クライヌリッシュは、ハイランド地方で作られるシングルモルトです。
シングルモルトとしても販売されていますが、多くはブレンデッドウイスキーのキーモルトとして使われており、ジョニーウォーカーのゴールドラベルもその1つです。
それでは、クライヌリッシュを詳しく紹介していきます。クライヌリッシュのことを深く知りたい人や・クライヌリッシュを今まさに頼もうか買おうか迷っている人の参考になるような情報を提供していきます!
クライヌリッシュはこんな時に買う・注文すべき
クライヌリッシュのことを知りたいと思い、この記事を読んで頂いてる皆さん。結局、ボトルを買うべきか、今飲むべきかで迷っていると言う方も多いかと思います。
そんな方の決断をサポートするために、場面ごとに買うべきか・注文すべきかpeatyなりの見解を示したいと思います!代表的なラインナップについて、記載させていただきます!
味わいとラインナップ
クライヌリッシュは、ハチミツっぽい甘さやフローラルな風味が特徴のボトルです。
クライヌリッシュのラインナップは以下の5つです。それでは、各ラインナップごとに細かくその特徴を見ていきます。
- クライヌリッシュ14年
- クライヌリッシュ14年 「花と動物シリーズ」
- クライヌリッシュ セレクトリザーブ(1stリリース)
- クライヌリッシュ12年 オフィシャル WHISKYTECA EDWARD & EDWARD
- クライヌリッシュ20年 200周年ボトル
クライヌリッシュ14年
クライヌリッシュ14年はクライヌリッシュのスタンダード品で、現在オフィシャルで購入できるのはこのボトルのみです。14年以上熟成させた原酒を使って作られています。
香りはフローラルで甘く豊かなフレーバー、口に含むとハチミツや洋ナシ、ドライフルーツのような味わいを感じられます。フィニッシュはスムースなコクとスパイシーさが続きます。
甘く複雑な風味を楽しみたい方におすすめの飲み方はストレートです。フローラルでフルーツのような甘さが特徴のため、ウイスキー初心者でも挑戦しやすいウイスキーです。
クライヌリッシュ14年 「花と動物シリーズ」
クライヌリッシュ 14年 「花と動物シリーズ」は、クライヌリッシュ14年販売前に販売していた銘柄です。
クライヌリッシュを経営するディアジオ社が保有している蒸留所の中から厳選された原酒を使って作られています。
香りはクライヌリッシュ特有のカラメルなどの甘い香りを感じられます。口に含むとオイリーでコクのある味わい、ハチミツのような甘さとスパイシーな風味を楽しめます。
スタンダード品のクライヌリッシュ14年と比較すると、ピートが少し強く感じられる味わいでより複雑で豊かな味を楽しめます。
おすすめの飲み方は、ストレートです。複雑な味の変化をストレートでじっくり飲むのがおすすめです。
すでにオフィシャルでは販売していない商品のため、バーやお店で見かけたらぜひ試してみてください。スタンダード品と比較しながら楽しむのもおすすめですよ。
クライヌリッシュ セレクトリザーブ(1stリリース・2ndリリース)
クライヌリッシュ セレクトリザーブ(1stリリース)は、2014年に限定2964本だけ販売されたボトルです。厳選された樽で熟成した原酒を使って作られています。熟成年数は公表されていないため、ノンエイジのボトルです。
クライヌリッシュ セレクトリザーブ(2ndリリース)は2015年に限定2964本だけ販売されたボトルとなっております。
利用しているとされている樽は、以下の4種類です。
- リフィルバーボン樽
- ヨーロピアンオークのリフィルシェリー樽
- アメリカオークのリフィル樽
- ヨーロピアンオークのリフィル樽
カスクストレングスでボトリングしているため、樽由来の味わいを楽しめます。
香りはモルト香やレモン、グレープフルーツなどの柑橘系の香り、口に含むとホワイトチョコや洋ナシなどのフルーティーな風味を感じられます。また後半にはヨーロピアンオーク由来のスパイシーさも楽しめます。
おすすめの飲み方は、トワイスアップです。このボトルは、加水するとフルーティーさがさらに増します。そのため、まずはストレートで飲み、その後少しずつ加水して変化を楽しみながら飲むのがおすすめです。
1本10万円前後する高級ボトルなので、バーやレストランなどで見かけた際や、特別な記念日などに飲むのが良いでしょう。
クライヌリッシュ 12年 オフィシャル WHISKYTECA EDWARD & EDWARD
12年以上熟成させた原酒を使って作られています。
