I.W.ハーパーは、アメリカのケンタッキー州で作られるバーボンウイスキーです。
日本で飲まれているバーボンの中でもかなり人気の高いウイスキーです。
それでは、I.W.ハーパーを詳しく紹介していきます。I.W.ハーパーのことを深く知りたい人や・I.W.ハーパーを今まさに頼もうか買おうか迷っている人の参考になるような情報を提供していきます!
- I.W.ハーパーはアメリカ・ケンタッキー州で生産されているバーボンウイスキーで、甘い味わいを特徴とする
- 品質の良いバーボンであることで評価され、博覧会で5つのゴールドメダルを獲得。
- アメリカの禁酒法によって、蒸溜所が閉められていく中、医薬品としての許可をもらい、製造・販売を続けた数少ないメーカーのひとつでもある。
- 原料のほとんどをトウモロコシとしていることから癖が少なく、スチルにも工夫があり、マイルドな味わいに。熟成庫をレンガ造りにすることで、一年中生産可能な体制となっている。
I.W.ハーパーはこんな時に買う・注文すべき
I.W.ハーパーのことを知りたいと思い、この記事を読んで頂いてる皆さん。結局、ボトルを買うべきか、今飲むべきかで迷っていると言う方も多いかと思います。
そんな方の決断をサポートするために、場面ごとに買うべきか・注文すべきかpeatyなりの見解を示したいと思います!代表的なラインナップについて、記載させていただきます!
味わいとラインナップ
I.W.ハーパーは、バナナやハチミツなどの甘い味わいが特徴のボトルです。
- I.W.ハーパー ゴールドメダル
- I.W.ハーパー 12年
- I.W.ハーパー 15年
- I.W.ハーパー 101
- I.W.ハーパー プレジデントリザーブ
I.W.ハーパーのラインナップとラインナップごとに細かくその特徴を見ていきます。
I.W.ハーパー ゴールドメダル
I.W.ハーパー ゴールドメダルは、I.W.ハーパーのスタンダード品です。
香りはマロン、メロン、バニラ、カルメ焼きなどの香り、口あたりはライトでキャラメルの風味やまろやかな甘さを楽しめます。フィニッシュは甘さやカラメル感が長めに続きます。
おすすめの飲み方はロックです。加水しても風味が崩れることなく楽しめるため、いろいろな飲み方ができます。スーパーでも気軽に手に入れられるため、自宅に一本置いておくのもおすすめです。
I.W.ハーパー 12年
I.W.ハーパー 12年は、12年以上熟成させた原酒を使って作られているウイスキーです。
メープル、オーク、完熟したフルーツなどの香りで口に含むとメープルやキャラメルなどの甘さを楽しめます。フィニッシュもオークやイチゴジャムのような風味を感じられます。
コスパがよくウイスキー愛好家からも人気のあるボトルでしたが、2022年6月に終売してしまっています。しかし、まだ販売している店舗があったり、バーでは飲むことができたりするため、気になる方はぜひ今のうちに飲んでおきましょう。
I.W.ハーパー 15年
I.W.ハーパー 15年は、15年熟成した原酒を利用したいるラインナップです。一般的に、バーボンの中では熟成年数12年はかなり長期熟成です。この銘柄は、12年を超える熟成をしているため、とても珍しいバーボンです。
香りは、イチゴジャムやバニラのような香りでアルコールの刺激はほぼあリません。口に含むと完熟バナナ、イチゴジャムなどのフルーティーな風味でフィニッシュはオークの余韻が長く深く続きます。
おすすめの飲み方はストレートです。リッチで複雑な風味をダイレクトに堪能できます。お店でも見かけることが少なくなっているため、気になる方はバーで探してみてください。
I.W.ハーパー 101
I.W.ハーパー 101は、日本向けに発売されたボトルです。アルコール度数が50%と他のラインナップに比べて高めで作られている点がポイントです。8〜10年熟成した原酒を使って作られています。
ダークベリー、メロンなどのフルーティーな香りで口に含むとイチゴジャムや穀物の風味などリッチな味わいを楽しめます。
ロックで変化を楽しみながら飲むのがおすすめです。2004年に生産が終了してしまっているため、インターネットでは高値で販売されている時もあります。
I.W.ハーパー プレジデントリザーブ
I.W.ハーパー プレジデントリザーブは、1989年にリリースされた限定ボトルです。1989年はバーボン誕生と米国の初代大統領就任から200周年を記念してリリースされました。そのため、箱にも大統領をイメージする白頭鷲が描かれており、見た目も高級感のある仕上がりになっています。
香りは、バニラ、カスタード、完熟バナナ、メロンなどのリッチで豊かな香りです。口に含むと完熟したフルーティーやメープルの風味を感じられます。
おすすめの飲み方は、ストレートです。こちらもあまり見かけることがないためバーに置いてあったらぜひ試してみてください。
I.W.ハーパーの歴史
