カリラは、スコットランドのアイラ島で作られるシングルモルトウイスキーです。
それでは、カリラを詳しく紹介していきます。カリラのことを深く知りたい人や、カリラを今まさに頼もうか買おうか迷っている人の参考になるような情報を提供していきます!
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POINT
- カリラは「ウイスキーの聖地」こと、スコットランドのアイラ島にて作られるウイスキー
- ジョニーウォーカーのキーモルトとしても使われており、アイラ島の中で一番の製造料を誇るウイスキー
- アイラらしいしっかりとしたスモーキーな香りと、ヨード香(薬っぽい香)を楽しめるウイスキー
- 現在はディアジオ社に保有されています
カリラはこんな時に買う・注文すべき
カリラのことを知りたいと思い、この記事を読んで頂いてる皆さん。結局、ボトルを買うべきか、今飲むべきかで迷っていると言う方も多いかと思います。
そんな方の決断をサポートするために、場面ごとに買うべきか・注文すべきかpeatyなりの見解を示したいと思います!代表的なラインナップについて、記載させていただきます!
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味わいとラインナップ
カリラは、スコットランドのアイラ島で造られるシングルモルトウイスキー。
アイラ島は「ウイスキーの聖地」と呼ばれており、アイラ島のウイスキーはスモーキーでフルーティーな風味があることが特徴です。
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アイラウイスキーは個性的なアイテムも多いですが、カリラはバランスの良い味わいなので、比較的飲みやすいアイテムです。
じつはもともと、ジョニーウォーカーなどの原酒として使われていたカリラですが、最近はシングルモルトウイスキーとして注目を集めています。
それでは各ラインナップごとに細かくその特徴を紹介していきましょう。
・カリラ 12年
・カリラ 15年
・カリラ 18年
・カリラ 25年
・カリラ モッホ
・カリラ カスクストレングス
・カリラ ディスティラーズエディション
・カリラ 10年 アイラフェス2018
・カリラ15年アンピーテッド
・カリラ17年アンピーテッド
・チーフタンズ カリラ 14年 2004
カリラ 12年
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カリラ 12年はカリラの中で最もスタンダードなアイテム。
ヨード香とフルーティーな風味のバランスが良く、飲みやすいのでアイラモルトの入門編としてもおすすめです。
ベリーやレモン、ややスモーキーな香りが特徴。
オイリーな口当たりで、やや薬品のような風味と、ハチミツやハーブのような味わいです。
ストレートやロック、水割り、ハイボールとどんな飲み方にも合う汎用性も魅力。
カリラ 15年
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リフィルのアメリカンオーク樽と、ヨーロピアンオークバット樽で熟成させた原酒を使ったカリラ 15年。
青りんごやトフィー、苺やキャラメルのような甘いアロマがやさしく香ります。
ハチミツやバニラ、シトラスのような香り、干し草やスパイスのような味わいが特徴です。
加水するとより芳醇な味わいを楽しめるので、水割りにするのがおすすめ。
フルーティーさと塩気が調和したバランスの良い味わいを楽しめます。
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カリラ 18年
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カリラらしい特徴をしっかり楽しめるカリラ 18年。
以前は定番商品として販売されていましたが、現在は年に1回数量限定で販売されるレアなアイテムとなっています。
焚火やベリー、バニラの香り、バタースコッチやオークのスパイシーな味わいが特徴。
あまり流通していないので、バーなどで出会えたらロックでじっくり楽しみましょう。
カリラ 25年
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2010年9月に14,000本の限定商品として発売されたカリラ 25年。
カリラらしいスモーキーな香りはありますが、ヨード香は少なく、上品な印象です。
甘草やバニラ、刈ったばかりの草の香り、キャラメルや魚介のダシのような味わいが特徴。
ロックで飲むと、味の変化を楽しめます。
カリラ モッホ
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カリラ モッホの「モッホ」はゲール語で「夜明け」を意味します。
