スコッチウイスキー、ロイヤルロッホナガーのご紹介【ハイランドのウイスキー】

シングルモルトを知ろう!

ロイヤルロッホナガー(Royal Lochnagar)は、スコットランドのハイランド地方で造られているシングルモルトウイスキー。

この記事では、ロイヤルロッホナガーのことを深く知りたい人やロイヤルロッホナガーを今まさに頼もうか買おうか迷っている人の参考になるような情報を提供していきます!

編集部
編集部

POINT

  • ロイヤルロッホナガーはスコットランドのハイランド地方のシングルモルトウイスキー
  • ロイヤルロッホナガーは、ディー川の近くに位置する岩の露出した湖という意味のロッホナガー山に由来し、英国王室と深い関係がある
  • ロッホナガー蒸溜所は、グレン・フィアダン蒸留所を経て誕生し、ヴィクトリア女王の関与によって「ロイヤル」の名前を取得した
  • ロイヤルロッホナガー蒸溜所は180年前の製法を守り、手作業で行われています。発酵時間の長さや使用する湧き水などが特徴的
  • 現在はディアジオの傘下で運営されており、生産量は小規模で週に28樽のみが樽詰めされる
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ロイヤルロッホナガーはこんな時に買う・注文すべき

ロイヤルロッホナガーのことを知りたいと思い、この記事を読んで頂いてる皆さん。結局、ボトルを買うべきか、今飲むべきかで迷っていると言う方も多いかと思います。

そんな方の決断をサポートするために、場面ごとに買うべきか、注文すべきかpeatyなりの見解を示したいと思います!代表的なラインナップについて、記載させていただきます

ロイヤルロッホナガーの歴史

スコットランドのハイランド地方で造られているロイヤルロッホナガー

「ロッホナガー」とは、蒸溜所の近くに流れているディー川の付近で一番高い山の名前で、ゲール語で「岩の露出した湖」という意味を持っています。

その歴史は英国王室と深い関係のあるものでした。

前身はグレン・フィアダン蒸溜所

ロイヤルロッホナガー蒸溜所は、1845年に誕生したとされていますが、じつは前身となる蒸溜所がありました。

それがグレン・フィアダン蒸溜所。昔は、ディー川の付近はウイスキーの密造業者がたくさん存在していましたが、グレン・フィアダン蒸溜所は初の合法蒸留所として1823年に誕生。

グレン・フィアダン蒸溜所を設立したのは、過去に違法な蒸溜所を営んでいたジェームス・ロバートソンでした。

しかし、このことで周囲の違法業者、違法な蒸留所を営んでいる人たちの反感を買い、1826年に蒸留所に火を付けられ、消失してしまいます。

そのためジェームスはロッホナガー山の近くへ場所を移し、新たな蒸留所を建てますが、1841年にこちらも火をつけられ、消失してしまいます。「お前だけ合法蒸留所のお墨付きをもらいやがって」と逆恨みを買ってしまい、二度も蒸留所を焼失してしまうのです。

これにより、ジェームス・ロバートソンはウイスキー事業から手を引かざるをえなくなってしまいました。

ヴィクトリア女王との関わり

ジェームス・ロバートソンがウイスキー事業から撤退した後、その意思を継いだのがジョン・ベッグでした。

ジョン・ベッグの手により、1845年にロイヤルロッホナガー蒸溜所が誕生します。じつは当時の蒸溜所の名前に「ロイヤル」はついておらず、「ロッホナガー蒸溜所」という名前でのスタートでした。

そんな中、1848年にロッホナガー蒸溜所の隣にあったバルモラル城ヴィクトリア女王が購入。避暑地として利用するようになりました。

そこで、ジョン・ベッグは女王に「一度蒸溜所の見学をしませんか?」と案内したのです。女王一家は実際に見学に訪れ、後日「ロイヤルワラント(王室御用達)」が届けられました。

こうして「ロイヤル」を名乗ることができるようになったため、ロッホナガー蒸溜所は「ロイヤルロッホナガー蒸溜所」となり、上流階級に愛されるウイスキーとなったのです。

ディアジオの傘下に

1882年にジョン・ベッグが他界した後、孫が継いでいましたが、1916年にジョン・デュワー・アンド・サンズに売却。

1925年に当時の最大手だったDCL社に吸収され、現在はディアジオの傘下で運営されています。現在ではブレンデッドウイスキー用のウイスキー造りが中心で、韓国で売り上げNo1ブレンデッドスコッチ「ウィンザー」に使用されていることでも知られています。

ロイヤルロッホナガーの製法の特徴

ロイヤルロッホナガー蒸溜所は、現在でもすべての工程をすべて手作業で行っており、約180年前の製法と同じ方法でウイスキー造りを行っている蒸溜所として知られています。

