スコッチウイスキー、アードベッグのご紹介【アイラモルト】

シングルモルトを知ろう!

アードベッグは、スコットランドのアイラ島で作られるシングルモルトウイスキーです。

個性が強いウイスキーが集まっているアイラ島の中でも特に癖のあるウイスキーで、ヨード香やスモーキーさ、モルト感やフルーティーな味わいも楽しめます。

それでは、アードベッグを詳しく紹介していきます。アードベッグのことを深く知りたい人や・アードベッグを今まさに頼もうか買おうか迷っている人の参考になるような情報を提供していきます!

編集部
編集部
  • アードベッグは、スコットランド・アイラ島で作られているシングルモルトウイスキー。小さな蒸溜所で、何度かの閉鎖などの危機を乗り越え、長きにわたってウイスキーを作り続けている。
  • 「黒い水」とも呼ばれるウーガダール湖の水と、フェノール値55ppmのヘビリーピーテッドを使用し、冷却濾過をせずにボトリングをする「ノンチルフィルタード」を採用している。
  • クセが強く好みに差は出るが、個性が強いアイラ島産らしいウイスキーの味を楽しめる。
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アードベックはこんな時に買う・注文すべき

アードベッグのことを知りたいと思い、この記事を読んで頂いてる皆さん。結局、ボトルを買うべきか、今飲むべきかで迷っていると言う方も多いかと思います。

そんな方の決断をサポートするために、場面ごとに買うべきか・注文すべきかpeatyなりの見解を示したいと思います!代表的なラインナップについて、記載させていただきます!

味わいとラインナップ

アードベッグは、強めのヨード香とスモーキーさ、そしてフルーティーな味わいが特徴です。

アードベッグのラインナップは以下の通りです。

  • アードベッグ10年
  • アードベッグ ウーガダール
  • アードベッグ コリーヴレッカン
  • アードベッグ ウィー・ビースティー5年
  • アードベッグ アン・オー
  • アードベッグ トリー・バン19年
  • アードベッグ8年 フォーディスカッション
  • アードベッグ スーパーノヴァ
  • アードベッグ ザ・ショーティースモーキーポーター

<アードベッグデー限定ボトル>

  • アードベッグ・デー(2012年)
  • アードボッグ(2013年)
  • アードベッグ オーリヴェルデ(2014年)
  • アードベッグ パーペチューム(2015年)
  • アードベッグ ダークコーヴ(2016年)
  • アードベッグ ケルピー(2017年)
  • アードベッグ グルーヴス(2018年)
  • アードベッグ ドラム(2019年)
  • アードベッグ ブラック(2020年)
  • アードベッグ スコーチ(2021年)
  • アードコア(2022年)

それでは、各ラインナップごとに細かくその特徴を見ていきます。

【通常ラインナップ】

アードベッグ10年

アードベッグ10年はバーボン樽のファーストフィルとセカンドフィルで10年以上熟成させた原酒を使って作られているアードベッグのスタンダード品です。ノンチルフィルタードの商品です。

香りはアイラモルト特有のヨード香やピート香、口に含むとさらにスモーク感も感じられ、その後にモルト香や青リンゴなどの甘い風味も楽しめます。フィニッシュは、スモーキー感が長く続きます。

アードベッグは個性の強い強烈な味わいのイメージを持ってる方もいるかもしれませんが、その先に甘さやフルーティーさも感じられる点も魅力です。

アードベッグの味わいをダイレクトに楽しみたい方はストレートがおすすめです。癖が強いと言われているアイラモルトの中でも特に個性が強いウイスキーです。

アードベッグ ウーガダール

アードベッグ ウーガダールは、以下の樽で熟成させたウイスキーで、ノンチルフィルタードの商品です。

  • アメリカンオークのバーボン樽
  • ヨーロピアンオークのオロロソシェリー樽

ノンエイジのウイスキーですが、2009年には「ワールド・ウイスキー・オブ・ザ・イヤー」を受賞しており、アードベッグ愛好家の中でも非常に人気の高い銘柄です。

アルコール度数が54.2度とやや高めですがカスクストレングスではないようです。

香りはアードベッグらしいスモーキー感とレーズンのような甘い香りも感じられます。味わいは、スモーキーさとシェリー樽由来の甘さをバランスよく感じられます。もちろんアイラモルトの男らしさも健在です。

