カティサークは、スコットランドで作られるブレンデッドウイスキーです。
スコッチウイスキーの中でも人気の高いウイスキーで、飲みやすくコスパも良いため、ウイスキー初心者にもおすすめの銘柄です。また、作家の村上春樹氏の小説にも何度か登場していることでも知られています。(カティサークと聞くと村上春樹を思い浮かべる人も多いハズ!)
コスパのいいウイスキー選手権
— ナックル君 (@LOVEHORSEss) June 20, 2022
優勝はカティーサークだな(笑)
村上春樹の小説にもよく登場する(笑)暑いと軽くていい。#村上春樹 #ウイスキー#Cuttysark #カティーサーク pic.twitter.com/Bry3B59dQe
それでは、カティサークを詳しく紹介していきます。カティサークのことを深く知りたい人や・カティサークを今まさに頼もうか買おうか迷っている人の参考になるような情報を提供していきます!
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- カティサークは、食料雑貨商であったB.B.R社がリリースしたウイスキー。19世紀後半になり、社の主力販売品となった。
- 最高級といわれるモルト原酒を使用することにより、華やかがあるリッチな味わいを作りだしている。
- 「カティサーク」は、もともと紅茶を運んでいた大型船の名前で、ボトルに描かれている帆船も、これがモチーフとなっている。
カティサークはこんな時に買う・注文すべき
カティサークのことを知りたいと思い、この記事を読んで頂いてる皆さん。結局、ボトルを買うべきか、今飲むべきかで迷っていると言う方も多いかと思います。
そんな方の決断をサポートするために、場面ごとに買うべきか・注文すべきかpeatyなりの見解を示したいと思います!代表的なラインナップについて、記載させていただきます!
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味わいとラインナップ
カティサークは、マイルドな飲み心地が特徴のボトルです。
この記事では、以下のラインナップを紹介します。
- カティサークオリジナル
- カティサーク プロヒビション
- カティサーク ストーム
- カティサーク モルト
- カティサーク 12年 デラックス
- カティサーク エメラルド
- カティサーク 18年
- カティサーク インペリアル・キングダム
- カティサーク 25年
- カティーサーク25年 タム・オ・シャンター
カティサークオリジナル
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カティサークオリジナルは、カティサークのスタンダード品です。
香りは、フルーティーな香りやハーブやバニラなどの華やかな香りが広がります。口に含むとライトでスムースな味わい、フィニッシュにはレーズンや青リンゴなどのフルーティーな風味を感じられます。
アルコールアタックやピート香がかなり抑えられている上に甘みも感じられるため、ウイスキー初心者の方にもおすすめです。ストレートもおすすめですが、さらに気軽に飲みたい場合はハイボールでも美味しくいただけます。
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カティサーク プロヒビション
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カティサーク プロヒビションは、アメリカンオーク樽で熟成させた高級なモルト原酒と厳選されたグレーン原酒をブレンドしてノンチルフィルタリングでボトリングしているウイスキーです。
プロヒビションとは、禁酒法という意味で禁酒法廃止から80年を記念してリリースされました。また、禁酒法時代でもアメリカにカティサークを売り続けてカティサークの経営を助けたウィリアム・マッコイ氏への敬意を表しています。
香りは、ラムレーズンやブラックペッパーのようなスパイシーな香り、口に含むと強めのスパイシーさを感じられます。
おすすめの飲み方はハイボールです。スパイシーさやブラックペッパーの香りを、ハイボールですっきりと飲んでみてください。
カティサークは全体的に飲みやすいウイスキーですが、プロヒビションは個性やクセが強く、パンチの強いボトルです。スタンダード品では物足りない方やウイスキー愛好家にぴったりといえるでしょう。
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カティサーク ストーム
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カティサーク ストームは、2013年にリリースされたボトルです。オリジナルと比べると長期熟成された高品質なモルト原酒(マッカランやハイランドパークなど)を多く使っています。
香りは、キャラメルやバニラ、ハチミツのようなリッチで甘い香り、味わいは非常にまろやかでバニラやドライフルーツ、オークの風味を楽しめます。フィニッシュはスパイシーさやスモーキーさを感じられます。
おすすめの飲み方はストレートです。甘さとスパイシーさのバランスが絶妙な味わいをダイレクトに味わえます。ストレートでも飲みやすいため、初心者の方にもおすすめです。スタンダード品よりももう少し贅沢な時間を楽しみたい時にぴったりなウイスキーです。
