ジェムソンは、アイルランドで作られるブレンデッドウイスキーです。
3回蒸留して作られた原酒を使っているため、他のウイスキーにはないなめらかな口当たりが特徴で、世界でもトップクラスの生産量を誇る人気の高いウイスキーです。日本でもスーパーなどで見かけることも多いので、ボトルを見ればご存知の方も多いのではないでしょうか。
それでは、ジェムソンを詳しく紹介していきます。ジェムソンのことを深く知りたい人や・ジェムソンを今まさに頼もうか買おうか迷っている人の参考になるような情報を提供していきます!
- ジェムソンは、アイルランド産のブレンデッドウイスキーで、他にはないなめらかな口当たりが特徴。
- 原酒にはポットスチルウイスキーとグレーンウイスキーが用いられている。
- 生産量の多さを誇り、今現在も単一蒸溜所で生産されるウイスキーとしては世界第3位。
ジェムソンはこんな時に買う・注文すべき
ジェムソンのことを知りたいと思い、この記事を読んで頂いてる皆さん。結局、ボトルを買うべきか、今飲むべきかで迷っていると言う方も多いかと思います。
そんな方の決断をサポートするために、場面ごとに買うべきか・注文すべきかpeatyなりの見解を示したいと思います!代表的なラインナップについて、記載させていただきます!
味わいとラインナップ
ジェムソンは3回蒸留して作られた原酒を使っているため、他のウイスキーにはないなめらかな口当たりが特徴です。それでは、各ラインナップごとに細かくその特徴を見ていきます。
ジェムソンのラインナップは以下の通りです。
- ジェムソン
- ジェムソン スタウトエディション
- ジェムソン ブラック・バレル
- ジェムソン12年
- ジェムソン18年
- ジェムソン12年 スペシャルリザーブ
- ジェムソン18年 リミテッドリザーブ
- ジェムソン ボウ・ストリート
- ジェムソン カスクメイツ 東京エディション
ジェムソン
こちらはジェムソンのスタンダード品です。
青リンゴなどのフルーティーな香りにシトラスのようなすっきりとした味わい、ナッツ系の風味も感じられます。とてもまろやかな口当たりで飲みやすいボトルです。
クセが少なくさっぱりと楽しめるウイスキーで、ストレートはもちろん、ハイボールなどもおすすめです。さまざまな飲み方ができて、コスパもよく、スーパーでも気軽に手に入れることができるため、家に1本置いておくのも良いでしょう。
ジェムソン スタウトエディション
ジェムソン スタウトエディションは、2017年に発売された人気銘柄です。
もともとカスクメイツという名称でアイルランドのビール会社である「フランシスカン・ウェル」とのコラボレーション品として発売されました。
スタウトエディションは、ジェムソンを熟成させた樽にフランシスカン・ウェルのアイリッシュスタウトというビールを熟成させ、その樽でジェムソンを熟成させて作られています。
ジェムソンの特徴であるなめらかさは残しつつ、スタウトビールからくるカカオやバニラエッセンスなどの風味、口に含むと甘さとビターさの両方をバランスよく感じられます。余韻も長い時間楽しめるウイスキーです。
スタウトビールとジェムソンのバランスの良い風味を堪能するためにストレートやロックで飲むのがおすすめです。また、ハイボールなどで飲むとクラフトビールの風味もかすかに感じられるのでビールが好きな方はハイボールもおすすめ。
ジェムソン ブラック・バレル
ブラック・バレルはシェリー樽とバーボン樽の2種類を使用して熟成されたウイスキーです。バーボン樽は2度も樽の内側を焦がす作業をして作られている黒焦げの樽(ブラック・バレル)を使っているのも特徴です。
ナッツやカラメルのような香り、口に含むとバーボン樽熟成からくるバニラのような甘さも感じられます。フィニッシュは少しスパイシーさも感じられる上品な銘柄。
甘さやスパイシーさを感じられるため、ハイボールでさっぱり飲むのがおすすめです。
ジェムソン12年スペシャルリザーブ
ジェムソン12年スペシャルリザーブはオロロソシェリー樽で12年以上熟成した原酒から作られたウイスキーです。(スタンダード品は4年熟成)
ライトでスパイシーな香り、シェリー樽由来のレーズンやナッツの味わいを楽しめるのが特徴です。
2014年にすでに終売してしまっていますが、まだお店やオークションサイトで見かけることもあります。ただ最近どんどん貴重価値が高くなってきているため、価格も高騰しているようです。そのため、バーやお店などで見かけたら、今のうちに飲んでおくと良いでしょう。
ジェムソン18年リミテッドリザーブ
ジェムソン18年リミテッドリザーブは、スパニッシュオロロソシェリー樽で18年以上熟成した原酒からマスターブレンダーが厳選したものだけをバーボン樽でさらに熟成して作られたウイスキーです。
追加で熟成することで、複雑で芳醇な味わいになっているのが特徴です。生産量が限られており、貴重なウイスキーのためボトリングも年に2回ほど。
パイナップルなどの南国のフルーツやカラメルなどの香り、味わいはオイリーさやトロピカルさも感じられ、フィニッシュはカカオやビターなどが後を引きます。
ロックで飲むと複雑で上品な味わいの変化をさらに楽しみながら飲むことができますよ。
ジェムソン ボウ・ストリート
