台湾のウイスキーを徹底解説!味わい・代表銘柄など

シングルモルトを知ろう!

こんにちは。Peaty編集部です。

この記事では台湾のウイスキーを紹介します。台湾のウイスキーは近年世界のウイスキーコンテストを席巻しているものも多くあり、評価が高まってきています。この記事を読んで是非色々試してみてください!

編集部
編集部
  • 台湾では、近年亜熱帯気候と水質の良さを活かしたウイスキー作りが行われている。スコッチウイスキーの製法を参考にし、メインはシングルモルト。
  • 現在は、「カバラン蒸溜所」と「ナントー蒸溜所」の2つのみであるものの、その品質の高さは世界中から注目を集めており、今後が期待されている。
  • どちらも、蒸溜所内ですべての工程を行うことを軸としており、南国の台湾らしいトロピカルなフルーツ感のあるウイスキーが主。
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台湾のウイスキーとは?

台湾のウイスキーは、台湾の蒸留所で造られるウイスキーです。近年、台湾の亜熱帯な気候、多くの山脈から取れる高品質な水という個性を活かし、高品質なウイスキーを造り出していることから、世界から注目を浴びています。

台湾ウイスキーは、世界5大ウイスキーでも知られるウイスキーの本場、スコッチウイスキーの伝統的な製法を参考にしています。台湾で造られるウイスキーは、シングルモルトウイスキーがメインです。

台湾がウイスキー産業に参入したきっかけは、2002年台湾の世界貿易機関(WHO)への加盟です。

台湾で飲料事業を行なっている「金車」という企業が最初にウイスキー造りに取り組み、そしてWHO加入から約3年後、台湾で初の蒸留所「カバラン蒸留所」が完成しました。

現在、台湾で稼働している蒸留所は、カバラン蒸留所ナントー蒸留所の2つのみです。

しかし、亜熱帯気候の台湾で造られるフルーティーで個性豊かなウイスキーが、世界でも高い評価を受けており、今後の新しい銘柄や蒸留所に期待されています。

台湾のウイスキーの特徴

台湾ウイスキーの特徴は台湾ならではのトロピカルでフルーティーな風味です。また、樽の影響をとても強く受けたウイスキーを楽しめます。

このトロピカルなフルーティーさを生んでいる背景は、台湾の気候です。台湾は、亜熱帯気候であり、涼しいスコットランドと比べて3~4倍の速さで熟成が進みます。そのため、年数をかけなくても十分熟成した深い風味を感じられます。温かいことによって熟成が進み、短期間でも樽の影響を受けやすくなります。

風味こそ短期間でも進みますが、アルコール感のトゲトゲしさは若い年数のまま残っています。そのため、熟成した風味と、若々しいアルコール感を同時に楽しめる希少なウイスキーとなっています。

また、ベースになっているのはスコットランドのシングルモルトの製法です。製法は、スコッチと同じながら気候が違うということが特徴的な風味を産んでいます。

近年、気温が高い地域で造るアジア圏のウイスキーが注目を浴びており、インディアンウイスキーと共にアジア圏のウイスキーを牽引する存在になっています。

代表する蒸留所と銘柄

カバラン蒸留所 – Kavalan Distillery –

2005年設立とまだ新しい蒸留所ですが、こだわり抜いた製法や原料から造り出される上質なウイスキーは、様々な賞を受賞しており注目を浴びています。

カバラン蒸留所は、台湾の「金車(キングカー)」という企業が、台湾発のウイスキーを造ろうと、台湾で初めての蒸留所を作ったことが始まりです。キングカーはコーヒーやお茶、乳酸菌飲料なども生産している台湾を代表する飲料会社です。

蒸留所は、台湾の北東部宜蘭県にあり、台湾有数の山脈といわれている雪山山脈の麓にあります。この地域は、蒸留所ができる前から金車の本拠地でもあり、台湾国内では「とても美味しい水が取れる」と有名な場所です。原料が重要なウイスキー造りにとって、願ってもかなわない好立地といえます。

ちなみに金車のウイスキーのブランド「カバラン(KAVALAN)」の由来は、宜蘭県の原住民のクヴァラン族からきています。

世界でも注目を浴びているウイスキーを造り続けているカバラン蒸留所のこだわりは、3つあります。

  1. ウイスキー造りの工程全てを1つの蒸留所でで行っていること
  2. 約3,800メートルの山々から流れる「良質な水」
  3. 飲料が得意な企業が造る「100%台湾製の酵母」

カバランはラインナップが豊富で数種類もの銘柄がありますが、その中からおすすめの2つを紹介します。

カバラン クラシックシングルモルトウイスキー – Kavalan Classic –

2008年、カバラン蒸留所で最初に販売されたウイスキーです。バーボン樽、シェリー樽、プレーンオーク樽などを利用し、独自の調合を行って作られています。

このウイスキーが2010年にイギリスで開催されたウイスキーの大会で1位をとり、台湾ウイスキーが世界から注目を浴びるきっかけになりました。この大会はウイスキーの本場、スコットランドで開催されたウイスキーのブラインドテイスティングの大会でした。世界的なウイスキーブームにのり、イングランドでも蒸留所が新しく創業したことを受け、スコットランドと各地のウイスキーを比べ、ブラインドでテストを行って本当に美味しいものを決めようとした大会でした。

