スコッチウイスキー、タリスカーのご紹介【スカイ島のウイスキー】

シングルモルトを知ろう!

タリスカーは、スコットランドのスカイ島(アイランズの一つ)で作られるシングルモルトです。

スカイ島は、海に囲まれた島で天候が変わりやすく、時には嵐のような強い風や激しい波に襲われることもあります。島の個性である海の潮や磯の香りに由来し、タリスカーはスパイシーで潮気の強い味わいが特徴です。

スコッチの中でも特に個性が強いタリスカーは、世界中で評価されています。

それでは、タリスカーを詳しく紹介していきます。タリスカーのことを深く知りたい人や・タリスカーを今まさに頼もうか買おうか迷っている人の参考になるような情報を提供していきます!

編集部
編集部
  • タリスカーはスパイシーさと潮の香りを感じる味わいが特徴的なウイスキー
  • 当時スコットランドでさかんだったウイスキー作りを、マカスキル兄弟がスカイ島でもやろうとしたのが始まり。
  • 地元民の反対、戦禍や火災と数々の影響を受けながらも、現在まで続いている。
  • オレゴンパイン製のウィッシュバックを使用し、乳酸発酵。通常より長い70時間の発酵時間がフルーティーな味わいを生み出している。
  • ウォッシュスチルにもこだわりがあり、何度も気化と液化を繰り返すことで、クリアな初留液を作り出す。
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味わいとラインナップ

タリスカーは、スパイシー且つ潮気を感じられる香りや味わいが特徴的です。

ラインナップは以下の通りです。

  • タリスカー10年
  • タリスカーストーム
  • タリスカーポートリー
  • タリスカー18年
  • タリスカー25年
  • タリスカー30年
  • タリスカー・ディスティラーズ・エディション
  • タリスカー57°ノース
  • タリスカーネイスト・ポイント
  • タリスカー8年
  • タリスカー40年

それでは、各ラインナップごとに細かくその特徴を見ていきます。

タリスカー10年

タリスカー10年は、10年以上熟成させた原酒を使って作られているウイスキーで、タリスカーのスタンダード品です。

香りはピートからくるスモーキーな香りの奥に少しだけレモンなどの柑橘系の甘み、口に含むと強いスモーキーさやモルトの風味も感じられます。またタリスカーの個性とも言えるブラックペッパーのようなスパイシーさを感じることもできます。余韻は、スパイシーな風味が長く楽しめます。

おすすめの飲み方は、なんと言ってもハイボールです。タリスカーのスパイシーさとハイボールの相性が最高です。一度飲むと癖になるというファンもとても多いです!食中酒で料理と楽しむのもおすすめです。自宅に1本置いておくのも良いですね!

ちなみに、タリスカーのハイボールに黒コショウを少しかけて、コショウの効いたステーキに合わせるのが私達にて見つけたハイボール&食事の最高の組み合わせです。

タリスカーストーム

タリスカーストームは、タリスカー10年よりもタリスカーの個性を際立たせたノンエイジのボトルです。

スカイ島の荒々しい天候をそのままボトルに詰め込んだような潮やブラックペッパーの風味を堪能できます。ノンエイジではありますが、マスターブレンダーがスカイ島を表現している樽を選び抜いてバッティングしている贅沢な逸品です。

香りは、スパイシーさだけではなく、ペッパーやモルトの甘い香りも感じます。口に含むと最初はほんのり甘さを感じますが、その後に強いスパイシーさや潮気を楽しめます。

タリスカーの中でも特に個性が強く、味や風味がしっかりしているので加水しても味が崩れることはありません。特におすすめの飲み方は、ハイボールです。こちらもタリスカー10年と同様、食中酒でも美味しく飲むことができますよ。

タリスカーポートリー

タリスカーポートリーは、アメリカンオークとヨーロピアンオークのリフィル樽で熟成させた後にポートワインの樽でさらに熟成させたボトルです。ちなみにポートリーというのは、スカイ島に実際に存在する港町「ポートリー」の名前からとっています。

タリスカーの潮気やスパイシーさを感じる香りにポートワイン樽由来のレーズンやジャムなどの甘い香りも感じられます。味わいは、タリスカーの塩気やブラックペッパーの風味に、ポートワイン樽由来のベリー感のある甘さもしっかり楽しめます。余韻にはスモーク感が長めに続きます。

スパイシーさは少し控えめで甘さとの融合を楽しめるボトルのため、ストレートやロックで飲むのがおすすめです。タリスカーの中でも変わり種の味わいを、時間をかけてゆっくり楽しむのが良いでしょう。

タリスカー18年

タリスカー18年は、2007年の「World Whisky Awards」で1位を受賞し「世界一のシングルモルト」と賞されたプレミアムなボトルです。

アメリカンオークのリフィル樽とヨーロピアンオークのリフィル樽で18年以上熟成させた原酒を使って作られています。(タリスカー10年はアメリカンオークのリフィル樽のみなので熟成年数が増えただけではなく、樽由来の味わいにも違いが現れています。)