おすすめの飲み方はこちらもやはりストレートです。アードベッグは個性をダイレクトに味わっていただきたいため、ストレートがおすすめです。

ちなみに名前にあるウーダガールとは、アードベッグの仕込み水の湖の名前が由来で、ゲール語で「暗くて神秘的な場所」という意味です。

アードベッグ コリーヴレッカン

アードベッグ コリーヴレッカンは、以下の樽で熟成させた原種を使って作られているウイスキーで、ノンチルフィルタードの商品です。

  • アメリカンオークのバーボン樽
  • フレンチオークの新樽

こちらもウーガダールと同じくノンエイジですが、2010年にWorld’s Best Single Malt Whiskyを受賞している人気の銘柄です。

香りはフレンチオークの新樽由来のスパイシーでウッディな香り、味わいはピート感やスモーク感、スパイシー感などの力強い味わいが特徴です。フィニッシュはビターチョコレートのような風味が長く続きます。

おすすめの飲み方はこちらもストレートです。ただアルコール度数が57.1度と高めなのでトワイスアップやロックで少しアルコールを緩和して飲むのもおすすめです。癖が強いため、上級者向けのウイスキーといえます。

ちなみにコリーヴレッカンという名前は、アイラ島の近くにあるジュラ島とスカバ島に挟まれている海峡の名前が由来になっています。頻繁に渦潮が発生することで知られており、まさにコリーヴレッカンの個性を反映した名称と言えます。

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アードベッグ ウィー・ビースティー5年

アードベッグ ウィー・ビースティーは、2020年に発売されたウイスキーです。バーボン樽とオロロソシェリー樽で5年以上熟成させた原酒を使って作られています。

香りはスモーキー感とヨード香が一気にきたあとに、レモンなどの柑橘系の香りも感じられます。味わいは、ピートとスモーク感の後に柑橘系のフルーツ、フィニッシュではウッディな風味も楽しめます。

5年熟成だと思えない豊富な味わいが人気です。熟成年数が浅い分、アードベックの個性がダイレクトに出ている商品ともいえます。

おすすめの飲み方は、ストレートです。ただしアルコール度数が気になる方や初心者の方はハイボールにして飲んでも美味しいでしょう。アードベッグのクセの強さはありますが、ハイボールにすることで飲みやすくなります。

ちなみにウィー・ビースティーというのはスコットランドの言葉で「リトル モンスター」という意味です。熟成年数が5年にも関わらずインパクトのある味わいなウィー・ピースティーにぴったりのネーミングです。

アードベッグ アン・オー

アードベッグ アン・オーは、以下の3つの樽で熟成した原酒を使って作られているノンエイジのウイスキーです。

  • バーボン樽
  • ペドロヒメネスのシェリー樽
  • アメリカンオークの新樽

香りはアードベッグらしいヨード香やスモーキー感に加えて、ペドロヒメネスの甘さや新樽のスパイシーさも感じられます。口に含むとスモーキー感やレーズンのような甘さ、最後にはスパイシーさもほんのり楽しめます。

おすすめの飲み方はストレートですが、初心者の場合はロックやとトワイスアップもおすすめです。アードベッグは癖の強いウイスキーですが、ペドロヒメネスで熟成した原酒を使っていることもあり、スタンダードのTENに比べるとなめらかで飲みやすい味わいになっています。

2022年2月に国内販売終了の発表があったため、気になる方は早めに購入するかバーなどで飲むようにしましょう。

アードベッグ トリー・バン19年

アードベッグ トリー・バン19年は、バーボン樽とオロロソシェリー樽で19年以上熟成させた原酒を使って作られています。

香りはヨード香とピート香、その後に熟したドライフルーツとウッディな香りを楽しめます。味わいは、スムースな口当たりでピート感の後に柑橘系の風味や甘みを感じられます。

おすすめの飲み方は、ストレートです。アードベッグのラインナップの中ではまろやかさや甘さも楽しめるウイスキーのため、初心者の方にもおすすめです。

ちなみにトリー・バンはゲール語で「歌う砂」という意味で、アイラ島の鳴き砂として有名な海岸の名前が由来になっています。

トリー・バン19年は今後定番化する予定と発表されていましたが、まだ見かけることが少ないため、バーなどお店で見かけたらぜひ飲んでみてください。

アードベッグ8年 フォーディスカッション

アードベッグ8年 フォーディスカッションは、アードベッグ・コミッティーで購入できる会員向けのボトルです。

詳しい原酒は明かされておらず、8年以上熟成させたリフィル(2回目)のシェリー樽原酒を使用していることのみ分かっています。フォーディスカッションという名前からもどんな原酒を使っているか、議論をしながら楽しんでほしいという思いが感じられますね。

