ベンネヴィス(Ben Nevis)は、スコットランドの西ハイランド地方で造られているシングルモルトウイスキーです。
この記事では、ベンネヴィスのことを深く知りたい人やベンネヴィスを今まさに頼もうか買おうか迷っている人の参考になるような情報を提供していきます!
- ベンネヴィスは、1800年代前半から続く蒸溜所で、ベンネヴィス山からの雪解け水を用いてウイスキーを作っている。現在はニッカウヰスキーが運営、アサヒビールが販売を行っている。
- ウイスキー作りに使用している水の品質が大変に高く、スコットランドと日本の技術が合わさって製造が続けられている。
- シロップのような甘さと、トロピカルフルーツのような味わいが特徴で、世界に広く愛されるウイスキーのひとつである。
ベンネヴィスはこんな時に買う・注文すべき
ベンネヴィスのことを知りたいと思い、この記事を読んで頂いてる皆さん。結局、ボトルを買うべきか、今飲むべきかで迷っていると言う方も多いかと思います。
そんな方の決断をサポートするために、場面ごとに買うべきか、注文すべきかpeatyなりの見解を示したいと思います!代表的なラインナップについて、記載させていただきます。
ベンネヴィスの歴史
スコットランドの西ハイランド地方で造られているベンネヴィス。
歴史ある蒸留所ですが、現在は日本の有名メーカーが運営しています。文中に答えがあるので、予想してみてくださいね!
「ジョン・マクドナルド」がベンネヴィス設立
ベンネヴィス蒸留所は1825年に西ハイランド地方のウィリアム地区、ベンネヴィス山の麓で設立。
豊かな自然にあふれ、山からの雪解け水をウイスキー造りに使用できる、恵まれた場所に建てられました。
ベンネヴィス蒸留所は政府公認の蒸留所でしたが、設立したのはジョン・マクドナルド。
このジョン・マクドナルドは、「ロング・ジョン」と呼ばれていましたが、じつはブレンデッドウイスキーの「ロング・ジョン」は彼の名前をつけたものなのです。
ちなみに、「ロング・ジョン」は、長い間ベンネヴィス蒸留所の原酒をキーモルトとしていましたが、現在は使われていません。
オーナーが交代
ジョン・マクドナルドの死後、ベンネヴィス蒸留所は息子であるドナルド・マクドナルドが運営していました。
1878年には「ネヴィス蒸溜所」も新たに建設したものの1908年に閉鎖し、現在はベンネヴィス蒸留所の熟成庫として使用されています。
そして、1920年代にベンネヴィス蒸留所はシーガー・エヴァンス社に買収され、1955年には商才に長けたビジネスマン「ジョセフ・ホッブス」に買収されました。
ジョセフ・ホッブスは、ベンネヴィス蒸留所の他にもグレンユーリーロイヤル、ブルックラディ、グレンロッキーなどを次々と買収。
大規模なビジネスを展開していました。
ジョセフ・ホッブスはベンネヴィス蒸留所に世界でも割りと早いタイミングで連続式蒸溜機を導入し、グレーンウイスキーも製造できるようになりました。残念ながら、現在ではこの連続式蒸溜機は取り外されています。
ニッカウヰスキーの傘下に
ジョセフ・ホッブスの死後、ベンネヴィス蒸留所は大手ビール会社のウィットブレッド社に買収されました。
しかし、業績が悪化し、1986年に操業停止。
そして、1989年にニッカウヰスキーが買収し、1990年から操業を再開したのです。
日本の会社がスコットランドの蒸留所を買収するというケースは、1986年に宝酒造がトマーティン蒸溜所を買収したことに続き、2例目でした。
その後、現在に至るまでニッカウヰスキーが運営し、販売はアサヒビールが担っています。
ベンネヴィスの製法の特徴
スコットランドの西ハイランドで最も古い蒸留所のひとつであるベンネヴィス蒸留所。年間200万リットルほどのウイスキーを製造しています。
フルーティーで飲みやすく、ウイスキー初心者にもおすすめしやすいアイテムが揃っています。
ここからは、ベンネヴィス蒸溜所の製法の特徴を紹介していきましょう。
高品質な山の水を使用
ベンネヴィス蒸留所はベンネヴィス山の麓にあり、仕込み水にはこのベンネヴィス山の山頂にある湖から流れ出る水を使用しています。 Allt a’Mhuilinnと呼ばれる、ベンネヴィス山の北側を流れる川から採取しています。
この水の品質がとても高いことが特徴です。
かつてはフロアモルティングを行っていましたが、現在、モルトは大手麦芽会社から仕入れています。基本的にはノンピートですが、ピーテッドモルトを使用する場合もあります。
スコットランドと日本の技術を融合
糖化にはステンレス製のマッシュタンを使用しています。
また、発酵槽は木製2基とステンレス製6基、ポットスチルは初溜2基と再溜2基の計4基を設置。初溜基は25,000リットル、再溜基が20,000リットルの容量を持ちます。
ポットスチルは上部にあるリンアームが水平なのが特徴です。容量の少ないスピリッドスチルでの蒸留が早く行われるため、エッジの効いた風味に仕上がります。
ベンネヴィス蒸留所は以前はブレンデッドウイスキー用の原酒造りがメインでしたが、ニッカウヰスキーが買収したことによりシングルモルトの製造も開始しました。
今では、スコットランドと日本、それぞれが培った技術を融合させたウイスキー造りが行われています。
シェリー樽とバーボン樽で熟成
