ザ・グレンリベットは、スコットランドのスペイサイド地方で作られるシングルモルトです。
バニラや柑橘系のフルーティーな香りに癖が少なくバランスの取れた味わいが特徴です。
ザ・グレンリベットとしてシングルモルトで販売していますが、シーバス・リーガルなどのブレンデッドウイスキーのキーモルトとしても知られています。
それでは、ザ・グレンリベットを詳しく紹介していきます。ザ・グレンリベットのことを深く知りたい人やザ・グレンリベットを今まさに頼もうか買おうか迷っている人の参考になるような情報を提供していきます!
- ザ・グレンリベットは、スコットランドで作られているシングルモルトウイスキー
- フルーティーな香りと甘さを持ち、初心者にも飲みやすい
- スペイサイド地方で盛んだった密造酒作りからのスタートだったが、のちに初の政府公認蒸溜所になる
- 増産体制の強化によって、多くの種類を生産・販売している
- 2024年2月、50年熟成のウイスキーの販売を行うと発表。この販売には、NFTとAIが活用される。
味わいとラインナップ
ザ・グレンリベットは、ノンピートでフルーティーな香りと甘さが飲みやすく初心者にもおすすめのウイスキーです。
ラインナップは以下のようなものがあります。
- ザ・グレンリベット12年
- ザ・グレンリベット15年 フレンチ・オークリザーブ
- ザ・グレンリベット18年
- ザ・グレンリベット アーカイブ21年
- ザ・グレンリベット25年
- ザ・グレンリベット ファウンターズリザーブ
- ザ・グレンリベット コード
- ザ・グレンリベット マスターディスティラーズリザーブ
- ザ・グレンリベット キャプテンズリザーブ
- ザ・グレンリベット 14年 コニャックカスク・セレクション
- ザ・グレンリベット トリプルカスクマチュア―ド ディスティラーズリザーブ
- ザ・グレンリベット ナデューラ オロロソ
- ザ・グレンリベット ナデューラ ピーテッド
それぞれ詳しく解説していきます。
ザ・グレンリベット12年
ザ・グレンリベット12年はザ・グレンリベットのラインナップの中のスタンダード品です。
アメリカンオーク・バーボン樽で12年以上熟成した原酒からできており、絶妙なバランスを作り出しているのが特徴です。
お花や青リンゴのようなフルーティーで華やかな香りと甘い口当たり、フィニッシュはレモンのような爽やかな香りが続きます。
なめらかで飲みやすいため、万人受けする味わいでシングルモルト初心者にもおすすめのボトルです。
バランスの良いウイスキーでどんな料理とも相性が良く、ハイボールやロックで食中酒として楽しむのがおすすめです。
ザ・グレンリベット15年 フレンチ・オークリザーブ
ザ・グレンリベット15年 フレンチ・オークリザーブは、アメリカンオークのバーボン樽とヨーロピアンオークのシェリー樽で15年以上熟成させたウイスキーを、さらにフレンチ・オークの新樽で後熟させたボトルです。
フルーティーさにシェリー樽由来の熟したフルーツ感やフレンチ・オークの新樽由来のスパイシーさも追加されています。余韻はナッティでまろやかなのも特徴的です。
非常に入手困難なボトルのため、バーなどで見かけたらぜひストレートで飲んでみてください。さまざまな味わいや風味を楽しめますよ。
ザ・グレンリベット18年
ファーストフィルのアメリカンオーク・バーボン樽とセカンドフィルのアメリカンオーク・バーボン樽、ヨーロピアンオークのシェリー樽の3つの樽で18年以上熟成させた原酒を使ったボトルです。
18年という長期熟成をしているため、樽由来の香りや風味が強く、最初にフルーティーな香りや香ばしい香りを楽しめます。口に含むとオレンジピールのような味わいや甘さも感じられます。
フィニッシュは、スパイシー感がやや強く出てきて長い余韻を楽しめるでしょう。
飲んでいるうちに変わりゆく香りや味わいを楽しんでいただくため、ストレートで飲むのがおすすめです。
ザ・グレンリベット アーカイブ21年
アメリカンオークのバーボン樽、ヨーロピアンオークのシェリー樽で21年以上熟成させた原酒を使った銘柄です。
21年もの長期熟成からくる上品なウッディさやシェリー樽由来のドライフルーツのような味わいを楽しめます。フィニッシュはナッツやトフィーを長く感じさせます。
製造数も少なく希少な銘柄ですので、ストレートやロックで飲むのがおすすめです。
ザ・グレンリベット25年
ヨーロピアンオークのオロロソ・シェリー樽で25年以上熟成させた原酒を使っている銘柄です。
ザ・グレンリベットはアメリカンオークのバーボン樽を多く使いますが、こちらはヨーロピアンオークのみを使用しているため、同じザ・グレンリベットでも他のラインナップとはまた違った味わいを楽しめます。
カカオやレーズンのような香りになめらかで上品な甘みや少しだけスパイシーさも感じられます。フィニッシュは、長期熟成からくるウッディな余韻が続きます。
かなり贅沢で上品なボトルですので、こちらもストレートで味わいを楽しむのがおすすめです。
ザ・グレンリベット ファウンダーズリザーブ
創業者のジョージ・スミスが思い描いていた理想のウイスキーを現代に復活させたもので、パッケージにもジョージのサインが入っている高級感あるボトルです。
