グランツは、スコットランドのハイランド地方で作られるブレンデッドウイスキーです。
グレンフィディックやバルヴェニーやキニヴィなどを作っているウイリアム・グラント&サンズ社が手がけているウイスキーとしても有名です。
そのため、グレンフィディックの甘くクセのない味わいやバルヴェニーのフルーティーな風味を感じられるウイスキーで、ストレートはもちろん、ハイボールやロックなどさまざまな飲み方を楽しめます。
それでは、グランツを詳しく紹介していきます。グランツのことを深く知りたい人や・グランツを今まさに頼もうか買おうか迷っている人の参考になるような情報を提供していきます!
- グランツは、ウィリアム・グラント&サンズ社が作っているスコットランド産のウイスキー。
- 元は原酒の製造を担っていた蒸溜所であったが、原酒の卸先が倒産。売る先がなくなった原酒を使って自社でウイスキーの製造を開始した。粘り強く世界中で売り込みを行い、世界に広く知られるウイスキーとなった。
- 25種類以上の原酒、3種類の樽を使って熟成することで、深いコクと味わいを生み出している。フルーティーな香りとなめらかな甘みが特徴。
味わいとラインナップ
グランツは、甘くなめらかな味わいや華やかでフルーティーな風味が特徴です。これは、キーモルトであるグレンフィディックやバルヴェニーからきています。クセがなく、飲みやすい銘柄のため多くの人から愛されているウイスキーです。それでは、各ラインナップごとに細かくその特徴を見ていきます。
- グランツ トリプルウッド
- グランツ トリプルウッドスモーキー
- グランツ ファミリーリザーブ
- グランツ シェリーカスクリザーブ
- グランツ ラムカスクフィニッシュ
- グランツ8年
- グランツ18年
- グランツ25年
- ディスティラリーエディション
- エレメンタリー オキシゲン 8年
- エレメンタリー カーボン6年
- エールカスクリザーブ
グランツ トリプルウッド
グランツ トリプルウッドは、グランツのスタンダード品です。
トリプルウッドという名前からも分かるように3つの樽で熟成をして作られています。
「ヴァージンオーク樽」はスパイシーな味わい、「アメリカンオーク樽」はスムースなバニラのような風味、「ファーストフィルのバーボン樽」は濃厚でまろやかな風味を作り出しています。
これによって樽由来のスモーキーな味わいや、バニラや洋ナシのようなフルーティーな風味を感じられます。全体的にバランスの良い飲み心地でクセも少ないため、ウイスキー好きな方はもちろん、ウイスキー初心者の方も飲みやすいでしょう。
どのような飲み方でも飲みやすいウイスキーですが、おすすめはハイボールです。グランツのフルーティーさや甘さを爽やかに飲めるのでおすすめです。
グランツ トリプルウッドスモーキー
グランツ トリプルウッドスモーキーはグランツ トリプルウッドと同じ樽を使っていますが、原酒の比率が異なっています。
スモーキーという名前の通り、ナッツなどのスモーキーな風味が強いのが特徴です。グランツのバニラやフルーティーな味わいも感じられるので、グランツの中でもスモーキー感を味わいたい方は飲んで欲しい銘柄です。
グランツのスモーキー感をしっかり感じたい方には、ストレートで飲むのがおすすめ。クセが少し気になる方はロックで味わいの変化を楽しむのも良いですよ。
グランツ ファミリーリザーブ
グランツ ファミリーリザーブは、最初に紹介した「グランツ トリプルウッド」が発売する前のスタンダード品です。ボトルのデザインも極めて酷似しています。
ドライレーズンやバニラなどの甘い香り、ピート感も少し感じられます。口に含むとバニラの甘さや青リンゴなどのフルーティーで爽やかな味わいを楽しめます。
フルーティーで飲みやすいため、ストレート、ロック、水割りとどのような飲み物でも相性が良いのが特徴です。また、ハイボールにして食中酒として飲むのもおすすめです。
グランツ シェリーカスクリザーブ
グランツ シェリーカスク リザーブは、シェリー樽で熟成を行いアルコール度数が40度になるまで加水を行なって作られているのが特徴です。
シェリー樽由来の香りやフルーティーで華やかな香り、なめらかでクリーミーな口当たりで甘さやコショウのようなスパイシーさも感じられます。フィニッシュは、そのままコショウのスパイシーさと甘さが少し残ります。
シェリー樽由来の風味やグランツの味わいをしっかり感じたい方は、ロックやストレートで飲むのがおすすめです。
グランツ ラムカスクフィニッシュ
グランツ ラムカスクフィニッシュは、アメリカンオーク樽の後にラムカスクで4ヶ月熟成させて作られています。