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カティサーク モルト
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カティサーク モルトは、グレーン原酒を使わずにモルト原酒だけをブレンドしているウイスキーです。
ドライフルーツや洋ナシのようなフルーティーな香りやモルト感を楽しめる味わいが特徴です。
おすすめの飲み方はストレートです。モルト原酒100%の風味を感じられます。ストームがリリースされたタイミングで終売になってしまっていましたが、バーなどで見つけたらぜひ試してほしいウイスキーです。
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カティサーク 12年 デラックス
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カティサーク 12年 デラックスは、12年以上熟成させた原酒を使って作られています。
香りは、レーズンやライムのような酸味と甘みを感じるフルーティーな香り、口に含むと柑橘系や洋ナシのようなフルーティーさとほんのり酸味、カカオの風味も感じられます。
おすすめの飲み方は、ストレートやロックです。フルーティーでライトな飲み心地のオリジナルに対してカティサーク12年デラックスは、甘みと酸味がバランスよく感じられるウイスキーです。
こちらもすでに終売となっていますが、まだ店頭で見かけることもあるため気になる方は早めに探してみてください。
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カティサーク エメラルド
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カティサーク エメラルドは、12年以上熟成させた原酒を使って作られているウイスキーです。ダブルマリッジといってモルト原酒をヴァッティングした後に、グレーン原酒をブレンドする製法で作られています。
わずかな洋ナシの香りと強めのモルト香を感じられます。口に含むとグレーン原酒の穀物感や干し草のような風味を楽しめます。
おすすめの飲み方は、ストレートです。飲みやすい銘柄ですが、流通が少ないためバーで見つけたらぜひお試しください。
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カティサーク 18年
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カティサーク 18年は、18年以上熟成させたモルト原酒をブレンドして作られています。
香りは、レーズンやドライプラム、奥にスパイシーな香りを感じられます。18年熟成のリッチで深みのある味わいが特徴です。
おすすめの飲み方はストレートです。オリジナルと比べるとシェリー樽由来の味わいが強く、キーモルトであるマッカランの風味も感じられます。こちらもすでに終売しているため、バーやレストランで探すのが良いでしょう。
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カティサーク インペリアル・キングダム
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カティサーク インペリアル・キングダムは、1990年代に流通していたノンエイジのボトルです。キーモルトにはストラスアイラ、ブナハーブン、グレンロセスなどを使用しておりノンエイジですがある程度は長期熟成されている原酒を使っているようです。
香りは、パッションフルーツや完熟したぶどうやイチゴジャム、味わいは厚みのある口当たりにレーズンなどのフルーティーさと酸味、バニラの甘みなども感じられます。
複雑な味わいが1本に詰まっている質の高いウイスキーです。味の変化を楽しむためにおすすめな飲み方はストレートです。バーで見かけたら飲んでみてはいかがでしょうか。
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カティサーク 25年
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カティサーク 25年は、モルト原酒のみを使っているヴァッテッドモルトウイスキーです。キーモルトには、ベリー・ブラザーズ&ラッド社の秘蔵モルト、グレンロセス、マッカラン、グレンリベットなどが使われており、それぞれ25年以上熟成した原酒を使っています。カティサークのラインナップの中でも最上位と言われる高品質なウイスキーです。
香りは、マッカランのようなフルーティーな甘みやレーズンの香り、味わいはリッチでコクのある優しい甘さを感じられます。
おすすめの飲み方はストレートです。長期熟成の味わいをじっくり楽しんでください。
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カティーサーク25年 タム・オ・シャンター