熟成は主にシェリー樽とバーボン樽で行われています。
現在は、シングルモルトとブレンデッドウイスキーを合わせ、約200万リットル製造され、世界中で愛されているブランドです。
味わいとラインナップ
ベンネヴィスは、スコットランドの西ハイランド地方で造られているスコッチウイスキー。
19世紀の始めから稼働している歴史ある蒸留所ですが、ニッカウヰスキーが運営していることでも知られています。
シロップのような甘さと、トロピカルフルーツのような味わいが特徴で、世界的に人気のブランドです。
それでは各ラインナップごとに細かくその特徴を紹介していきましょう。
- ベンネヴィス 10年
- ベンネヴィス 10年 UK向け
- ベンネヴィス 25年
- ネヴィス・デュー
- ネヴィス・デュー12年
- ベンネヴィス 1996 21年
- <参考>デューオブベンネヴィス
ベンネヴィス 10年
ベンネヴィスのオフィシャルボトルとしてリリースされているシングルモルトの「ベンネヴィス 10年」。
こちらはベンネヴィスのスタンダードボトルです。
ウイスキー愛好家からは「デイリー最強のシングルモルト」と呼ばれていて、とにかくコスパが良いことで知られています。
洋梨や青りんご、ウエハースやヨーグルトのような香り。
味わいは、ドライフルーツやレモンケーキ、バニラ、ウエハースのようなニュアンスです。
甘みを感じるので、ウイスキー初心者の方でも飲みやすいでしょう。
ベンネヴィス 10年 UK向け
イギリスや欧州を中心に流通している「ベンネヴィス 10年 UK向け」。
スタンダードボトルの「ベンネヴィス 10年」とは、ボトルもラベルも全く違っています。
オレンジやキウイ、麦芽のような香り。
ケミカルな風味のあるシロップやオレンジ、パイン、麦芽のような味わいです。
日本国内の「ベンネヴィス 10年」はアルコール度数43%ですが、この「ベンネヴィス 10年 UK向け」は46%となっており、飲み応えがあるのが特徴。
両者を飲み比べると、日本向けとヨーロッパ向けの違いがわかって楽しいでしょう。
ベンネヴィス 25年
ニッカウヰスキーの2代目マスターブレンダーである竹鶴威氏の功績を称えてリリースされた「ベンネヴィス 25年」。
ニッカウヰスキーがベンネヴィス 蒸留所を買収し、再稼働した1990年に詰められた、貴重な原酒を使用しています。
この原酒を2015年にボトリングし、235本限定でリリースされました。
ローストアーモンドやカラメル、オレンジのような香りが特徴。
樽ならではのウッディーなニュアンスとシロップのような甘さを感じる味わいです。
日本国内ではなくフランスで販売されたため、なかなか出会う機会は少ないですが、見かけたらぜひ飲んでみてください。
ベンネヴィス 25年 バッチ16
限定228本のベン・ネヴィス。傑作ボトルを多く輩出している「1996ヴィンテージ」のひとつです。
ラベルには蒸溜所にちなんだ面白いストーリーやジョークなどが楽しいイラストで描かれた特徴あるグラフィック・ノベルです。
オレンジやサワーアップルのようなさわやかな香りを感じます。
ネヴィス・デュー
「ネヴィス・デュー」はベンネヴィス蒸留所で造られた原酒をキーモルトとしてブレンドしたブレンデッドウイスキー。
レーズンやクッキーの香りを感じますが、香りはあまり強くありません。
味わいは、洋梨やレーズン、ハチミツなど。
とても飲みやすいアイテムですが、ウイスキー好きな方にとっては少々もの足りなく感じるかもしれません。
ロックやハイボールで飲むのがおすすめ。
ネヴィス・デュー12年
12年以上熟成させたベンネヴィス蒸留所の原酒をキーモルトとしてブレンドした「ネヴィス・デュー12年」。
前述した「ネヴィス・デュー」と比べると甘く華やかで、マイルドな風味に仕上がっています。
香りは、カラメルやバニラビーンズ、プラムなど。
バニラやレーズン、トフィ、クッキーのような味わいです。
ストレートでも飲みやすいアイテムだと言えるでしょう。
ベンネヴィス 1996 21年
ホグスヘッドで21年間熟成させた「ベンネヴィス 1996 21年」。
カスクストレングスのため、55.4%という高いアルコール度数になっています。
パイナップルやマンゴーのような香り、ハチミツやパイナップル、ミントや紅茶を感じる味わいが特徴。
フルーツの風味がしっかり感じられる、ベンネヴィスらしいアイテムです。
<参考>デューオブベンネヴィス(現ネヴィス・デュー)
ブレンデッドウイスキーのベンネヴィスには「デューオブベンネヴィス」という表記のものがあります。これは、昔に流通したベンネヴィスです。
、2009年にスコッチウイスキーの法律が改正されて単一蒸留所のものでないブレンデッドウイスキーの場合、蒸留所の名前をつけてはいけなくなったため「ネヴィス・デュー」に名前が変わりました。
「デューオブベンネヴィス」という名前のボトルは今ではなかなか見かけませんが、古いものはほろ苦さや香ばしさを楽しめることが特徴です。
もしも出会えたら、ゆっくり楽しんでみましょう。
高級感のあるボトルもポイントです。
まとめ
今回はベンネヴィスについて紹介しました!日本のニッカウヰスキーが持っているこのブランドをぜひ飲んでみてください!
Peatyでは他にも色々な記事をまとめていますので、合わせて読んでみてください。