ラムレーズンのような熟したフルーティーな香りにほんのりスモークの香りも感じられます。口に含むとシナモンや八角のような強めのスパイス感が先に出てきます。しかしよく味わうとその中に甘いフルーティーな味わいも感じられます。
スパイシーさが特徴の銘柄のため、ハイボールにして食中酒としてさっぱり飲むのもおすすめです。
グランツ8年
グランツ8年は、8年以上熟成した原酒をブレンドしているウイスキーで、熟成樽はオーク樽を使用しています。東南アジアをターゲットとして発売されたラインナップですが、現在は終売しています。
オーク樽由来のバニラやオークの香り、青リンゴなどのフルーティーな香りを感じます。味わいは、比較的ライトですが、バニラの甘みと洋ナシのようなフルーティーさを楽しめます。フィニッシュは、ほんのり甘さが残ります。
ピート感などもないので初心者でも飲みやすいウイスキーです。
グランツ18年
グランツ18年は、オーク樽で18年以上熟成させた原酒を、ポートパイプの樽で6ヶ月熟成させて作られています。
香りは、濃厚でフルーティー、さらにスパイスやナッツの芳醇な香りも感じられます。スムースな口当たりでブラックベリーのような甘く、高級感のある味わいを楽しめます。18年熟成させたウイスキーの味わいをしっかり感じられるのでウイスキー好きの方にぜひ飲んでいただきたい銘柄です。
おすすめの飲み方は、やはりストレート。18年熟成のリッチで芳醇な味わいを楽しんでください。
グランツ25年
グランツ25年は、25年以上熟成した原酒をブレンドして作られている銘柄です。
シェリー樽由来のレーズンの甘い香りにスパイシーな香り、アルコールのような香りも感じられます。メープルやはちみつの甘さ、コショウやブラックペッパーのようなスパイシー感を感じられる味わいです。フィニッシュは甘く、フルーティーな味わいが残ります。
おすすめの飲み方は、こちらもストレート。加水していくとフレッシュなフルーティーさも感じられるので、変化を楽しみながら飲むのがおすすめです。
グランツ ディスティラリーエディション
グランツ ディスティラリーエディションは、免税店限定品のウイスキーです。
1963年にできたカーヴァン蒸留所で働く方に向けて敬意を込める目的で2014年にリリースされました。
アルコール度数は46.3%ほどでノンチルフィルターで作られています。
フレッシュなフルーツとモルトの甘い香りにクリーミー且つドライな複雑な味わいを楽しめます。
ロックにして加水しながら味の変化を楽しむのもおすすめです。
グランツ エレメンタリー オキシゲン8年
エレメンタリー オキシゲン8年は免税店向けの「エレメンタリーシリーズ」の1つです。
名前にあるオキシゲンとは、酸素のこと。酸素の原子番号の8に合わせて熟成年数8年以上の原酒を使用して作られています。また、ブレンドしている原酒はグレーンウイスキーのみです。
特徴的なのは酸素を減らして蒸留をしている点です。そのためスムースで甘い味わいを楽しめます。ハイボールはウイスキー初心者の方にもおすすめ。
グランツ エレメンタリー カーボン6年
エレメンタリー カーボン6年も、免税店向けの「エレメンタリーシリーズ」の1つです。
名前にあるカーボンとは、焦がした樽などに含まれている炭素のことです。こちらも炭素の原子記号の6番に合わせて熟成年数6年以上の原酒を使用しています。
シナモンやシリアルの香り、しっかり焦がした樽を使って熟成しているため、口に含むとスモーキーさを感じられる銘柄です。カーボン6年のスモーキーさを堪能したい方には、ストレートやロックがおすすめです。
グランツ エールカスクリザーブ
エールカスクリザーブはオーク樽を使って熟成させた原酒をビールの樽でフィニッシュさせたボトルです。そのため、麦芽のモルト感も楽しめるのが特徴です。
オーク樽の香りやメープルシロップなどの甘い香り、さらに麦芽のモルトの香りもします。味は、モルティとバニラ系の甘みが感じられます。
ちなみに現在は、「グランツ カスクエディション エールカスクフィニッシュ」という名前で販売されています。モルト感を楽しむにはロックがおすすめです。
グランツはこんな時に買う・注文すべき
グランツのことを知りたいと思い、この記事を読んで頂いてる皆さん。結局、ボトルを買うべきか、今飲むべきかで迷っていると言う方も多いかと思います。
そんな方の決断をサポートするために、場面ごとに買うべきか・注文すべきかpeatyなりの見解を示したいと思います!代表的なラインナップについて、記載させていただきます!
