こんにちは。Peaty編集部です。
アイラのウイスキーはウイスキーの聖地とも呼ばれるアイラ島で造られるウイスキーで、現在まで様々な銘柄で流通しています。
皆さんはアイラのウイスキーについてどんな銘柄があるかご存知ですか?アイラモルトはスコッチウイスキーの1種で、「スモーキーさ」が特徴のウイスキーです。最も特徴だったウイスキーの1種と言っても過言ではないくらい、際立った特徴をもつウイスキーです。
そこで今回は、アイラウイスキーのおすすめの銘柄9選についてご紹介しましょう。どんな銘柄があるのか把握して飲み比べてみるのも面白いのではないでしょうか。
- アイラモルトは、スコットランドの南西ににあるアイラ島で製造されるウイスキー
- アイラモルトの特徴は、ピート由来のスモーキーな香りと、海岸沿いや島で作られるウイスキー特有の、潮風を浴びたクセの強いヨード香。
- アイラモルトは様々なブレンデッドウイスキーのキーモルトとして使われている。独特の味わいが多くのウイスキー愛好者に好まれている
- アイラモルトには多くの種類があるが、この記事ではおすすめを9つ紹介。クセの少ない順にならべているので、よかったら最後まで読んで下さいね!
アイラ島とは? – Islay islands –
アイラ島とはスコットランドの南西に位置する人口約3,400人の島です。イギリスの都市「グラスゴー」から飛行機で大体1時間弱くらいで行ける街です。
ウイスキーの製造がアイラ島のメインの産業となっています。アイラ島のウイスキーは、独特のスモーキーさ、クセが強いピート香で有名です。(ちなみにピートについてもまとめてます)
温暖な地域なのでアイラモルトの原料にもなっている大麦の生育に適した環境で、良質な水や島の4分の1がピートに恵まれているのが特徴です。
アイラモルトの歴史
14世紀から19世紀のアイラ島でのウイスキー造り
アイラ島のウイスキー製造最初の歴史は、14世紀にもさかのぼります。14世紀にアイルランドから1人の僧侶がウイスキー造りを伝えたと記載のある文献がいくつか残っています。
ここから記録は途絶えますが、1770年代には、アイラ島の最大地主キャンベルが地元の経済活性化の施策としてウイスキー造りに力を入れたことが記載されています。尚、現存する最古の蒸留所であるボウモアが創業したのも1779年です。
しかしながら、スコットランド全域で蒸留禁止令が1795年に出された時、キャンベルはこの指令に従い、アイラ島内の蒸留器を回収してしまいました。その後、蒸留が解禁された後もこの時のことが尾を引き、アイラ島の蒸留者たちは政府に税金を払わず密造をすることになります。
その後もしばらく密造が続きましたが、1815年のナポレオン戦争終結後に状況が変わります。スコットランド政府が密造の取り締まりを強化したのです。
これにより、1820年代から1830年代にかけてポートエレン蒸溜所・ラガウーリン蒸留所・ボウモア蒸溜所が次々とスコットランド本土の企業に買収されていきます。
これをきっかけに本土へアイラ島のウイスキーが広がり、1870年代から1880年代に人気の絶頂を迎えていたと言われています。
20世紀から現在までのアイラモルト~浮き沈みを繰り返す~
1920年代から30年代にかけて多くの蒸留所が閉鎖されます。これは、世界恐慌による景気悪化のあおりをうけたものです。
しかしながら、1960年から70年代にかけてブレンデッドウイスキーの人気が高まったことにより、それにつられる形でアイラ島の蒸留所も多くの投資を受けるようになります。しかし、これがさらなる悲劇を生みます。
投資により在庫過剰を生まれてしまったにもかかわらず、同時にジンなど軽めの味わいのスピリッツが世界的に流行り出してしまったのです。アイラウイスキーはまたもや危機を迎えます。
アードベッグは1981年から1989年まで完全に閉鎖され、1990年代にはほとんど投資が行われないまま低迷していました。ブナハーブンは1982年に2年間閉鎖され、ポートエレンも1983年に閉鎖され、その後取り壊されました。ブルイックラディは1995年に閉鎖され、人口が4,000人を下回った島では失業が大きな影響を及ぼしました。
しかしながら、少しずつ人気の復帰の兆しが見え始めます。マイケルジャクソンやジムマレーといった著名人がシングルモルトの魅力を謳い始めたのです。これによって、世界的なウイスキーブームが少しずつ起こり始めます。