この言葉が使われている理由は、熟成期間約8年の通常より若い原酒を使用しているから。そのため、スタンダードなカリラ 12年より軽い仕上がりになっています。
ピートやレモンの香り、グレープフルーツや魚の燻製のような味わいが特徴です。
レモンを絞ったハイボールで飲むのがおすすめ。
カリラ カスクストレングス
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樽出しの原酒をそのままボトリングしたカリラ カスクストレングス。(カスクストレングスとは)
カリラ らしい力強いピートやスモーキーさをしっかり感じられます。
バニラやナッツの香り、焚火や軽やかな花のような味わいが特徴。
個性的なので、アイラモルトが好きな方におすすめです。
カリラ ディスティラーズエディション
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バーボン樽で熟成させた原酒を、モスカクテルシェリー樽で追熟させたカリラ ディスティラーズエディション。
カシスやバニラ、ナッツの香りが特徴。
ドライフルーツやビターチョコ、梅のような味わいです。
クリーミーな口あたりなので、ウイスキー初心者も飲みやすいアイテムでしょう。
ロックで、週末のゆったりとした時間に楽しむのがおすすめです。
カリラ 10年 アイラフェス2018
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アイラ島で毎年開催されている「アイラフェス」に合わせて造られたカリラ 10年 アイラフェス2018。
ピートや麦芽、アプリコットジャム、バニラのような香りが特徴。
スパイスやナッツ、潮風、焚火のような味わいです。
フェス用に造られたアイテムなので、ハイボールなどで、仲間と一緒に楽しむ日にもぴったり。
カリラ15年アンピーテッド
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年に1回、1バッチのみボトリングされるカリラ15年アンピーテッド。
リフィル・アメリカンオークホグスヘッドとリフィル・ヨーロピアンオークバットの原酒を使用していて、2000年から熟成されています。
干し草やハチミツの香りが特徴、ハーブやレモンのような味わいです。
加水して飲むのがおすすめ。
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カリラ17年アンピーテッド
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カリラ17年アンピーテッドも年に1回、1バッチのみボトリングされるアイテム。
長期熟成されていて、カリラらしい味わいをしっかり楽しめます。
青りんごや刈った草のような香り、メロン果汁やハチミツのような味わいが特徴。
昆布のような風味も感じます。
旨みが凝縮された飲み口なので、週末の夜にゆったり過ごす時などに、お供としておすすめです。
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チーフタンズ カリラ 14年 2004
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オフィシャルリリースではないアイテムですが、紹介させていただきます。
ブレンダー兼瓶詰業者であるイアン・マクロード社のオリジナルシリーズであるチーフタンズ カリラ 14年 2004。
これは、いわゆるボトラーズというものです。
ボトラーズとは独立瓶詰業者が蒸留所から原酒を買い取り、独自に瓶詰めすることを指し、カリラにはボトラーズのアイテムがたくさんあります。
チーフタンズ カリラ 14年 2004もそのひとつで、ピートスモークや塩素、ライムのような香りが特徴。
ピーテッド麦芽の甘味と果実の酸味を感じる味わいで、ヨーロッパで人気のアイテムです。
少々値が張るので、バーなどでじっくり楽しむのにぴったりでしょう。
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カリラ の歴史
カリラ蒸留所は、アイラ島のポートアスケイグ港から北に約1kmの場所に位置します。
蒸留所の窓からはアイラ海峡を眺められ、向かいにはジュラ島、という海に囲まれた立地が特徴。
歴史の長い蒸留所ですが、シングルモルトウイスキーとして注目され始めたのは、じつは最近のことです。
それまで、どんな歴史があったのでしょうか。
閉鎖や再稼働を繰り返したカリラ
カリラ蒸溜所は、1846年にローランドのリトルミル蒸留所の経営者だったヘクター・ヘンダーソンが設立。
