エライジャクレイグは、アメリカのケンタッキー州で作られるバーボンウイスキーです。数多あるバーボンの中でも少し高級感のある「プレミアムバーボン」と言われています。
日本ではバカルディジャパンが取り扱っています。
エライジャクレイグは赤みがかった色が特徴的なウイスキーです。バーボンらしくバニラっぽいなめらかな甘い味わいも魅力的です。
それでは、エライジャクレイグを詳しく紹介していきます。エライジャクレイグのことを深く知りたい人や・エライジャクレイグを今まさに頼もうか買おうか迷っている人の参考になるような情報を提供していきます!
POINT
- 「エライジャクレイグ」という名前は、バージニア州に実在した「バーボンの父」と呼ばれている「クレイグ牧師」が由来。
- クレイグ牧師が、蒸留したウイスキーを内側の焼けた樽に入れたまま放置してしまったことがバーボンウイスキーの原型。
- エライジャクレイグは、企画から製品化までに25年もの歳月をかけ、丁寧に作られた。
- 当時のバーボンの中では珍しい「12年」の熟成期間を経て、「エライジャクレイグ12年」が1986年にリリース。
- 2017年には、米国ウイスキー雑誌のアドボケートにより、世界中のウイスキーの中からNo.1に選ばれています。
エライジャクレイグはこんな時に買う・注文すべき
エライジャクレイグのことを知りたいと思い、この記事を読んで頂いてる皆さん。結局、ボトルを買うべきか、今飲むべきかで迷っていると言う方も多いかと思います。
そんな方の決断をサポートするために、場面ごとに買うべきか・注文すべきかpeatyなりの見解を示したいと思います!代表的なラインナップについて、記載させていただきます!
味わいとラインナップ
エライジャクレイグは、なめらかで甘い味わいが特徴のボトルです。
- エライジャクレイグ スモールバッチ
- エライジャクレイグ スモールバッチ バレルプルーフ
- エライジャクレイグ12年
- エライジャクレイグ18年
- エライジャクレイグ 18年シングルバレル
- エライジャクレイグ 20年 シングルバレル
- エライジャクレイグ 23年 シングルバレル
エライジャクレイグのラインナップとラインナップごとに細かくその特徴を見ていきます。
エライジャクレイグ スモールバッチ
エライジャクレイグ スモールバッチは、終売となったエライジャクレイグ12年の後継品です。ノンエイジですが熟成年数が8〜12年の原酒を使って作られています。
香りは、バニラや穀物などの豊かな香り、口に含むとブラウンシュガーやキャラメルの甘みに加え、スパイシーな味わいも感じられます。
おすすめの飲み方は、ロックです。
ちなみに、アメリカのウイスキー専門誌である 「ウイスキー・アドボケート」の2017年ランキングでは多くのウイスキーの中からNo.1ウイスキーに選出された実績もあります。
エライジャクレイグ スモールバッチ バレルプルーフ
エライジャクレイグ スモールバッチ バレルプルーフは、蒸留所や一部の地域でしか販売されていないバレルプルーフのウイスキーです。
バレルプルーフとは、加水の後にアルコール度数(プルーフ)の調整をせずにそのままボトリングすることです。そのためアルコール度数は62〜70度ほどあるのが特徴です。
以前はエライジャクレイグ12年のバレルプルーフでしたが、現在は8〜12年熟成の原酒を使っています。
穀物の甘さやドライフルーツの風味が楽しめる逸品です。
おすすめの飲み方は、加水やロックです。アルコール度数が高いためゆっくり加水して変化を楽しむのがおすすめです。
エライジャクレイグ12年
エライジャクレイグ12年は、1986年から販売されていたウイスキーで、2016年1月に販売終了している銘柄です。
バニラやハチミツなどの甘さとレモン、レーズンなどのフルーティーな香りを感じることができます。口に含むとバニラやバナナなどの甘いフルーティーな味わいと酸味のあるフルーティーさも感じられます。フィニッシュは、ウッディさとスパイシーさも楽しめます。
おすすめの飲み方は、ストレートです。現在は販売終了しているため、公式で購入することはできませんが、バーなどで見かけることはあるため気になる方はバーで探してみてください。
エライジャクレイグ18年
エライジャクレイグ18年は、18年以上熟成させた原酒を使っているウイスキーです。他の樽の原酒を混ぜないでボトリングするシングルバレルで作られているため、芳醇な味わいが楽しめるのが特徴です。
香りは、りんごやレーズン、オレンジなどのフルーティーで豊かな香り、口に含むととても滑らかなフルーティーさとバニラの甘さなどの風味が楽しめます。
バーボンの中では珍しい長期熟成のもののため、ストレートで飲むのがおすすめです。バーボンが好きな方はぜひ飲んで欲しい一本です。
エライジャクレイグ 20年 シングルバレル
エライジャクレイグ 20年 シングルバレルは、バーボンではとても珍しい20年以上熟成した原酒を使って作られているウイスキーです。1つの樽のみの原酒から作られているため、原酒の風味をダイレクトに味わえます。