ちなみにこちらはカスクストレングスでボトリングされています。

香りはカスタードやバニラのような香り、口に含むとバニラの甘さとともにスモークの風味も感じられます。余韻もスモークが長く続くのが特徴です。

おすすめの飲み方はストレートです。カスクストレングスのためアルコール度数は高いボトルですが、バニラや柑橘系などの豊かな香りでストレートで飲むのがおすすめです。甘さとスモーキー感のバランスの良さをストレートでしっかり味わってください。

また、以前は海外でしか購入できない銘柄でしたが、現在は日本のアードベッグ・コミッティーに所属していれば購入が可能です。会費は無料なので、是非登録ください。https://www.ardbegjapan.com/committee/

アードベッグ スーパーノヴァ

アードベッグ スーパーノヴァは、数年おきにランダムに数量限定で販売されているボトルで、かなりピートが強い味わいが特徴です。スモーキーさの強さを表すフェノール値も、100PPMまで高くしているようです。通常品は、50ppmほどなので倍くらいとなります。

2010年に初めてリリースされてから2019年までに4回リリースされています。

香りは、麦芽のほんのり苦味のある香りや柑橘系のフルーティーな香り、そしてスモークなどの強い香りをかんじられます。口に含むとバニラアイスやスモークハム、ヨード、柑橘系のフルーティーな味わいも楽しめます。特にスモークが強いウイスキーでかなりとんがっている味わいです。

おすすめの飲み方はストレートです。日本では入手困難になってきており、価格も高騰しているため、バーで見かけたら飲んでみましょう。

【アードベッグ・デーラインナップ】

ここからは、アードベッグのラインナップの中でもアードベッグ・デーで販売されていたラインナップを紹介します。

アードベッグ・デーについて補足します。

アイラ島では、年に一回ウイスキーの祭典である「アイラ・ウイスキー・フェスティバル」を開催しており、この期間は順番に蒸留所が解放されます。

それぞれの蒸留所は祭典に合わせてその時しか買えない限定のボトルを販売します。そのためこの期間は、世界中のウイスキー愛好家がアイラ島に集まります。

また、同時に世界中でもイベントが開催されており、日本でもアイラ島のウイスキーを飲みに多くのファンが集います。

この祭典のオープンデーの最終日をアードベッグが担当しており、アードベッグ・デーと呼ばれています。

アードベッグ ザ・ショーティースモーキーポーター

 アードベッグ ザ・ショーティースモーキーポーターは、アードベッグの数量限定のビールです。国連が定めた「世界水の日」(ワールドウォーターデイ)の支援として利益を全てマラウイ・プロジェクト」に寄付するために2020年に販売されました。

ビールに使っている麦芽は、アードベッグのウイスキーで使っているアイラ産の乾燥させたピーティッドモルトを使っている点が大きな特徴です。

アードベッグのウイスキーと同様、スモーキーなピートはもちろん麦芽やチョコレートの香りを感じられます。飲み心地はクリーミーでオイリーでさっぱりと飲むことができます。

アードベッグ・デー(2012年)

アードベッグ・デーに合わせて最初にアードベッグ蒸留所が発売した限定ボトルです。

バーボン樽で熟成した後に、リフィルのシェリーカスクで後塾させています。

12,000本限定で発売された記念ボトルのため、現在は入手困難な銘柄です。

もしバーなどで見つけた際は、アードベッグ・デーの記念ボトルの1本目となった味わいを楽しんでください。

アードボッグ(2013年)

アードボッグは、2013年のアードベッグ・デーで販売されたボトルです。

バーボン樽とマンサニージャのシェリー樽でそれぞれ10年熟成させた原酒を使って作られています。

マンサニージャとは、オロロソと同じようなシェリーの種類でスペインのサンルーカル・デ・バラメダという町でしか造られないフィノタイプのシェリーです。

香りは、塩キャラメルやトフィー、ラベンダーのような華やかな香りもほんのり感じられます。口に含むとスムースな口当たりやトフィー、オリーブの風味も楽しめます。フィニッシュは、メープルのような甘ったるさやコーヒーの風味が長く残ります。

ちなみにアードボッグの名前の由来は、ピートが採掘される湿地(Peatbog)からとっています。

おすすめの飲み方は、ストレートです。アードボッグはまだオークションなどでも購入可能ですが、30,000円以上はする高価なボトルです。そのため、記念に購入したりバーで注文したりするのがおすすめです。