ジェムソン ボウ・ストリートはジェムソンを創業したボウ・ストリート蒸留所への敬意を込めて発売されたボトルです。
ミドルトン蒸留所で3回蒸留した原酒をヨーロピアンオーク樽とアメリカンオーク樽で18年以上熟成させた原酒をブレンド。その後、ボウ・ストリート蒸留所にあるファーストフィルのバーボン樽で後熟して作られています。ジェムソンは基本的に加水して作られていますが、唯一加水をしないカストストレングスでボトリングされているのも特徴です。
かなり強めのウッディな香りにバーボンの香り、口に含むとカラメルやトフィー、バニラエッセンスのような甘さも感じられます。フィニッシュはモルト感やスパイシー感が長く後を引きます。
ストレートで18年以上熟成された味わいをじっくり堪能するのがおすすめです。
ジェムソン カスクメイツ東京エディション
ジェムソン カスクメイツ東京エディションは、日本限定版のジェムソン カスクメイツです。東京にあるクラフトビール「DevilCraft」とジェムソンのコラボレーション商品として発売されました。
クラフトビールのホップやバタースコッチのような香りで口に含むとさっぱりした味わいを楽しめます。
ビールの風味をしっかり感じられるストレートやロックにするのも良いですが、ハイボールですっきり飲むのもおすすめです。
ジェムソンの歴史
ジェムソンは1786年に「ジョン・ジェムソン」によって作られました。もともと実業家だったジェムソンが、自身の妻の親戚であるスタイン家が経営していた「ボウ・ストリート蒸留所」の経営に携わり始めたことから始まります。
1810年にはジョン・ジェムソン・アンド・サン・アイリッシュ・ウイスキー会社を設立し、本格的に経営を始めました。
ボウ・ストリート蒸留所がタブリンというウイスキー産業の中心地でもあったことから事業は徐々に拡大をしていきました。設備投資などを続け、買収当初に比べて30倍以上の生産量まで増やすことに成功しました。その結果、世界でもトップクラスのウイスキーにしました。(現在、単一の蒸溜所で生産されるウイスキーとして、世界3位の生産量を記録しています。)
順調に生産量を伸ばし、世界でも有名なウイスキーとなったジェムソンですが、世界情勢の影響で3つの苦難を強いられてきました。
1つ目は、1820年代に始まったアイルランドの禁酒運動による国内の需要の低下です。2つ目は、1919年から始まったアイルランドの独立戦争です。戦争の影響で、ウイスキーの需要が高い地域だったイギリスへの輸出が禁止されました。
そして、3つ目は1920年から10年以上にも及ぶアメリカの禁酒法施行でした。アメリカは、アイルランド、イギリスに続いて販売量の多くを占めていたため、大きなダメージを受けました。
どれもジェムソンにとってはかなりの痛手でしたが、その中でもなんとか経営を続けていき、第二次世界大戦が終わった後の1966年には、明るい兆しが見えます。
1966年にジョン・ジェムソン社は、「コーク・ディスティラーズ社」「ジョン・パワーズ社」の2社と合併し、現在の「アイリッシュ・ディスティラーズ・グループ」を設立しました。これによって経営基盤が強化されたのです。
1975年には、最初に買収した「ボウ・ストリート蒸留所」を閉鎖し、「ミドルトン蒸溜所」を新設しました。現在もアイリッシュウイスキーの多くの銘柄が、ミドルトン蒸溜所で作られています。1988年にベルノリカール社の傘下に入り、現在に至ります。
ジェムソンの製法の特徴
次に、ジェムソンの製法について紹介します。
ジェムソンの蒸留所は生産量に合わせて年々拡張されており、現在は大きなポットスチルが10基、グレーンウイスキー用のコラムスチルも合わせると全部で17基も稼働しています。
ジェムソンは、ポットスチルウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドして作られています。
ポットスチルウイスキーとは、大麦麦芽と未麦芽(ノンピート)の2つを原料として、銅製のポットスチルで蒸留したあとオークカスクで熟成して作られます。これはアイリッシュウイスキー特有の製法でモルトウイスキーと比べるとまろやかで風味が豊かな味わいが強くなります。
ポットスチルウイスキーとブレンドされるグレーンウイスキーは、トウモロコシや小麦を原料とし、連続蒸留器にて蒸留して作られています。
ポットスチルウイスキー、グレーンウイスキー共に3回蒸留しているのが特徴です。
ちなみにアイリッシュウイスキーは、蒸留後に最低3年以上熟成させないとアイリッシュウイスキーとして認められないため、ジェムソンもスタンダードボトルでも3年以上熟成させたものを使ってボトリングされています。
まとめ
アイリッシュウイスキーのジェムソンについてまとめました。世界3位の製造量だけあり、色々な居酒屋やバーで見つけられる銘柄ですね。アイリッシュウイスキーをまず第一に代表する銘柄と言えるでしょう。
すっきり軽めに飲むことができるので、どんな場面にでも合うおすすめの銘柄です。良かったら試してみてください!
アイリッシュウイスキーについて知りたい方はこちらのリンクからどうぞ!
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