このブームに乗り、2024年現在では在庫不足といわれるほどにアイラ島のウイスキーは人気です。また、2018年にはアードナッホー蒸留所という新たな蒸留所の創業、2024年にはポートエレン蒸溜所の復活もあり、現在は10の蒸留所が島に存在しています。
これからもアイラモルトからは目が離せないでしょう。
アイラモルトの特徴 – Islay malts –
アイラモルトはアイラ島の蒸留所で作られたウイスキーで、アイラウイスキーとも呼ばれています。アイラ島にはグレーンウイスキーを製造している蒸留所がないため、モルトウイスキーしかありません。
そんなアイラモルトの特徴は、独特のヨード臭やスモーキーさ、ピート香でしょう。海に面している島で作られているので潮の香りを感じさせるヨード臭があり、クセの強いピート香も愛好家から親しまれています。原料である大麦麦芽にピート香が染み込んでいるため、ウイスキーにもピート香の風味が感じられるようになっているのが特徴です。
また、多くのブレンデッドウイスキーのキーモルトとしても使われています。アイラモルトをブレンドすることで、味わいに深みが生まれるのです。そのため、シングルモルト好きの人はもちろん、ブレンデッドウイスキー好きのウイスキー愛好家、ウイスキー通も、みんな最終的にはアイラモルトを飲みだすといわれています。笑
代表する蒸溜所とそれぞれの特徴
ボウモア蒸溜所 – BOWMORE –
アイラ島最古の蒸溜所であるボウモア蒸溜所は、1779年、デビット・シンプソン氏によって設立されました。250年近い歴史を持つ蒸溜所でありながら、幾度もオーナーが変わってきています。1892年に、ジョセフ・ロバート・ホームズの企業に買収された際、ゲール語で「大きな岩礁」という意味の「ボウモア」に改名されました。現在はサントリーが株主となり、運営に携わっています。
ボウモア蒸溜所のウイスキー製法で特徴的なのが、「フロアモルティング」です。床の上に大麦を広げ、モルトマンの管理の元発芽させていくため手間がかかる製法ではあるものの、誇りを持って伝統を守り続けています。
ボウモアはクセの強いウイスキーが多いアイラモルトの中で飲みやすさも実現しており、アイラモルトの女王との呼び声も高いウイスキーです。
代表銘柄は、スタンダード品のボウモア12年です。バーボン樽とシェリー樽による熟成モルトをブレンドしているのが特徴で、12年間熟成させた本品からは潮の香りも感じることができます。バランスの良い味わいで飲みやすく、初めてアイラウイスキーを飲む人にもおすすめです。
ボウモアについては、下の記事でも詳しく紹介していますので、参考にしてみてください。
ラガヴーリン蒸溜所 – LAGAVULIN –
ラガヴーリン蒸溜所もまた、「アイラ島初」の冠を持つ蒸溜所。何が初めてかというと、合法蒸溜所の第1号なのです。1816年、農業経営と蒸留職人であったジョン・ジョンストンによって設立されました。何度かの所有者変更を経て、1889年所有者となったのが、ジェームズ・ローガン・マッキーです。
ジェームズ・ローガン・マッキーはホワイトホース創業者のピーター・マッキーの叔父にあたることから、ウイスキー作りの学びやキーモルトの提供など、ホワイトホース誕生にも大きな役割を果たしました。現在ではディオジオ社の傘下となっています。
製造にはポートエレン精麦所のもので、フェノール値の高いヘビリーピーテッドを使用。仕込み水にもピートが含まれているという特徴があります。木製のウォッシュバックを用いることで乳酸菌の定着を図り、さらに55時間もの長時間発酵によって、独特の香りと味わいを生み出しています。熟成が最低16年と長いことも特徴的です。
代表銘柄は、ラガヴーリン16年。アルコール度数が高いため、ゆっくりと時間をかけて楽しむのがおすすめの一品です。「正露丸」と評されるほどにヨード臭が特徴的で、初心者向けとはいえませんが、アイラモルトらしい深い味合いを感じられるでしょう。
ラガヴーリンに興味が湧いたら、こちらの記事もおすすめです。
ラフロイグ蒸溜所 – LAPHROAIG –
ラフロイグ蒸溜所は、1810年アイラ島のラフロイグ地方に移住してきたジョンストン兄弟によって設立されました。1887年買収によってハンター家に経営が移ったのち、1954年にはベッシー・ウィリアムスへと経営権が譲渡されます。これにより、ベッシー・ウィリアムスは、女性初のスコッチウイスキーのオーナーとなりました。