アードベッグ オーリヴェルデ(2014年)

アードベッグ オーリヴェルデは、2014年のアードベッグ・デーで販売された限定ボトルです。このボトルのために特別に蓋に加熱処理加工を施しているアメリカンホワイトオーク樽で熟成した原酒を使って作られています。

香りはハーブやタール、その奥にほんのりコーヒーのモカのような香りを感じます。口に含むとコーヒーの風味やスモークサーモンなどの力強い味わい、フィニッシュにはバニラとスモーキーな風味が長く続きます。

おすすめの飲み方は、ストレートです。アードベッグ オーリヴェルデもインターネットで購入すると30,000円前後です。個性が少し強いウイスキーなので、初心者が飲む場合はハイボールやロックにしても良いかもしれません。

ちなみにオーリヴェルデという名前は、黄金のウイスキーの色(auri=金)とアードベッグの代表的なグリーンのボトル(verdes=緑)を合わせたものです。金と緑の色を国旗に使用しているブラジルのナショナルチームの愛称としても使われています。

アードベッグ パーペチューム(2015年)

アードベッグ パーペチュームは、2015年にアードベッグ蒸留所の200周年を記念して販売されたアードベッグ・デー限定ボトルです。パーペチュームとは、ラテン語で永久という意味。200周年にぴったりのネーミングです。

アメリカンオークのバーボン樽とヨーロピアンオークのシェリー樽で熟成した原酒を使っており、ノンエイジです。

香りはピート香とスモーキー、口に含むとシナモンやスパイシーな風味、フィニッシュはなめらかなバニラやホワイトチョコのような味わいも楽しめます。

アイラモルトの個性の強い味わいはしっかりと残しつつ、なめらかさも感じられる絶妙なバランスの銘柄です。

おすすめの飲み方は味わいをダイレクトに感じられるストレートです。販売が2015年と少し時間が経ってしまっているため、バーで見かけたらぜひ飲んでみてください。

アードベッグ ダークコーヴ(2016年)

アードベッグ ダークコーヴは、2016年のアードベッグ・デーで販売されていたボトルです。シェリー樽で熟成された原酒を使用して作られていることは確かですが、具体的な種類などは非公開です。

香りは、ヨード香やモルト香がやや強く感じられ、その奥にバニラやレーズンなどの香りが続きます。口に含むとバニラやスパイシーな風味を楽しめます。アードベッグ10年と比べて甘さやフルーティーさが増しており、飲みやすいボトルになっています。

ちなみにダークコーヴというのは「暗い洞窟」という意味でアードベッグ蒸留所も経験した密造時代をイメージしているそうです。

あまり販売しているのを見かけないため、バーやレストランで見つけたらぜひ試してみてください。アードベッグの中では飲みやすいラインナップのため、初心者の方にもおすすめです。

アードベッグ ケルピー(2017年)

アードベッグ ケルビーは2017年のアードベッグ・デーで販売されていたボトルです。黒海(アディゲ共和国)産のヴァージンオークで作られた樽とバーボン樽で熟成した原酒を使って作られています。

なお、黒海産のヴァージンオークをアードベッグ蒸留所で使うのはアードベッグ ケルビーが初めてでした。2つの樽の原酒を使うことで、アードベッグの特徴であるピーティーでスモーキーな風味を最大限に発揮し、さらにハーブやトフィーなどの風味も楽しめるボトルになりました。

香りは、オイリーで強めなピート香やダークチョコレート、ほんのり海の香りやハーブの香りを感じられます。味わいは、ブラックペッパーやトフィー、コーヒーなどの個性豊かな風味を楽しめます。フィニッシュはクローブやトフィーの余韻が長く続きます。

おすすめの飲み方はストレートですが、味がしっかりしているためハイボールで飲んでみるのも良いでしょう。オークションなどでは徐々に定価より値上がりしているので気になる方は早めに入手しておくのがおすすめです。

ちなみにアードベッグ蒸留所があるアイラ島を囲んでいる海にいると伝えられている海の精「ケルビー」を参考に名前がつけられました。

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アードベッグ グルーヴス(2018年)

アードベッグ グルーヴスは2018年のアードベッグ・デーで販売されていたボトルです。“ラブ&ピート(泥炭)”をコンセプトとして作られており、アードベッグ愛好家からもとても注目を浴びていました。しっかり火を通して焦げを付けたワイン樽で熟成した原酒を使って作られており、スモークやスパイシーな風味を楽しめます。

