カバラン(KAVALAN)は、台湾で作られているウイスキーのブランドです。歴史が浅いながら、数々の賞を受賞している台湾を代表するウイスキーのひとつです。
この記事では、カバランを詳しく紹介していきます。カバランの歴史やラインナップを深く知りたい人、今まさに買おうか迷っている人の参考になるような情報を提供していきます!
- カバランはこんな時に買う・注文すべき
- カバランの歴史
- カバランの製法
- 味わいとラインナップ
- カバラン クラシック
- カバラン コンサートマスター
- カバラン コンサートマスター シェリーフィニッシュ
- カバラン トリプルシェリーカスク
- カバラン ex(エクス)バーボンオーク
- カバラン オロロソシェリーオーク
- カバラン ポーディアム(ポディウム)
- カバランディスティラリー セレクト
- カバラン ソリスト ex(エクス)バーボン カスクストレングス
- カバラン ソリスト オロロソシェリーカスクストレングス
- カバラン ソリスト フィノシェリーカスクストレングス
- カバラン ソリスト ヴィーニョ バリック カスクストレングス
- カバラン ソリスト ブランデー カスクストレングス
- カバラン ソリスト ポートカスク カスクストレングス
- カバラン ソリスト アモンティリャード シェリー カスクストレングス
- カバラン ソリスト マンサニージャ シェリー カスクストレングス
- カバラン ソリスト PXシェリー カスクストレングス
- カバラン ソリスト モスカテル シェリー カスクストレングス
- まとめ
カバランはこんな時に買う・注文すべき
カバランのことを知りたいと思い、この記事を読んで頂いてる皆さん。結局、ボトルを買うべきか、今飲むべきかで迷っていると言う方も多いかと思います。
そんな方の決断をサポートするために、場面ごとに買うべきか、注文すべきかpeatyなりの見解を示したいと思います!代表的なラインナップについて、記載させていただきます。
カバランの歴史
台湾の宜蘭(Yilan)県で造られている「カバラン」。
誕生してからあまり年月が経っていない新しいブランドながら、世界の名だたる賞を続々受賞しています。
今に至るまでは、どのような歴史があったのでしょうか。
2002年まで、台湾ではお酒を作って販売することができなかった
台湾では日本統治時代に台湾では専売制が導入され、1922年に酒類、33年にはビールが対象となりました。政府によって販売がされているため、民間で自由にお酒をつくったり、販売したりすることができませんでした。
台湾は2002年1月1日にWTO(World Trade Organization:世界貿易機関)に加入し、これをきっかけに政府の専売制が終わりました。ここから民間でも自由にお酒を作ることができるようになりました。
専売制の終了により、台湾の大手老舗飲料メーカー「金車」がウイスキー作りに参入します。
カバランは、大手飲料メーカー「金車」が手掛けるブランド
「カバラン」を造っているのは、もともと缶コーヒーなどを製造している台湾の大手飲料メーカー「金車グループ(King Car Group)」。歴史の長い、いわゆる老舗飲料企業です。
オーナーである李添財氏(T. T. Lee)は長年ウイスキー作りの夢を持っており、スコットランドやアメリカなどの歴史あるウイスキーに憧れを抱いていました。
しかし前述の通り、台湾ではお酒が作れなかったため、蒸溜所は持っていませんでした。専売制が終わったことにより、長年の夢だったウイスキー作りに参画するのです。
カバラン蒸溜所のキーマンは「ジム・スワン博士」
李添財氏(T. T. Lee)は、ウイスキー界で名高い「ジム・スワン博士(Dr Jim Swan)」に協力を仰ぎ、雇用しました。彼は、スコットランドのキルホーマン蒸溜所や、インドのアムルット蒸溜所など、様々な蒸溜所でウイスキーコンサルタント、ブレンダーやマスターディスティラーとして働いた人物です。
カバラン蒸留所の建設とその計画、その後の生産までの長きに渡り、ジム・スワン博士がカバランに協力することとなります。
カバラン蒸溜所は2005年に設立
金車グループは2005年12月31日に蒸溜所を設立しました。スコットランドや日本などのウイスキー蒸留所を視察し、台湾で唯一、麦芽の粉砕からウイスキー造りのすべての工程を行える蒸留所を設立したのです。
金車グループでは飲料を多数手がけていることから、工場の衛生管理や酵母づくりなどのノウハウがあったため、蒸留所造りはスムーズに進んだようです。