アメリカンオーク・バーボン樽、ファーストフィルのアメリカンオーク・バーボン樽の2つの樽で熟成させた原酒を使っています。
まったりとした強い甘みやバニラの香りにフルーティーさもありなめらかでバランスの良い銘柄です。
甘さがしっかりしているのでデザートの代わりに食後にゆっくり飲むのがおすすめです。
飲みやすいうえに、スーパーや量販店で見つけやすいのでウイスキー初心者の方も楽しめます。
ザ・グレンリベット コード
ザ・グレンリベット コードは2013年以降に販売されていたミステリーボトルシリーズの第三弾として2018年6月18日に発売されたボトルです。国内で2,380本限定という数量限定で発売されたことや、発売当初は製造方法などが明かされず謎に包まれたボトルだったため、話題となりました。
後にファーストフィルのカナディアン・ライウイスキーの樽でフィニッシュされたウイスキーと公表されています。
焼きリンゴやシナモンなどのフルーティーで甘い香りに華やかなフローラルの香り、味わいはミントや洋ナシやパイナップルのような甘さを楽しめます。最後までフルーティーで爽快な余韻が長く続きます。
ストレートでそのままの味を楽しむのがおすすめです!
ザ・グレンリベット マスターディスティラーズリザーブ
ザ・グレンリベット マスターディスティラーズリザーブは、免税店向けに限定でリリースされているボトルで、最低12年以上熟成された原酒を使って作られています。
特徴は、ヨーロピアンオーク・バット、ファーストフィルのアメリカンオークバレル、リフィルのアメリカンオークホグスヘッドの3種類の樽を使用して熟成されている点です。
ドライフルーツのような香りやスパイシーな香りなど、深みと複雑さを感じられます。味わいは、フルーティーな洋ナシやスパイス感をなめらかに感じられます。
複雑な味わいを堪能するには、やはりこちらもストレートかロックがおすすめです。
ザ・グレンリベット キャプテンズリザーブ
ザ・グレンリベット キャプテンズリザーブは、創業者ジョージ・スミスのひ孫であるウイリアム・スミス・グラントの功績を讃えて作られたボトルです。
ウィリアム・スミス・グラントは、第一次世界大戦中には、キャプテンとも呼ばれるほど多くの人に愛されていました、そしてウイスキー製造では、ウイスキー業界が困難に陥っても努力を積み重ねて、ザ・グレンリベット蒸溜所を後世に残しました。
厳選された原酒をコニャックカスクフィニッシュで作っており、レーズンやはちみつ、スパイシーな香りやフルーティーな香りが感じられます。味わいはレーズンチョコやマンダリンのような甘さやフルーティーさも楽しめます。
ザ・グレンリベット 14年 コニャックカスク・セレクション
ザ・グレンリベット 14年 コニャックカスク・セレクションは、コニャックの熟成に使用した樽でブレンドの一部をフィニッシュさせている珍しいボトルです。日本では2021年11月に発売されました。
バーボン樽とシェリー樽で14年以上熟成させた原酒がベースで、その中の一部をコニャックの熟成に使用した樽でさらに6ヶ月以上寝かせています。
甘くフルーティーな香りとほんのりスパイスの香り、味わいは熟した桃や洋ナシ、レーズンチョコレートのような甘さを感じられます。フィニッシュはしっかりとした甘さが長くなめらかに続きます。
ザ・グレンリベット トリプルカスクマチュア―ド ディスティラーズリザーブ
ザ・グレンリベット トリプルカスクマチュア―ド ディスティラーズリザーブは、トラディショナル(ヨーロピアン)オーク樽、ファーストフィルのアメリカンホワイトオーク樽、シェリー樽の3つで熟成させた原酒を使って作られたボトルです。
「ザ・グレンリベット マスターディスティラーズリザーブ」の後継として発売されており、海外の空港免税店で購入ができます。
洋ナシや青リンゴのような華やかでフルーティーな香りに、バニラや青リンゴ、はちみつなどの甘い味わい、そしてオレンジやアーモンドなどのビターな味わいも感じられます。
ザ・グレンリベット ナデューラ オロロソ
スペインのファーストフィルのオロロソシェリー樽で熟成した原酒を使っているボトルです。アルコール度数60.7%でカスクストレングスのウイスキーです。
ザ・グレンリベット特有の甘さやフルーティーさ、そこにオロロソシェリー樽を使ったことによるシナモンなどのスパイシーさも感じられます。
ザ・グレンリベット ナデューラ ピーテッド
ザ・グレンリベット ナデューラ ピーテッドは、アイラ系のウイスキーを熟成させた樽を使って後熟させたボトルです。アイラ系のウイスキーはピート香が強く、香りや風味に影響を与えています。
焼きリンゴやバニラの甘みにフルーティーさも感じられますが、そこにスモーキーな余韻も感じられる複雑な味わいを楽しめます。
ザ・グレンリベットの中でも少し変わった味わいを楽しみたいという方におすすめです。
ザ・グレンリベットはこんな時に買う・注文すべき
ザ・グレンリベットのことを知りたいと思い、この記事を読んでいただいてる皆さん。結局、ボトルを買うべきか、今飲むべきかで迷っているという方も多いかと思います。
そんな方の決断をサポートするために、場面ごとに買うべきか・注文すべきかpeatyなりの見解を示したいと思います!代表的なラインナップについて、記載させていただきます!