I.W.ハーパーはアメリカのケンタッキー州でアイザック・ウォルフ・バーンハイムにより作られました。
1848年にドイツに生まれたアイザックは、なんと13歳から商社で働き、商品の販売から経営の方法まで幅広く学びました。その後、19歳になるとアメリカへ渡り、ペンシルバニアで行商人として働き始め、さらにそこからケンタッキー州へ移動しました。
このケンタッキー州への移動が大きな転機となります。まずは酒類卸売業で見習いとして働き、酒類業界の経営ノウハウを学びました。そして弟のバーナードと共にケンタッキー州のパドゥーカというところで「バーンハイム商会」を創業し、バーボンの卸売業者として独立。
当時は、蒸留所を持っていなかったため、熟成用の樽の販売を中心に生計を立てていました。
1877年にI.W.ハーパーの原点ともいえる商品もリリースしました。
ちなみにI.W.ハーパーというのは、アイザック・ウォルフ・バーンハイムのイニシャルのI.W.と親友であるフランク・ハーパーのハーパーからつけられました。当時、創業者の名前をウイスキーにつけることが一般的でした。しかしながら、アイザックは、「I.Wバーンハイム」という響きが気に入らず、親友に捧げると言う形で、「I.W.ハーパー」と名づけました。
1885年にはニューオリンズの万国博覧会で金賞を受賞し、世界から注目を浴びるようになります。当時は、粗悪なバーボンが多く、品質を担保しているバーボンはとても珍しかったこともあり、注目を浴びました。
その後も経営がうまく身を結んだため、1888年に本社を現在と同じケンタッキー州のルイヴィル移転させたタイミングで、蒸溜から販売までを自社でできるようになりました。1915年までに、多くの博覧会に出店し、5つのゴールドメダルを獲得します。この時、獲得したゴールドメダルにあやかって、スタンダード品はゴールドメダルと名付けられています。(以下のようにボトルでも5つのメダルが書いてありますね。)
また、1920年〜1933年の禁酒法で多くの蒸溜所が閉鎖していった中、国から特別に許可をもらっていたことからI.W.ハーパーは医薬品として販売を続けたのです。
1949年にはクリスタルデカンター入りのI.W.ハーパーをリリースするなど新しいアイデアを次々と形にしていき、今でも世界中にファンがいるブランドになりました。
ちなみにI.W.ハーパーのマスコット的な存在であるシルクハットのキャラクターは、1950年代に追加で作られたものです。これはI.W.ハーパーに対して都会的で洗練されたイメージを伝えるために作られました。
1961年にはI.W.ハーパー12年をリリース。バーボンは基本的に長期熟成のものが少ないため、これをきっかけにさらに確固たる地位を築き上げました。
1996年に、バーンハイム蒸留所は落雷を受けて破損します。しかしその後、建て替えが行われ、現在のヘブンヒル蒸留所が誕生します。
I.W.ハーパーの製法の特徴
基本的にはバーボンの熟成年数は6年ほどがベストといわれている中、I.W.ハーパーは最長で15年熟成のボトルを作っています。
バーボンは、本来長く熟成させすぎてしまうとクセが強くなってしまうという懸念があります。しかしながら、I.W.ハーパーは原料の86%が癖の少ないトウモロコシのためまろやかで飲みやすい味わいを作り出すことができます。。また、トウモロコシ以外の原料では大麦8%とライ麦6%を使用しています。
蒸溜に使うスチルはステンレスと銅で造られたコラムスチルです。コラムスチルで蒸留した後はサンパーというスチルに移動してさらに蒸留します。これをすることでさらにマイルドな味わいになっています。
また、1881年以降使い続けているレンガで作られた熟成庫もポイントです。
レンガで作られた熟成庫は一定の気温をたもちやすくなるため、季節に左右されずにじっくり熟成ができます。
まとめ
今回はI.W.ハーパーについてまとめました!ツイートしました内容の答え合わせは「薬用ウイスキーとして販売を許可されていた」でした。
アメリカでも数少ない蒸溜所のみですが、禁酒法下でも「●●用ウイスキーとして販売を許可されていた」のです!https://t.co/UerJeZs858
— Peaty【ウイスキー情報サイト】 (@Peaty__Whisky) January 24, 2023
(記事中に答えがあります。まとめ欄にも書いてありますので、時間ない人は目次内からまとめまで飛んでください!)
個人的にはシルクハットのキャラクターが、ジョニー・ウォーカーと被ってるなと思ってしまいました笑。ウイスキーに高級なイメージを持たせ、上流階級に売り込みたいという意図を感じます。こだわりをもって作っている分、少し高級で、特別な人が特別な日に飲むイメージをつけたかったのでしょう。今もハイクラスなものはありますが、飲みやすいラインも増えてありがたい時代ですね笑。
話はそれましたが、ハーパーも是非飲んでみてくださいね!
他のウイスキーについてもまとめてますので、是非読んでみてください!