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カティーサーク25年 タム・オ・シャンターは、2013年に5,000本限定でリリースされた限定品です。カティサークのマスターブレンダーのクリスティーン・キャンベル氏が厳選した原酒をブレンドして作られている特別なウイスキーです。
香りは、ジャスミンやバニラ、その奥にスモーキーな香りが感じられます。口に含むとダークチョコレートやわずかながらスパイシーさも楽しめます。
おすすめの飲み方はストレートです。なかなか見かけることがないため、バーで飲むのがおすすめです。
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カティサークの歴史
続いてカティサークの歴史について紹介していきます。
カティサークは、1698年創業のB.B.R社(ベリーブロス&ラッド社)により1922年にリリースされたウイスキーです。B.B.R社は、もともと有名な食料雑貨商だったため、「イタリアン・ウェアハウス」と呼ばれ、地域の人々から愛されていました。そこではコーヒー豆などを販売していましたが、19世紀後半になりワイン・ウイスキーの販売が主力になります。
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ちなみにカティーサークは元々ゲール語で“短い袖”という意味です。「カティサーク」とは、19世紀後半に中国からイギリスに紅茶を運んでいた船の名前です。この時代は、ティークリッパーという大型の船が多く存在していた時代でした。カティーサークもティークリッパーの一つとして活躍をしていました。
さまざまな大型帆船が港を行き来する中、カティサーク号は特に最速の船と知られており、「海の女王」と呼ばれることもありました。しかし、時が経ってティークリッパーの時代が終わると、1895年にカティサーク号もポルトガルへ売却されてしまいます。それから何年も経って1922年にカティサーク号はイギリスに買い戻されることになりました。
地元ではカティサーク号が帰ってくるととても話題になったそうです。地元へカティーサーク号が帰り、テムズ川で停泊しているタイミングに合わせ、B.B.R社は自社のブレンデッドウイスキーを「カティサーク」と名付けて販売したのです。
カティサークが世界的なボトルになったきっかけの1つが1920年代のアメリカ禁酒法時代にあります。
B.B.R社は、アメリカの市場を徹底的に調査して、アメリカ市場で人気のあるライトなテイストにカティサークを仕上げました。アメリカ市場向けに仕立てたカティサークをを密輸したことで、有名なのがウィリアム・マッコイという船長です。「マッコイが持ち込むウイスキーは、本物のスコッチの味がする」と評判になり、「リアル・マッコイ」という相性で呼ばれていました。
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こうした経緯もあり、カティサークは世界中で愛されていきました。
2010年にナルトマッカランやハイランドパークを経営しているエドリントングループの傘下に入り、2018年にはフランスの大手メーカーであるラ・マルティニケーズ・バーディネが権利を獲得して現在に至ります。
カティサークの製法の特徴
カティサークは、スペイサイドのグレンロセス蒸留所の原酒をメインに作られていますが、ラインナップによっては以下のようなウイスキーもキーモルトとして使われています。
- マッカラン
- ハイランドパーク
- ブナハーブン
- グレングラッサ
- タムドゥー
このように最高級と称されるモルト原酒を組み合わせて作られていることで、カティサーク特有の華やかでリッチな味わいを作り出していると言われています。
ちなみに今のカティサークという名前は、ウイスキーの名前を決めるために開催された会に参加していたジェームス・マクベイ氏のアイデアで決まったものです。ジェームス・マクベイ氏はもともと画家だったため、ボトルデザインも彼が担当しました。
しかし、今ではカティサークのイメージカラーとも言える山吹色は偶然が重なってできたものでした。ラベルに色をつける配色屋が誤って作ってしまった色で、もともと指定していた配色とは違う色で出来上がってきたのです。その配色がとてもよかったため、そのままカティサークのラベルの色となりました。
まとめ
今回はカティーサークについてまとめました。筆者も昔は村上春樹の小説を読んでいたため、ウイスキーを好きになる前からカティーサークは知っていました。大人になったら飲みたいなと思っていた銘柄の一つです。
村上春樹の小説「1Q84」では、登場人物の青豆雅美はバーで隣で座った男に対して、”凝ったシングルモルト”を選ばず、カティーサークを選んだことで好感を持ちます。いろんなシングルモルトを知っているものの、その知識をひけらかすことはなく、あえてカティサークを選ぶような余裕のある態度に惹かれるんですかね。村上春樹の世界観がとてもよく現れているシーンだと感じます。(余談ですが、だからハルキストは男性が多いんでしょうね。)
ボトルの帆船のデザインもレトロで良い雰囲気です。こういった歴史感じられるボトルは今後もずっとそのままで合ってほしいですね。
村上春樹もおそらく愛飲していると思われるカティサーク、是非1本買って飲んでみてくださいね!
よかったら他の銘柄についても読んでみてください!