グランツの歴史
次にグランツの歴史を解説していきます。歴史を知ることでさらにウイスキーを楽しめますよ。
グランツは、グレンフィディックやバルヴェニーやキニヴィなどを作っているウイリアム・グラント&サンズ社が手がけているウイスキーです。この会社はスコットランドの中でも最大と言われている独立系蒸留業者で、長い間家族経営を続けています。
ウィリアム・グラント&サンズ社の創業は1887年です。創業当初はブレンデッドウイスキーに使用する原酒だけを取り扱っていました。しかし、原酒を届けていた得意先パティソンズ社が倒産してしまい、ウィリアム・グラント&サンズ社も大きな影響を受けました。原酒を売る先が無くなってしまったのです。
この打撃を受けてウィリアム・グラント&サンズ社は自社でブレンドウイスキーを作ることに挑戦。そして出来上がったのが1898年にリリースされた「グランツ・スタンド・ファスト」です。このウイスキーが、今のグランツです。このウイスキーがきっかけでウィリアム・グラント&サンズ社の経営は回復し、本格的に営業活動も開始しました。
世界中を周り根気強く営業を続けたことで、1919年までに世界30カ国に60軒の代理店との契約をしていたと言われています。
アメリカの禁酒法や2度の世界大戦などのさまざまな壁がありましたが、ブランド力や営業力で乗り越え、1957年には現在のような三角柱のデザインのボトルにリニューアルされて今に至ります。
その後、今でも世界中から愛されているグレンフィディックを発売しました。
グランツの製法の特徴
次はグランツの製法について解説していきます。
熟成
グランツはグレンフィディックをはじめとした25種類以上の原酒をブレンドして作られています。
ウィリアム・グランツ&サンズ社が手がけるグレンフィディックやバルヴェニー、キニヴィなどもブレンドされています。
熟成をする際は以下の3つの樽を使用しており、味わいや香りに深みを生み出しています。
- アメリカンオーク樽
- ヴァージンオーク樽(新樽)
- ファーストフィルのバーボン樽(一度だけバーボンの熟成をした樽)
三角柱のボトル
ウィリアム・グランツ&サンズ社の創業者であるウィリアム・グラントがグランツを作る過程で大切にしていたことが「火・水・土」の3つです。
火は、石炭による直火炊き、水は、良質な軟水の仕込み水、土は、大麦とピートからできています。
これらの3つの要素から、グランツの特徴的な三角柱のボトルが作られました。
このボトルデザインも人気になった1つの理由と言われており、ボトルを変更してからもさらに事業を拡大し、会社の成長に貢献しました。
まとめ
ハイランドのブレンデッドウィスキーであるグランツについてまとめました。この三角柱のボトル、集めたくなりますよね。
原酒を売る先がなくなったので自社でブレンドを開始したという経緯も驚きですね。ころんでも起き上がる強さを感じますね。
私たちは他の銘柄についても照会しています。以下の記事から確認してみてくださいね!