財政難を理由に買収を繰り返し、DCL社(Distillers Company Limited)が所有していましたが、第二次世界大戦の影響で創業が停止されました。
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再稼働後の1970年代には蒸留所を大改装し、ホットスチルを6基に増設、アイラ島内で最大規模を誇る蒸留所となったのです。
そして、1986年にギネス社に買収され、1997年にはギネス社とグランド・メトロポリタン社が合併したディアジオ社の傘下となりました。ちなみにディアジオ社は、ジョニーウォーカーを生産しています。
その後、現在に至るまでカリラ蒸溜所はディアジオ社が所有しています。
ブランドとしての「カリラ」の誕生
カリラ蒸溜所の歴史は長いものの、製造されたウイスキーはブレンデッド用の原酒として使用されていたので、シングルモルトウイスキーとしては販売されていませんでした。
しかし、2002年に「ヒドゥン・モルト・シリーズ」と銘打って12年・18年・カスクストレングスの3種類を発売したことが大きな転機となります。
発売当時、アイラウイスキーが世界的なブームとなっていたこともあり、大人気となったのです。
その後、カリラ蒸溜所は設備投資を進め、生産量を10年で約2倍に増やしました。
そして現在、カリラ蒸溜所はアイラ島で稼働中の9つの蒸留所の中で最大の生産能力を誇る蒸留所になっています。その理由は、前述のとおりカリラ蒸溜所がブレンデッド用にたくさんのウイスキーを造っているからです。
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カリラ蒸溜所のオーナーであるディアジオ社は世界中で流通しているジョニー・ウォーカーやホワイトホースなどを製造していることからも、たくさんのウイスキーが必要な理由がわかるでしょう。
カリラの製法の特徴
カリラは、ディアジオ社が製造するブレンデッドウイスキーの原酒として使用されることも多いため、多くの生産量を賄える設備で製造されています。
海の近くで造られたことを感じられるカリラの味わいは、その製法に秘密が。
ここからは、カリラ の製法の特徴を紹介します。
ポートエレンの麦芽を使用
伝統的なフロアモルティングはカリラでは行わず、ポートエレンで収穫された麦芽を使用しています。
ポートエレンとは、1973年にディアジオ社が作った製麦工場。
カリラだけでなく、ラガヴーリンやラフロイグ、アードベッグなどにピート麦芽を供給しています。ちなみに、ポートエレン自体も元々蒸留所です。ポートエレンのウイスキーは、伝説的な人気を誇っています。近々復活するかもしれないという話題も堪えません。
カリラのピートの度合いを示すフェノール値は約34~38ppm。
麦芽はモルトミルで粉砕されてグリスト後、糖化されます。
また、仕込水はカリラ蒸溜所の近くにあるロッホ・ナム・バン湖の湧水を使用。
この湧水はピート層を通っているので、水自体にピート感があるのが特徴です。
大規模の設備
カリラ蒸溜所の生産量は年間で650万リットル以上で、これはスコッチ業界で10番目の規模です。
そのため設備も多く、発酵槽はオレゴンパイン8基、ステンレス製2基の計10基。
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木製の発酵槽を使用することにより、甘みのあるエステル香や、乳酸菌による独自の風味を生み出しています。
また、ポットスチルは初溜3基、再溜3基の全6基です。
ポットスチルはすべてストレート型で、大きく膨らんだポットと長めのネックが特徴。
そして、スチルは蒸気による間接加熱方式で加熱されています。
1970年代に蒸留所を大改築した際、建物などをオリジナルの設計図通りに再現したので、ポットスチルも昔の複製を使用していることが特徴です。
冷却水に海水を使用
カリラ蒸溜所の最大の特徴は、海水を冷却水に使用していることです。
シングルモルトウイスキーの蒸留所の中で、海水を使用しているのはカリラ蒸溜所のみと言われています。
このことにより、カリラらしい味わいになっているのです。
グラスゴーで熟成
カリラ蒸溜所内には熟成庫がありますが、現在では、すべての原酒をスコットランド本土のグラスゴーで熟成させています。
原酒をタンクローリーでグラスゴーまで運び、樽詰め後、熟成させるという流れになっているのです。
ほとんどはバーボン樽で熟成されますが、一部はシェリー樽を使用することもあります。
ネットで蒸溜所ツアーを楽しめます!
実は以下のYouTubeでカリラの蒸溜所ツアーを楽しむことができます。よかったら合わせて見てみてください!
まとめ
アイラモルトのカリラについてまとめました!その他のアイラモルトについてもまとめておりますので、是非一緒に読んでみてください!