドは「2級」に区分されていて、アルコール度数の上限に制限がありました。
当時のサントリーには山崎蒸留所しかなかったため、山崎蒸留所のモルトをブレンドして造られていたようです。
そのため、アルコール度数の低い、あっさりした味わいになっていました。
まとめ
今回はサントリーの歴史の原点である「サントリーホワイト」「サントリーレッド」についてまとめました。当時の試行錯誤、そして多大な投資があったから今のサントリーのウイスキーたちがいると思うと感慨深くないですか?
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