カバランという名前は、宜蘭県の旧名称に由来する
蒸留所があるのは台北から約60km南に位置する宜蘭県。この宜蘭県の旧名称に由来して、カバランと名付けました。
カバランは2006年から蒸溜を開始
蒸溜所建設完了の翌年、2006年3月11日から蒸溜を開始しました。
スコットランドで長年ブレンダーとして教育を受けていたイアン・チャン氏が、設立当初からカバランのボトリングの開発とクリエイティブデザインを担当しています。
2008年にカバラン初めての商品をリリース
2008年に初めてのアイテム「カバラン クラシック」がリリースされました。
その後、リリースしたほとんどのアイテムが何かしらの世界的な賞を受賞するという、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで世界での人気が高まっています。
蒸留所自体も高く評価されていて、世界のウイスキーファンから非常に注目を集める蒸留所となっているのです。
カバランが受賞した賞
カバランは、2008年のリリース以降、世界的に高い評価を得ています。その1つの証拠に数多くの賞を受賞しています。
世界的なウイスキーの品評会であるSan Francisco World Spirits Competition(SWSC)でソリストバーボンカスクをはじめとしたボトルが、金賞を受賞しています。
また、International Wine & Sprits Competition(IWSC)では、クラシックシングルモルトが、ゴールドアウトスタンディングを受賞しています。
他にもここに書き切れないくらいの賞を受賞しています。このような高評価を受けているのは、イアン・チャンの能力と技術と、ジム・スワン博士のアドバイスによるものと言われています。
カバランの製法
初のアイテムをリリース以来、世界で非常に高い評価を受けているカバラン。
どのような製法で造られているのでしょうか。
カバランの仕込み水は雪解け水を利用している
仕込み水には、中央山脈から流れ出る雪解け水を使用。
この水はきめ細かい水質で、これがカバランならではの風味を引き出しています。この質の高い水が取れるからこそ、この地に蒸溜所を建てました。
イギリス産の麦芽を、伝統の技術で粉砕している
麦芽はイギリス産のものを使用していて、これを自社のモルトミルで粉砕し、8〜12時間かけて糖化させています。
金車グループは、冒頭に述べたようにMr. Brownというコーヒーを作っています。ご存知の通り、コーヒーを製造する際にも、豆を粉砕するプロセスがあります。その技術を使い、ウイスキーの麦芽を粉砕しています。
糖化の時間等はコンピューターでしっかり管理され、科学的根拠に基づいて造られていることも特徴です。
カバランの酵母は独自に培養したもの
酵母は、金車グループが台湾の野生酵母を独自に培養させたものを使用しています。この酵母で発酵させることにより、カバランならではのトロピカルな味わいにつながります。
発酵槽は何層にも覆われており、それによって温度調整をしています。
カバランではドイツ製のポットスチルを利用
また、ポットスチルは初溜2基、再溜用2基の計4基を設置。
ドイツ製の連続蒸溜機も設置していて、ブレンデッド用のグレーン原酒造りにもチャレンジしています。
温暖な気候でカバランの熟成は早く進む
熟成にはバーボン樽をはじめ、シェリー樽やワイン樽が使用されています。
また、台湾は気温が高いため、冷涼なスコットランドなどと比べて熟成が非常に早く進むことも特徴です。
そのため、容量の大きい樽を使ったり、樽ごとにモニタリングしたり、さまざまな工夫をしています。
このように、カバランは飲料メーカーのこれまでの経験を活かしつつ、伝統ある製法を取り入れることによりレベルの高いアイテムを生み出し続けているのです。
4年または5年という短い熟成期間で瓶詰めまで行われています。ウイスキーの通常の基準を下回るため、年数の表示はなくボトリングされます。
カバランは5階建ての熟成庫を2つ持つ
熟成用の倉庫として、5階建ての熟成庫を2つ持っています。台湾の夏の日中の温度は非常に高く、上層階は42℃にまで達することもありますが、下層階は24℃程度に保たれます。
夜は涼しく、その大きな温度差により、ウイスキーの熟成がスコットランドの倉庫の2〜3倍の速さで進んでいきます。
味わいとラインナップ
カバランは台湾の北東部にある宜蘭県で造られているタイワニーズウイスキー。