香りは、オレンジピールやマンゴーのようなフルーティーさとスモーキーさをバランスよく感じることができます。口に含むと最初は甘さを感じますが、徐々にタリスカーらしいスモーキーさも感じられます。。フィニッシュは、ブラックペッパーっぽさも出てきて全体的に温かみのあるウイスキーです。

おすすめの飲み方はロック。18年以上の長期熟成の味わいをじっくり堪能してみてください。また、タリスカーの潮気やスパイシーさは、ソーセージやステーキなどのお肉料理とも相性抜群です。

インターネットで購入すると2万円前後で取引されています。バーなどで見かけたらぜひ注文してみてはいかがでしょうか。

タリスカー25年

タリスカー25年は、アメリカンオークのリフィル樽で25年以上熟成させた原酒を使って作られているボトルでとても希少価値が高い人気銘柄です。

以前はスペシャルリリースシリーズといって不定期で数量限定発売されていましたが、その際はカスクストレングス(加水せずにボトリングする方法)で作られており、その年によって異なる味わいを楽しんでいました。

しかし、タリスカー蒸留所が稼働してから月日が経ち、長期熟成の樽も安定してボトリングできるようになりました。そのため、近年ではタリスカー独自のアルコール度数45.8度まで加水した状態で定期的にボトリング・発売できるようになりました。安定して供給できるといっても世界中で人気が高い上に数量も少ないため、国内では簡単に手に入るわけではありません。

香りは、ほのかなスパイシー感と潮の香りが印象的です。口に含むと長期熟成ならではの甘みから広がり、少しずつタリスカーの潮気やスモーキーさが顔を出します。フィニッシュはスモーキーさが長く続きます。

加水すると甘みが強くなりますがほんのりスモーキーさも残ります。そのため、ストレートやロックで変化を楽しみながら飲むのがおすすめです。バーなどで見かけたらぜひ飲んでみてください。

タリスカー30年

タリスカーの現在発売しているラインナップの中で一番熟成年数が長いのがタリスカー30年です。

30年以上熟成させた原酒を使って作られているボトルです。30年以上熟成はかなり貴重価値が高いため、年に一度数量限定で発売されてもすぐに完売してしまう人気銘柄です。

長期熟成させているため、タリスカーらしい強いスパイシーさや潮気は控えめで甘くエレガントな香りが広がります。口に含むとやわらかい甘みとその先にスモーキーさやブラックペッパー感を楽しめます。

タリスカーの個性も優しく感じながら長期熟成の甘さやフルーティーさも感じられる完成度の高いボトルです。入手困難でインターネットで見つけてもかなりの高値で取引されているため、バーなどで見つけた際に飲むのがおススメです!

タリスカー
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タリスカー・ディスティラーズ・エディション

タリスカー・ディスティラーズ・エディションは、アメリカンオーク樽で熟成させた後にシェリー樽の一種であるアモロソカスク(シェリーの貯蔵で使っていた樽)で追加熟成させています。

蒸留年やボトリングの日付、バッチ番号がボトル1本1本に記されている特別なボトルで、毎年販売できる数量が限られていることもあり、入手困難なウイスキーの1つです。

甘みや豊かさを感じられる香りに、ピート由来の味わいや長期熟成の甘さ、モルト感やブラックペッパー感も楽しめる非常に豊かな味わいです。フィニッシュは、ココアやバニラのようなほんのり苦い甘さやスモーク感が長く続きます。

ストレートで味わいや風味をダイレクトに堪能するのがおすすめ。バーで見かけたらぜひ試してほしいボトルです。

タリスカー57°ノース

タリスカー57°ノースは、タリスカー蒸留所の位置である北緯57度に合わせてアルコール度数を57度(加水なし)で作られたボトルです。

香りはタリスカーの特徴であるスパイシーやスモーキーさを強く感じることができます。味わいはブラックペッパーや潮気を堪能でき、フィニッシュも長く続きます。強いスパイシーさや力強さを感じられるタリスカーの個性を楽しめるボトルです。

飲み方はタリスカーにぴったりのハイボール。現在は終売してしまっているため入手困難ですが、バーに行けばまだ残っている可能性もあるので見かけたら飲んでみてください。

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タリスカーネイスト・ポイント

タリスカーネイスト・ポイントは、西ヨーロッパとアメリカの免税店で発売された限定ボトルです。

スカイ島の最西端にある灯台「ネイスト・ポイント」が名前の由来です。

スモーキーさやピート感、チョコレートのような甘い香り、味わいはモルトやビスケットのような甘み、トーストしたパンのような風味も感じられます。フィニッシュではタリスカー特有のブラックペッパーの風味が長く残ります。

タリスカーの個性は感じるものの、全体的には甘さのあるボトルのため、食後のデザートとして飲むのもおすすめです。

タリスカー8年

タリスカー8年は、タリスカー10年がリリースされる前の1988年以前にスタンダードボトルの位置づけだったタリスカー8年をオマージュして作られたボトルです。ファーストフィル(初めてウイスキーの熟成に使われる樽)のバーボン樽熟成で8年以上熟成させた原酒のみを使っています。