伝説のウイスキーコレクターと呼ばれているエドワード・ジャッコーネ氏が経営する「ウイスキー・テカ」向けに発売されました。ボトルのラベルも他のクライヌリッシュとは異なっており、バイカラーとホワイトの2種類あります。
香りは、熟したオレンジやグレープフルーツ、クルミなどが少しずつ広がります。口に含むとオレンジピールやマーマレード、プリンの上にある焼いたカラメルのような味わいから始まり、後からモルトの甘さや完熟したイチゴのような風味も楽しめます。余韻は、イチゴやミントの風味が長く続くのも特徴です。
複雑で次から次へと変化する味わいを楽しむためにストレートで飲むのがおすすめです。現在は入手困難なボトルのため、気になる方はバーで探すのが良いでしょう。
クライヌリッシュ20年 200周年ボトル
クライヌリッシュ20年 200周年ボトルは、クライヌリッシュの創業200年を記念して2019年に発売されたボトルです。創業年である1819年に合わせて1819本限定で販売されました。
香りはオレンジのような柑橘系の香りと少し薬品のような香り、口に含むとオレンジやレモンのようなフルーティーさと酸味を感じます。
おすすめの飲み方はロックです。加水すると香りがより広がるため、しっかりと風味を感じられます。
少しクセのある味わいのため、ウイスキー愛好家におすすめのボトルです。
クライヌリッシュの歴史
続いてクライヌリッシュの歴史について紹介していきます。
クライヌリッシュ蒸留所はスタッフォード伯爵によって1819年に創設されたのが始まりです。最初は地元で多く収穫できた大麦を消費する目的と密造酒の対策として始めました。
ちなみに、クライヌリッシュのラベルにデザインされている山猫は、最初に蒸留所を創設したスタッフォード伯爵の副紋章を採用しています。
その後、1925年にDCL(現在のディアジオ社)に買収されます。その後も小さく経営を続けていましたが、1960年代に巻き起こったスコッチブームに対応するために、1967年に隣の敷地に同じ設計の蒸留所を建設しました。
この時建てられたのが、今のクライヌリッシュ蒸留所です。元々建てられていた蒸留所は、ブローラという名前に改名し、1983年まで稼働していました。
ブローラ蒸留所としての稼働は決して長くなく、1969〜1973年の14年間だけでした。しかし、このブローラ蒸留所のウイスキーは、伝説的なウイスキーとして今も人気があります。
クライヌリッシュ蒸留所のウイスキーとは全く異なり、骨太でスモーキーな香りの中に、フルーティーさを感じられるウイスキーでした。ブローラ蒸溜所のウイスキーは、ウイスキー愛好家の中では大人気で、今でも高値で取引されています。
ブローラとは、クライヌリッシュ蒸留所がある街の名前でもあり、ヴァイキング語で「橋のある川」という意味です。
クライヌリッシュは、その後1992年にリリースされた花と動物シリーズで脚光をあびたことでシングルモルトとして有名になっていきます。とはいえ、今でも95%はブレンデッドウイスキーの原酒として使われているのも事実です。(ジョニーウォーカーゴールドラベルのキーモルトとして使われています)
ディアジオ社は今後の展開として、2017年にブローラ蒸留所の再建計画を進めていることを発表しました。また、クライヌリッシュ自体の包括的なアップデートを予定していることを2018年に発表しています。今後どのようになっていくかも楽しみですね。
クライヌリッシュの製法の特徴
クライヌリッシュは、ブローラ蒸留所時代のものと同じ原料と仕込水を使っており、北ハイランドで収穫した大麦、クラインミルトン川の仕込水を使用しています。
ウォッシュバック(発酵)は木製とステンレスの2種類を使っています。木製が8槽、ステンレスが2槽あると言われており、用途によって使い分けています。
蒸溜工程で使うポットスチルは、真ん中の胴の部分が膨らんでいるものを使っており、全部で6基(初溜、再溜がそれぞれ3基ずつ)稼働しています。スチルの形状によって、蒸溜時の冷やされ方やスチル内の空気の流れが変わって味が変わるといいます。
熟成は、主にバーボン樽で行われていますが、シェリー樽でも行います。
クライヌリッシュのハチミツなどの甘さやフローラルな風味はこのような仕込水やウォッシュバッグ、熟成樽などへのこだわりが作り出しているのかもしれません。
オフィシャルの生産が追いつかない影響で、ボトラーとしての販売も多いので、探してみるのも面白いですね。
まとめ
クライヌリッシュについて紹介しました。ブレンデッドウイスキー用に消費されてしまうので、ある意味貴重なウイスキーと言えます。が、クライヌリッシュ14年については入手難易度も高くないので、手に入れて味わうことは可能です。是非楽しんでみてください!