なんとカバランはこの大会で圧倒的な点数を獲得し、優勝しました。通常ウイスキーの世界で3年熟成のものが賞を取ることがありえなく、ウイスキー界の中ではとんでもなく話題になり、「カバラン」の名が世界に轟くことになりました。

特徴は、マンゴーなどのトロピカルフルーツのような香りとクリーミーな味わいです。

非常に飲みやすく、台湾の代表格でもあるので台湾ウイスキーを試したい方にはぜひ最初に試していただきたいウイスキーです。飲みやすいので食事と一緒にも楽しみやすいものとなってます。特に海鮮料理との組み合わせで生きる味わいなので、是非海鮮料理と合わせて楽しんでください。

ウイスキー造りの知見がなかった金車社がわずか数年で、様々な賞を受賞するほどこだわり抜いて造られた上質な味をお楽しみください。

カバラン コンサートマスター Kavalan Concertmaster Port Cask Finish

カバランコンサートマスターは、ポルトガルのポートワイン樽で熟成させたウイスキーです。グリーン一色のボトルが印象的で、一度目にすると忘れられないようなボトルです。

クラシックよりも複雑な味わいを楽しむことができます。イチゴのようなベリー系の香りがあり、口の中では比較的スパイシーな味わいが感じられます。飲み終わった後にはちみつのような甘みが鼻に抜けるのを感じられる銘柄です。

カバランソリスト ヴィーニョバリック – Kavalan Solist Vinho Barrique Single Cask Strength –

2020年の「Best Of the Best Single Malt」に選ばれたシングルモルトウイスキーです。同じく2020年には日本で開催された「東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)」でもベスト・オブ・ベストを獲得しており、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いのウイスキーです。

アメリカンオーク樽で熟成させたウイスキーで、アーモンドとブラックチョコレートの香りを楽しむことができます。とにかく濃厚で甘めな香りと、ナッツやココア感のあるほろ苦い味を楽しめるウイスキーです。特別な日にストレートで飲むことに適しているウイスキーといえるでしょう。

ナントー蒸留所 – Nantou Distillery –

カバラン蒸留所に続き2007年に蒸留を始めた、台湾でも有名な蒸留所です。運営会社は臺灣菸酒股份有限公司で、この会社は元々、台湾フルーツの価値向上を目指してワイナリーを行っていました。そのためワインやブランデーを長く作っておりました。お酒造りのノウハウを持ちつつ、満を持してウイスキー造りに参戦した感じでしょうか。

この蒸留所では「オマー」(スコットランドのゲール語で琥珀という意味)というウイスキーを造っており、「WWA(World Whisky Award)」という国際大会での受賞歴もあります。

特徴は、着色加工を行っていないことと、全行程をこの蒸留所で一貫して製造していることです。また、ノンチルフィルタード製法(冷却ろ過をしない製法)を取り入れているため、熟成している樽由来の味わいを楽しめます。樽自体にもこだわりをもっており、スコッチやバーボンの本格的な樽を使っていたり、元々強みとして持っているワインやブランデーの樽も使っていたりします。それによって特徴的な果実味の強いウイスキーを作ることができております。

オマー シングルモルトハートウイスキー バーボンタイプ

バーボン樽熟成で造られているシングルモルトウイスキーです。

マンゴーのようなフルーツの香りと、バーボン樽由来のバニラの風味、軽めですっきりと飲める口当たりが楽しめます。シェリー樽で熟成されたウイスキーも少し混ぜており、それによって味に深みを出しています。バランス感に優れたウイスキーですが、スモーキーさが好きなタイプにはやや物足りない味ともいえるでしょう。

オマー シングルモルトハートウイスキー シェリータイプ

シェリー樽熟成で造られているシングルモルトウイスキーです。

バナナのようなフルーティーな甘さとスモーク感も味わえる銘柄です。甘さがありつつ、比較的重めなウイスキーと呼べるでしょう。後味はドライフルーツやシトラスのようなすっきりしたものを楽しめます。

スモーク感とフルーティーさが同時に成り立っているのがこのウイスキーの複雑さの理由であり、それがこのウイスキーを特徴づけています。

まとめ

比較的歴史の浅い台湾のウイスキーですが、歴史の短さに対して明らかに世界の注目が高まっており、アジア圏のウイスキーを引っ張っていく存在といえるでしょう。筆者の飲みに行くバーでもバーテンの方の注目を非常に感じます(いろんなお店でおすすめされるのです)

まだ比較的手に入れやすいため、日本でも少しこだわりのあるお店では簡単に手に入れることが可能です。そのため、飲むためのハードルは低い方かもしれません。そんな台湾のウイスキーを見かけてみたら是非飲んでみてください!

5大ウイスキー以外のメジャーどころとしてインドのウイスキーも紹介しています!ぜひご参考ください。

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