香りは、オレンジマーマレードやイチゴなどのフルーティーな香りの奥にスパイシーな香りも感じます。口に含むとフルーティーな甘さを楽しめます。フィニッシュはウッディーさやスパイシーさが長く続きます。
20年熟成はバーボンの中でも長期熟成のもののため、ストレートで飲むのがおすすめです。バーなどで見かけたら飲んでみてください。
エライジャクレイグ 23年 シングルバレル
エライジャクレイグ 23年 シングルバレルは、バーボンではとても珍しい23年以上熟成した原酒を使って作られているウイスキーです。
1990年前後のヴィンテージもののウイスキーで、甘さと酸味、渋みがバランスよく感じられる味わいが特徴です。
公式ではすでに販売していませんが、インターネットでは手に入るケースも。
エライジャクレイグの歴史
エライジャクレイグの歴史を語るには、クレイグ牧師の歴史を知る必要があります。
クレイグ牧師の生涯
エライジャクレイグという名前は、バージニア州に実在したクレイグ牧師の名前からとっています。このクレイグ牧師は、「バーボンの父」と呼ばれています。
クレイグ牧師は、1771年バプティスト教会の宣教師となりました。
当時、とても過激な説教をしていたため、サウスカロライナ州の刑務所に短期間収監されていたこともあるほどでした。しかし、それでも諦めずに説教を続けて民衆からの支持を得ていたそうです。
その後、より自由な説教をするためにケンタッキー州のバーボン群へ移り、1777年にブルー・ラン教会の牧師となりました。
クレイグ牧師は、移動協会と称して約600人の民衆を連れて移住したそうです。クレイグ牧師が多くの民から親しまれていたことが伺えます。
1785年にはケンタッキー州フランクフォートヘ移住、1789年に初の縮充工場と製紙工場を建設し、1789年に副業としてジョージタウンにウイスキー蒸溜所を建設しました。
この時代はアメリカ西部開拓の理念が広まったときで、国外からの開拓民を歓迎している時代でした。そのため、トウモロコシを育てるための土地を無償でもらえるなどの優遇もありました。つまり、ウイスキー作りに参入しやすい時代でもあったのです。
この時、クレイグ牧師が「バーボンの父」と呼ばれるきっかけとなる出来事が起こります。
クレイグ牧師は、蒸留したウイスキーを内側の焼けた樽に入れたまま放置してしまいました。その後、数年後に樽を空けると、赤みがかった芳醇な液体が現れたと伝えられております。これがバーボンウイスキーの原型と言われています。
しかしながら、このエピソードは本当かどうかは疑わしいとも言われています
1808年、クレイグはケンタッキー州ジョージタウンで死去しました。
「エライジャクレイグ」の発売
エライジャクレイグは、アメリカケンタッキー州のヘブン・ヒル社が製造しています。ヘブン・ヒル社は1934年創業ですが、エライジャクレイグは、1986年にリリースされました。企画から製品化までは25年もの歳月をかけて作った「プレミアムバーボン」です。
エライジャクレイグと言う名前は、もちろんクレイグ牧師にちなんでいます。
浸透を図るマーケティング戦略の一貫として、歴史上の人物の名前をつけたと言われています。
1986年に発売されたエライジャクレイグ12年は、バーボンの中では珍しい「12年」の熟成期間でした。バーボンの熟成期間は、通常10年未満のものが多いと言われています。
1995年には18年のシングルバレルがリリース、2017年には米ウイスキーのアドボケート誌により、世界中のウイスキーの中からNo.1に選ばれ、世界でも人気のあるウイスキーになりました。
エライジャクレイグの製法の特徴
次にエライジャクレイグの製法を紹介します。
原料
エライジャクレイグは、原料の8割にトウモロコシを使われています。バーボンの法的定義によれば、原料の51%以上がトウモロコシである必要があるので、8割は大きな割合と言えます。
ちなみに、ヘブン・ヒル蒸留所のほとんどのバーボンは、原料の8割にトウモロコシを使っています。(「エヴァンウイリアムス」「ジョンハミルトン」「ヘブンヒル」といった銘柄も作っています。人名使ったウイスキー多いですね)
トウモロコシの他は、ライ麦や大麦などを使ったマッシュビルを使っています。
その他の特徴
ケンタッキー州バーボンの伝統的な製造方法を採用しています。
具体的には、酵母をモルトのスイートマッシュの中で増殖させる際に、腐敗を防ぐためのホップを少量入れています。また、発酵槽にイトスギ材を使っています。
温度管理の難しい熟成庫は、温度も湿度も調節しない外気に触れさせ自然の状態を維持することにこだわっています。
1986年の発売依頼、12年熟成のウイスキーにこだわりをもっていましたが、2016年からはノンエイジ表記になっています。原酒不足の影響が大きかったとのことです。
まとめ
エライジャクレイグはご紹介したように、25年もの歳月をかけて企画され、製品化されたプレミアムウイスキーです。
赤みがかった特徴的な色、バニラのようななめらかな柔らかい味わいを楽しんでみてください!
文中でご紹介したエヴァン・ウィリアムスや、他のバーボンについてもまとめておりますので、ぜひ合わせて読んでみてくださいね