ザ・グレンリベットの歴史
それでは、ザ・グレンリベットの歴史について解説していきます。
1707年にウイスキーが増税され、ウイスキーの密蔵業者が数え切れないほど存在していた当時のスコットランド。
特にスペイサイドのグレンリベット(ゲール語で静かな谷という意味)という地域は、ウイスキー作りに適していた環境であったこともあり、密造酒作りが盛んでした。
そのため、農夫であったアンドリュー・スミスも農業の傍らウイスキーの蒸留に取り組んでいました。
そして、1817年に息子であるジョージ・スミスがウイスキーづくりの才能を開花させ、有名に。
その話を聞いた国王ジョージ四世が、密造酒であるジョージのウイスキーを絶賛したのです。
そして1823年、酒税法が改正されるとともに新蒸留所法が施行され、いち早く国の基準を満たしたザ・グレンリベットの蒸留所が、初の政府公認を受け、「政府公認蒸留所」になりました。
ちなみに名前の前に「ザ」がついているのには理由があります。
品質が高く評判の良かったグレンリベットを真似しようと、グレンリベットという名前の蒸留所が増えてしまったため、本物の証として名前の前に「ザ」をつけるようになったのです。
それだけ、当時ジョージが作ったウイスキーの評判が良かったということなのでしょう。
政府からの公認を得たあと、ジョージ・スミスは新しく1824年に最初のグレンリベット蒸留所を設立しました。質の高いウイスキーの評判はすぐに広まり、2つの蒸留所を作ったにもかかわらず需要が追いつかなかったことや蒸留所の経費がかかりすぎてしまうことを鑑みて、1859年にもさらに新しい蒸留所を作りました。
1871年にジョージ・スミスが亡くなり、息子のゴードンがあとを継ぎました。その後も長きにわたり、スミス家で管理していましたが、1978年にカナダのシーグラム社によって買収され、さらに2001年にはペルノ・リカール社によって買収されています。
近年の動きとしては、2009年からはポットスチルを増設し、さらなる増産体制を築いています。この体制づくりが功を奏し、新しいラインナップを次々とリリースし、人気を誇っています。
2024年には、50年熟成の販売のために、NFT(非代替性トークン)とAIを活用することを発表しました。ボトル1本1本に対して、本物がどうか、また誰が所有しているものなのかを証明する「デジタル証明書」が発行されるそうです。
ザ・グレンリベットの製法の特徴
次にザ・グレンリベットの製法の特徴を解説していきます!
水へのこだわり
ザ・グレンリベットの製法で1番有名なのが、水へのこだわりです。
スペイ川の水を使っているのかと思いきや、ザ・グレンリベットはなんと蒸留所内にあるジョシーズ・ウェルの泉(別名ジョシーの泉)を使用しているのです。
この水はミネラル分が豊富な硬水で、水温の上下も少なくウイスキーにぴったりの水です。
蒸留所ができた当初から変わりなく湧き出ており、この水へのこだわりがザ・グレンリベットのフルーティーな風味を作り出しています。
ちなみにウイスキーによく使われるのは軟水ですが、土地に合う硬水を選ぶことで酵母が育ちやすくなり、ザ・グレンリベットの爽やかな香りを生み出しているといわれています。
ポットスチル
ザ・グレンリベットで使っているポットスチルは、昔ながらの単式蒸留器でランタン型のものです。
このポットスチルの形もザ・グレンリベットのすっきりとした味わいを作り出す一因となっています。
熟成樽
熟成樽は、アメリカンオークのバーボン樽をメインとして使っていますが、場合によってはヨーロピアンオークのシェリー樽やポート樽などを使用することもあります。
ノンピート
ザ・グレンリベットはノンピートのウイスキーとしても有名。
大麦は、大麦はマレーのポートゴードン村にあるクリスプ・モルトハウスのものを使用し、ノンピートで作り上げています。
ノンピートなので煙さが少なく、スルスルと飲みやすいウイスキーに仕上がっています。重めなのが好きな人には物足りないかもしれませんね。
まとめ
スコッチウイスキーのひとつ、ザ・グレンリベットについてまとめました。スペイサイドで作られる名作ウイスキーのうちの1つです。私もつい先日飲み切ったところなんです。とても美味しく、飲みやすいウイスキーなのでぜひ皆さんお試しください!
ウイスキー好きな方はぜひ他の記事も読んでみてくださいね!