ここからは、ロイヤルロッホナガー蒸溜所の製法の特徴を紹介していきましょう。

ロッホナガ―山麗の湧き水を使用

原料となる麦芽は、ローズアイル産ノンピートのものを使っています。

仕込み水にはロッホナガ―山麗の湧き水を使用。

発酵時間の長さとその理由

発酵槽はカラ松製が1基、オレゴン松製が2基の計3基あり、発酵には約110時間かけています。

発酵時間が長いと乳酸菌が増えるので、独特なフルーティーな風味に仕上がるのです。

蒸留器は2基

蒸溜器は初留用が1基、再留用が1基の計2基。どちらも小型でストレートヘッドのものを採用しています。

大企業であるディアジオ社傘下にある蒸溜所は生産能力の高いところも多いですが、ロイヤルロッホナガー蒸溜所は小規模であることも特徴です。

ロイヤルロッホナガーの製造量は週に28樽のみ

樽詰めされる数は週にたったの28樽のみ

約1週間、ロイヤルロッホナガー蒸溜所の敷地内で寝かせた後、小規模な蒸溜所であることから別の場所に移してじっくり熟成させます。

味わいとラインナップ

ロイヤルロッホナガーは、英国王族などに愛された由緒あるブランドで、リッチで品のある味わいがポイントです。

それでは各ラインナップごとに細かくその特徴を紹介していきましょう。

  • ロイヤルロッホナガー 12年
  • ロイヤルロッホナガー 16年
  • ロイヤルロッホナガー 17年
  • ロイヤルロッホナガー セレクテッドリザーブ
  • ロイヤルロッホナガー トリプルマチュアード フレンズオブクラシック
  • ロッホナガー 12年 ディーサイド
  • ロイヤルロッホナガー12年ゲームオブスローンズ
  • 【参考】ジョンベック

ロイヤルロッホナガー 12年

ロイヤルロッホナガー 12年は、ロイヤルロッホナガーのスタンダードアイテム。

紅茶やマスカット、青りんごやレーズンのような香りが魅力です。ハチミツやスパイス、プラムの味わいです。

麦芽の甘みをしっかり感じる、バランスのよい風味が特徴。万人に好まれる味なので、ウイスキー初心者にも飲みやすいでしょう。

ロイヤルロッホナガー 16年

2021年にリリースされたロイヤルロッホナガー 16年。2004年から熟成させた原酒を使用しています。

フルーティーな香りとクリーミーな味わいで、スパイスのニュアンスもあり、何とも不思議な感じです。

数量限定のアイテムなので、バーなどで見かけたら飲んでみてください。

ロイヤルロッホナガー 17年

創業175年を記念してリリースされたロイヤルロッホナガー 17年

マンゴーやメロン、森林のような香りでチョコレートやコーヒーのような味わいです。

ハイランドモルトらしい王道の風味を楽しめるアイテムだと言えるでしょう。

ロイヤルロッホナガー セレクテッドリザーブ

厳選されたリフィルシェリー樽の原酒から造られるロイヤルロッホナガー セレクテッドリザーブ

毎年数量限定でリリースされ、希少性の高いアイテムです。

香りはブドウやイチジク、干し草。

オレンジやキャラメル、麦芽のような味わいです。

リフィルシェリー樽らしく、ドライフルーツの香りが強く出ていることが特徴。
すべてのボトルにシリアルナンバーが明記されていて、ウイスキー好きにはたまらないアイテムです!

ロイヤルロッホナガー トリプルマチュアード フレンズオブクラシック

2013年に欧州向けに限定リリースされたロイヤルロッホナガー トリプルマチュアード フレンズオブクラシック

リフィルオークで熟成後、チャーしたアメリカンホワイトオークホグスヘッド、そしてスパニッシュオークと3つの樽で熟成させた原酒をヴァッティングしていることが特徴。
ドライフルーツやカカオ、スパイスのような香りです。

味わいは、リンゴやバニラ、コーヒー、ジンジャー。

日本には未入荷なので、なかなか飲める機会はありませんが、もし出会えたらじっくり楽しみましょう。

ロッホナガー 12年 ディーサイド

1970年代にリリースされたロッホナガー 12年 ディーサイド

「ロイヤルロッホナガー」の「ロイヤル」の文字がなく、「ディーサイド」と表記されていることが特徴です。ロイヤルロッホナガーとなる前のオールドボトルです。

プラムやビターチョコのような香りで、レーズンやなめし皮、カカオの味わい。

希少なアイテムなのでバーなどで見かけたらぜひ飲んでみましょう。

ロイヤルロッホナガー12年ゲームオブスローンズ

アメリカの大ヒットテレビドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」とディアジオ社がコラボした「ロイヤルロッホナガー12年ゲームオブスローンズ」。

ラベルには、ドラマ内に出てくるバラシオン家の紋章「王冠をかぶった牡鹿」が描かれていることが特徴です。

干し草や柑橘、バナナケーキのような香り。

ハチミツや生姜、麦芽やハーブの味わいです。

ストレートで飲むのがおすすめ。

【参考】ジョンベック

ジョンベック」はブレンデッドウイスキーですが、参考までに紹介します。

ロイヤルロッホナガー蒸留所の創業者であるジョン・ベッグが設立した、ブレンデッドウイスキーメーカー「ジョンベッグ社」のスタンダードアイテムが「ジョンベッグ」です。ちなみに、ジョンベッグ社はロイヤルロッホナガー蒸留所よりも前に設立されていたとされています。

ブルーキャップ」と呼ばれているジョンベッグは、禁酒法が終わった後の1930年代のアメリカでリリースされ、人気を博しました。しかし、1990年代以降、ウイスキーが低迷期となった影響で2000年頃に終売しています。

香りの特徴はマスカットやピート、カラメル。

ピートやブラウンシュガー、灰のような味わいが特徴です。

終売となっているので、どこかで出会えたらぜひ試してみてください。

まとめ

ロイヤルロッホナガーはスコットランドの伝統と英国王室との深い繋がりが息づくシングルモルトウイスキーです。その製法は180年前の伝統を守り、手作業で丁寧に行われています。

ロッホナガー山麗の湧き水や長い発酵時間が、独特なフルーティーな風味を生み出します。一週間にわずか28樽だけが樽詰めされ、別の場所でじっくり熟成されることで、独自の個性が育まれます。

ぜひロイヤルロッホナガーを試してみてください。その味わいは、歴史と伝統が詰まった贅沢なひとときを約束してくれることでしょう。

ハイランドのウイスキーについては他の記事でもまとめていますので、ぜひあわせて確認してみてください!

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