男らしいピート香や潮の香り、ほんのりスモーキーな香りも感じられます。さらに奥には華やかなフローラルな香りも。口に含むとタールやトフィー、バニラやスパイスなど豊かな味わいを楽しめます。フィニッシュはスモーク感や焚き火の風味が長く口の中に広がります。

おすすめの飲み方はやはりダイレクトに風味を楽しめるストレートです。アードベッグのラインナップの中でも珍しい樽を使って作られているため、定番品との違いをぜひ楽しんでください。あまり流通は多くないため、気になる方は早めに購入するか、バーなどで飲んでみてください。

アードベッグ ドラム(2019年)

アードベッグ ドラムは2019年のアードベッグ・デーに合わせて販売されていたボトルです。バーボン樽で熟成した後にラムの樽でさらに熟成して作られています。2019年は陽気なカリブの「カーニバル」がコンセプトだったため、熟成樽にもカリブでは欠かせないラムの樽を使っているというところからもこだわりを感じられます。

香りは、スモークしたりんごや熟したバナナなどのフルーティーでスモーキーな香り、口に含むとスパイシーさやスモーキーさ、後からダークチョコレートやバニラの風味も感じられます。フィニッシュは、かなり強めなスモーキー感やスパイス、コーヒーなど複雑で深い味わいが長く続きます。

やはりこちらもおすすめの飲み方はストレートですが、ロックやトワイスアップでゆっくり飲むのもおすすめです。新しさはあるもののアードベッグの個性の強い味わいもしっかり感じられるため、ウイスキー愛好家向けのボトルといえます。

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アードベッグ ブラック(2020年)

アードベッグ ブラックは、アードベッグ・コミッティーの設立20周年を記念して数量限定で発売されたウイスキーです。

アードベッグでは2000年からアードベッグ・コミッティーという会員制のファンクラブのようなものがあり、会員数は約12万人以上にも及んでいます。

スモークやダークベリーやカスタードの香りに、ピート感や洋梨、ビターチョコレートなどの味わい、余韻にはアーモンドとウッディな風味を長く楽しめます。

おすすめの飲み方はストレートです。ノンエイジですが、複雑で変化を楽しめる味わいをそのまま楽しんでいただくのが良いでしょう。アードベッグ・コミッティーの記念ボトルというだけあり、癖が強く飲む人を選ぶボトルです。アードベッグが好きな方はもちろん、個性の強いウイスキーを楽しみたい方におすすめです。バーで見かけたら飲んでみてください。

アードベッグ スコーチ(2021年)

アードベッグ スコーチは2021年のアードベッグ・デーに合わせて販売されたボトルです。2021年のコンセプトが、ドラゴンということもあり、樽の内側を焦がしている樽で熟成した原酒を使って作られています。

香りは、濃厚で深い煤と煙の香り、加水するとセージやハーブの香りも感じられます。口に含むとオイリーでスパイシー、さらにスモークやオークの風味も楽しめます。フィニッシュはタールの余韻が長く続きます。

複雑な味の変化を堪能したい方におすすめの飲み方はストレートです。バーなどで見かけたら頼んでみてはいかがでしょうか。

アードベッグ アードコア(2022年)

アードベッグ アードコアは2022年のアードベッグ・デーで販売されたボトルです。2022年のテーマであるパンクロックに合わせて、220度以上で4時間ほど焙煎された麦芽であるブラックモルトを使用して作られている珍しいボトルです。ちなみにこのブラックモルトとは通常はビールに使用される麦芽で、アードベッグで使うのは初めてでした。

香りは、酵母や焼いたトーストの香りやスパイシーな香り、ハーブの香りが感じられます。口に含むと強烈なスパイシーさから始まり、その後にココアやダークチョコレートの風味が続きます。余韻では、ビスケットの甘さやトフィーの風味が長く続きます。

おすすめの飲み方はストレートです。2022年販売ですが、数量限定の記念ボトルのためインターネットで購入しようとすると定価よりも高値で取引されています。バーなどで見かける機会があるればぜひ飲んでみてください。

ちなみにアードベッグコアは、アイラ島の港の愛称であるパンクエレンから名前をつけています。

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アードベッグの歴史

次にアードベッグの歴史を紹介します。

アードベッグ蒸留所の始まりはアードベッグ蒸留所の前身となる蒸留所ができた1794年と言われています。始めに作っていたウイスキーが密造酒だったため、政府にバレて廃業になりました。その後1815年にジョン・マクドゥーガルがアードベッグ蒸留所を設立し、商業用の蒸溜を開始しました。