香りは、タリスカーらしいスパイシーな香り、口に含むとスモーキーやバニラのような甘さを楽しめます。タリスカー特有の個性が強いボトルのため、ハイボールで飲むのがおすすめです。

タリスカー40年

タリスカー40年は、2019年2月に発売された「ボデガシリーズ第一弾」のボトルで、シェリー樽で40年熟成させた原酒を使って作られています。

ボデガシリーズとは、タリスカーの歴史を感じられるシリーズとして数量限定でリリースされたシリーズです。その本数はなんと全世界で2,000本限定でした。この数字からもかなり希少価値の高いボトルということが分かります。

香りは、オレンジピールなどの甘い柑橘系の香りと華やかで爽やかなフローラルの香りもします。足わいは、まずはフルーティーさが広がり、次第にサルタナレーズン、スモーキー感が顔を出します。フィニッシュは、ナッツのような風味が長く続きます。

こちらも一般的なお店ではまず見ることができないボトルです。バーで見つけたらぜひ飲んでいただきたいです。

タリスカー ワイルド エクスプロラドル

こちらは、タリスカーを製造しているディアジオ社が、稼働中の蒸留所やすでに閉鎖された蒸留所の希少な原酒を、年に一度、数量限定でボトリングしているシリーズである「ディアジオ スペシャルリリース」。

2023年分は、タリスカーが少量所有していた原酒を3種類、ポートワイン樽で熟成した希少な一品です。

チョークのようなミネラル感と軽いワインのようなニュアンスが調和しており、ピーティーな煙がほのかに香ります。加水することで、よりスモーキーな香りも感じられます。

カスクストレングスでのボトリングされているため、そのままでも加水しても楽しめるでしょう。

数量限定での発売のため、見つけた時がチャンスです!

タリスカーはこんな時に買う・注文すべき

タリスカーのことを知りたいと思い、この記事を読んで頂いてる皆さん。結局、ボトルを買うべきか、今飲むべきかで迷っていると言う方も多いかと思います。

そんな方の決断をサポートするために、場面ごとに買うべきか・注文すべきかpeatyなりの見解を示したいと思います!代表的なラインナップについて、記載させていただきます!

タリスカーの歴史

タリスカーの歴史は1827年、ヒューとケネスのマカスキル兄弟がスコットランドのスカイ島にやってきたことから始まります。もともとスカイ島の近くのエッグ島で暮らしていた兄弟ですが、当時スコットランドで盛んになっていたウイスキーをスカイ島でも作ろうと決意して移住します。

そして、1830年にスカイ島のロッホ・ハーポートの海に面したカーポストに「タリスカー蒸留所」を作りました。

ちなみにタリスカーという名前は、「Thalas Gair(傾いた大岩)」という意味が込められています。

蒸留所を作った土地は当初羊を飼うためという理由で借りていたため、蒸留所を作るとわかった地元の住民は反対をする人もいました。しかしながら、兄弟は信念を貫き、なんとか蒸留所の開業にたどり着きました。

1940年代になると大恐慌や第二次世界大戦の影響でスカイ島の蒸留所は次々と閉鎖してしまいます。その中でもなんとか経営を続けてきたタリスカー蒸留所ですが、1960年には火災が発生し、一時閉鎖。

しかし、当時のスタッフによって2年後に再開することに成功しました。その後、数多くの賞を受賞しながら、世界中で愛される現在の地位を獲得しています。

タリスカーの製法の特徴

タリスカーはスコッチの中でも特に個性の強い銘柄の1つ。そんなタリスカーの製法の特徴について解説していきます。

ウォッシュバック(発酵槽)

タリスカーの発酵は伝統的なオレゴンパイン製のウィッシュバックを使用して、乳酸発酵を行います。発酵時間にもこだわりがあり、通常50時間程度が一般的ですがタリスカーでは70時間かけて発酵します。

これを行うことでタリスカーのフルーティーな味わいを作り出していると言われています。

ウォッシュスチル(初留釜)

タリスカーではウォッシュスチル(初留釜)にも特徴があります。

ウォッシュスチル(初留釜)で蒸留された蒸気の中で重いものは、U字になっているライパイプの先の精留器によって再度初留釜に戻ります。これによって気化と液化をなんども繰り返し、最終的にはクリアな初留液が出来上がります。

また、スピリット・スチル(再留釜)も使用しています。もともと3回蒸留していた時代があり、今でもその名残で使い続けています。

ワームタブ(冷却器)

蒸気を冷却するために使用する冷却器も伝統的なワームタブを採用しています。このワームタブはスコットランドでも数えるほどの蒸留所でしか使用していない珍しい製法です。

1本のパイプでじっくりと蒸気が液化されていきます。

まとめ

スコッチウイスキーのひとつ、タリスカーについてまとめました。スカイ島で作られるウイスキーで、量販店でも見つけやすいウイスキーの一つですね。

とても美味しいウイスキーなのでぜひ皆さんお試しください!

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