歴史はまだまだ浅いですが、スコットランドのウイスキーの製法を取り入れた、本格的で細部までこだわり抜いたアイテムが揃っています。
- カバラン クラシック
- カバラン コンサートマスター
- カバラン コンサートマスター シェリーフィニッシュ
- カバラン トリプルシェリーカスク
- カバラン ex(エクス)バーボンオーク
- カバラン オロロソシェリーオーク
- カバラン ポーディアム(ポディウム)
- カバラン ディスティラリー セレクト
- カバラン ソリスト ex(エクス)バーボン カスクストレングス
- カバラン ソリスト オロロソシェリーカスクストレングス
- カバラン ソリスト フィノシェリーカスクストレングス
- カバラン ソリスト ヴィーニョ バリック カスクストレングス
- カバラン ソリスト ブランデー カスクストレングス
- カバラン ソリスト ポートカスク カスクストレングス
- カバラン ソリスト アモンティリャード シェリー カスクストレングス
- カバラン ソリスト マンサニージャ シェリー カスクストレングス
- カバラン ソリスト PXシェリー カスクストレングス
- カバラン ソリスト モスカテル シェリー カスクストレングス
カバラン クラシック
カバランのスタンダードボトルである「カバラン クラシック」。
マスターブレンダーの張郁嵐が厳選したバーボン樽やシェリー樽、プレーンオーク樽など6種類の樽のウイスキーの原酒をヴァッティングして造っています。
胡蝶蘭の香りが特徴で、マンゴーや洋梨、ココナッツのような味わいです。
インターナショナルワイン&スピリッツコンペティション2014・2015で最高金賞受賞を受賞しているほか、数々の賞を受賞しています。
カバラン コンサートマスター
ポルトガルのポートワイン樽で熟成させた「カバラン コンサートマスター」。
グレープフルーツやマシュマロ、ミントのような香り。
シナモンやイチゴジャム、ハチミツのような味わいです。
フルーティーな余韻をしっかり楽しめます。
カバラン コンサートマスター シェリーフィニッシュ
シングルモルトウイスキーの「コンサートマスター」シリーズ第2弾の「カバラン コンサートマスター シェリーフィニッシュ」。
アメリカンオーク樽で熟成させた後、同じくアメリカンオークのシェリーシーズニング樽でフィニッシュさせています。
フルーティーな香りの中に、ナッツやドライフルーツの味わいを感じるアイテムです。
カバラン トリプルシェリーカスク
オロロソ、ペドロヒメネス、モスカテルの3種類のシェリー樽で熟成された原酒をブレンドした「カバラン トリプルシェリーカスク」。
ドライフルーツやチョコレートブラウニー、シナモンのような香り。
味わいは、ドライフルーツやキャラメル、ハチミツのようなニュアンスです。
ベルベットのような舌触りの高級感のあるアイテムなので、ギフトなどにもぴったりでしょう。
カバラン ex(エクス)バーボンオーク
「カバランソリスト・バーボンカスク」の原酒に加水し、アルコール度数を46%に調整した「カバラン ex(エクス)バーボンオーク」。
レーズンやマンゴー、カスタードクリームのような香り。
トロピカルフルーツやココナッツのような味わいです。
アルコールの刺激が弱めなので、飲みやすいアイテムだと言えるでしょう。
カバラン オロロソシェリーオーク
「カバランソリスト・オロロソシェリーカスク」の原酒に加水し、アルコール度数46%に調整した「カバラン オロロソシェリーオーク」。
レーズンやイチゴジャムのような香り。
味わいは、トロピカルフルーツの甘さに加えてナッツやスパイスのニュアンスも感じます。
カバラン ポーディアム(ポディウム)
新品のアメリカンオーク樽とカバランの蒸溜所が所有しているプレーンオーク樽で熟成させた原酒を掛け合わせた「カバラン ポーディアム(ポディウム)」。
花の蜜や青りんごなどの香り。
トロピカルフルーツやチェリー、白胡椒のような味わいです。
ちなみに「ポーディアム」とはオーケストラの指揮台のことを指します。
カバランディスティラリー セレクト
高級路線のアイテムが多い中で、5,000円以下で購入できる、比較的手頃なアイテムが「カバランディスティラリー セレクト」です。
カバランらしいトロピカルフルーツやトフィー、レーズンなどの風味もしっかり楽しめ、コストパフォーマンスの高いアイテムだと言えるでしょう。
カバラン ソリスト ex(エクス)バーボン カスクストレングス