ちなみにアードベッグとは、ゲール語で「小さな岬」や「小さな丘」という意味で蒸留所の作られた場所から名付けられています。

1838年には、息子のアレクサンダーが、1853年からは、アレクサンダーの姉妹であるマーガレットとフローラが経営を行います。その後、しばらく一族経営を続けていきます。

1959年に法人化後、1973年にはハイラム・ウォーカーとDCL社(玄・ディアジオ社)が共同で蒸溜所を買収します。ちなみにハイラム・ウォーカーはカナディアンクラブで有名な企業です。

その後、1977年にハイラム・ウォーカーがDCLの所持していたアードベッグの株を買取りますが、経営難を迎え、1981年から1989年まで操業が停止します。その後、1996年にも操業停止を経験し、紆余曲折有りながらもやっと軌道に乗ったのは1997年にグレンモーレンジ社が買収してからとなります。

その後、2004年にグレンモーレンジ社がモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)の傘下に入ったため、現在はモエ・ヘネシー社がオーナーになっています。

小さな蒸留所で何度も閉鎖を乗り越えてきたアードベッグですが、今では世界中のウイスキー愛好家から愛されるウイスキーとなりました。

なかなか経営が安定しない苦難を乗り越えてきた歴史の影も、アードベックの魅力の1つかもしれませんね。

ちなみに、アードベック蒸留所の拡張工事が2018年から行われています。生産量を約2倍にするための工事です。現在は、新型コロナウイルスの影響で止まっていますが、今後の進展に期待ですね。

受賞歴

経営が安定してからというもの、アードベッグはさらに成長を遂げ、2008年以降は以下のような賞も受賞しています。

  • 2008年「ワールド・ウィスキー・オブ・ザ・イヤー」受賞(アードベッグ10年)
  • 2009年「ワールド・ウィスキー・オブ・ザ・イヤー」受賞(アードベッグ ウーガダール)
  • 2010年「World’s Best Single Malt Whisky」受賞(アードベッグ コリーヴレッカン)

この賞の受賞によってさらに世界的に注目されるウイスキーとなりました。

アードベッグの製法の特徴

最後にアードベッグの製法の特徴を解説します。

原料

麦芽はフェノール値55ppmのヘビリーピーテッドを使用しています。この麦芽は、ポートエレン社から調達しています。

フェノール値は、別名「ピート値」という指標です。スモーキーさを測られることがあります。他のスモーキーなウイスキーでは、ラフロイグは40~45ppmと言われています。キルホーマンは、50ppmと言われています。

仕込み水にはボトルの名前にもなっているウーダガール湖の水を使用しています。ウーダガール湖の水は別名「黒い水」とも呼ばれており、アードベッグの味わいを作り出す一つの材料になっています。

ノンチルフィルタード製法

また、アードベッグでは「ノンチルフィルタード」を採用している点も大きな特徴です。

ノンチルフィルタードとは、冷却濾過をせずにボトリングをすることです。

熟成した後のウイスキー原酒の中は、麦芽や樽由来の香味成分が含まれています。これらはウイスキーの温度が低くなると成分の一部が飽和状態になってしまい、ウイスキーの色が白濁してしまうことがあります。これを防ぐために一般的なウイスキーは、ボトリングする前に約0~5度まで冷却し濾過して作られています。これをチルフィルタードと言います。

チルフィルタードをすることで白濁を防ぐことはできますが、その一方で原料や樽由来の香りも無くしてしまうことにも繋がります。

そのため、原料や樽由来の香りや風味などのウイスキー本来の味わいを残したいという場合にノンチルフィルタードを採用するウイスキーもあります。

アードベッグもノンチルフィルタードのため、原料や樽由来の香りや風味もダイレクトに味わえるようになっています。一方で、多少の白濁が製品に残る場合もあります。おいしいから多少の白濁は我慢してといった感じでしょうか。

まとめ

アードベッグについてまとめました。先日友人と飲んでいるときに、「ウイスキーは飲めるけど、アードベッグはダメだ」と言われました(笑)私は好きなので少しさみしいですが、言いたいことはとても良くわかります。

独特なスモーキーさ、ヨード香により、とても有名なウイスキーです。「アイラモルト、アイラ島のウイスキー」の代表格のひとつなので、「どんなウイスキーが好きか」の試金石に良いと思います。

アイラ島のウイスキーもスコッチウイスキーの一種です。スコッチウイスキーを知りたい方は以下の記事からどうぞ!

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