「ソリスト」シリーズは、すべてノンチルフィルタードで、カスクストレングスでボトリングされています。
この「カバラン ソリスト ex(エクス)バーボン カスクストレングス」は、チーフブレンダーが厳選したアメリカ産バーボン樽で熟成させたアイテム。
白桃やパイナップル、バニラのような香りが特徴です。
味わいは、ココナッツや白桃、スパイスのニュアンスを感じます。
バランスのとれた風味だと言えるでしょう。
カバラン ソリスト オロロソシェリーカスクストレングス
チーフブレンダ―が厳選したスペイン産オロロソシェリー樽で熟成させた「カバラン ソリスト オロロソシェリーカスクストレングス」。
ナッツやドライフルーツ、スパイスのような香り。
レーズンやナツメグなどの味わいです。
サンフランシスコ ワールドスピリッツ コンペティション 2012・2014・2015・2017でダブル金賞受賞を受賞するなど、高く評価されています。
カバラン ソリスト フィノシェリーカスクストレングス
チーフブレンダーが厳選した最高級のフィノシェリー樽で熟成させた「カバラン ソリスト フィノシェリーカスクストレングス」。
マンゴーやチョコレート、トフィーの香り。
味わいは、トロピカルフルーツやシェリーの中にスモーキーなニュアンスも感じます。
2010年にリリース以降、とても高い評価を受け続けているアイテムです。
カバラン ソリスト ヴィーニョ バリック カスクストレングス
厳選された最高級のワイン樽で熟成させた「カバラン ソリスト ヴィーニョ バリック カスクストレングス」。
独自の熱処理技術によって焼き温度と時間を正確にコントロールし、樽内部で繊細な香りを発生させています。
香りはメロンやカラメル、チェリーなど。
バターやアーモンド、イチゴやブラックチョコレートのような味わいです。
カバラン ソリスト ブランデー カスクストレングス
厳選したフランス産ブランデー樽で熟成させた「カバラン ソリスト ブランデー カスクストレングス」。
ブランデーの香りに加えて青りんごや白ブドウのようなニュアンスも感じます。
味わいは、トロピカルフルーツやバニラなど。
非常にバランスのとれたアイテムです。
カバラン ソリスト ポートカスク カスクストレングス
ポルトガル産の酒精強化ワインの樽で熟成させた「カバラン ソリスト ポートカスク カスクストレングス」。
トロピカルフルーツや木のような香り。
ブラックベリーやラムレーズン、チョコレートのような味わいです。
独特のコクがある風味を楽しめます。
カバラン ソリスト アモンティリャード シェリー カスクストレングス
希少なアモンティリャード樽で熟成させた「カバラン ソリスト アモンティリャード シェリー カスクストレングス」。
アーモンドやオレンジ、キャラメルやバニラアイス、ヘーゼルナッツのような香り。
レーズンや糖蜜、リンゴのような味わいです。
トロピカルというより、エレガントな風味を楽しめるアイテムだと言えるでしょう。
カバラン ソリスト マンサニージャ シェリー カスクストレングス
スペインのサンルーカルのフィノシェリー樽を使って熟成させた「カバラン ソリスト マンサニージャ シェリー カスクストレングス」。
港町のフィノシェリー樽を使用しているため、ほのかな潮の香りと、カバランらしいトロピカルフルーツの香りを楽しめます。
味わいは、トロピカルフルーツやメロン、オレンジピールやミントのようなニュアンスです。
カバラン ソリスト PXシェリー カスクストレングス
チーフブレンダーが厳選したペドロヒメネスシェリー樽で熟成させた「カバラン ソリスト PXシェリー カスクストレングス」。
ハチミツやヘーゼルナッツ、ペドロヒメネスならではのバラのような香りが特徴です。
味わいは、レーズンやチョコレート、カルダモンなど。
重めのボディで飲み応えのあるアイテムです。
カバラン ソリスト モスカテル シェリー カスクストレングス
モスカテルのシェリー樽で熟成させた「カバラン ソリスト モスカテル シェリー カスクストレングス」。
マスカットやプルーン、白胡椒のような香りです。
味わいはトロピカルフルーツやレーズン、ミルクチョコレートなど。
クリーミーなテクスチャーで、豊かな風味を楽しめるアイテムです。
まとめ
今回は台湾のウイスキーの代表格であるカバランについてまとめました!同じ東アジアから世界に通用するウイスキーを作っているのは嬉しいですね。
日本人にとって訪れやすい国なので、観光などで行った際にはぜひ飲んでみてください!免税店でも売っているのを帰りに買うこともできますよ!