ベッシーによってさまざまな改革が行われ、今のラフロイグのレシピのベースを作ったのも彼女です。そのため、ラフロイグの歴史におけるベッシーの功績は素晴らしいものであったと評されています。ラフロイグの経営権はその後もさまざまな会社に移ることになり、現在の経営権はサントリー社が保有しています。
フロアモルティングの伝統を守り続けているラフロイグでは、攪拌後のモルトをヘザーやピートで乾燥させます。乾燥にかける時間は30時間にもおよび、それがラフロイグに特徴的なスモーキーさを生み出す秘訣となっているのです。
代表銘柄は、ラフロイグ10年です。
オイリーで濃厚な味わい、かつ潮っぽい後味を持つことから、ともすれば薬品のような味わいだとも揶揄されるようなラフロイグ10年。しかし、その特徴からアイラモルトらしさを存分に感じられる一品であり、ハイボールにすることで食中酒としても楽しむことができます。
ラフロイグについて気になる方は、ぜひ下の記事もご覧ください。
アードベック蒸溜所 – ARDBEG –
1815年、ジョン・マクドゥーガルが設立し始まったアードベッグ蒸溜所。しかし、その始まりは、1794年に建てられたものであったといわれています。ただし、この蒸溜所が作っていたのは密造酒であったため、廃業になってしまったのです。
1973年にハイラム・ウォーカーとDCL社に買収されるまでは、一族経営を続けていました。一度は株を取り返すことに成功しますが、経営難に陥り、1981年〜1989年、1996年と操業停止の憂き目にもあうことになります。現在は、モエ・ヘネシー社が経営権を持っています。
アードベッグには、フェノール値55ppmという高い数値のヘビリーピーテッドの麦芽を使われています。これは、ヘビリーピーテッドを使用することが多いアイラモルトの中でも特に高い数値なのです。同じく重要な原材料である仕込み水には、「黒い水」の名を持つウーダガール湖の水が使用されています。
冷却濾過をせずにボトリングする「ノンチルフィルタード」を製法として取り入れているため、原料や樽由来の香りや味わいをダイレクトに感じられることが、アードベッグ最大の特徴といえるでしょう。
アードベギャンと言われるほどの熱烈なファンが多いことでも有名な銘柄です。
代表銘柄は、アードベッグ10年です。
上でご紹介した製法の特徴もあって、ヨードやスモーキーさを強く感じる中にフルーティーさも併せ持つ一品です。好き嫌いは分かれるといわれることも多い品ですが、ウイスキー好きからの評価が高いです。
アードベッグについての詳しいことは、下記の記事からもご覧ください。
ブルックラディ蒸溜所 – BRUICHLADDICH –
ブルックラディ蒸溜所は、1881年、もともとグレーンウイスキーの蒸溜所を2ヶ所持っていたハーヴェイ家の兄妹によって設立された蒸溜所です。設立以降順調に操業を行なっていましたが、第一次世界大戦の影響で1929年から1936年の間、操業を停止してしまいます。
その後一旦操業は再開されたものの、何度も所有者が変わり、1994年には蒸溜所自体が閉鎖されてしまうのです。そんなブルックラディ蒸溜所を再び甦らせたのが、現在のマスターディスティラーであるジム・マッキュワンです。
ジムは、原料にもよりこだわりを深め、大麦を有機栽培のものに変更。ノンチルフィルタード製法を用いることで、ウイスキーそのものの味を大事にしています。通常より多い蒸留回数も特徴的です。
また、ブルックラディ蒸溜所では、アイラ島内でのウイスキー製造にこだわりがあり、原料から瓶詰まで全てをアイラ島の中で行っています。手作業での製造にもこだわり、2012年に、コアントロー社に経営権は移っていますが、伝統の製法や味は守り続けられています。
代表銘柄は、ブルックラディ・ザ・クラッシックラディとオクトモアです。
ブルックラディ・ザ・クラッシックラディは、スコットランド産大麦を100%使用し、アルコール度数が50%と高いものの、それを感じさせないほどの甘さとフルーティな味わいを持ち、クセのなさから飲みやすさを実現しています。
飲みやすさが特徴のブルックラディとは一線を画し、「世界一スモーキーなウイスキー」といわれるほどのスモーキーさと高いフェノール値を持つのが、オクトモアです。今回ご紹介している13.2は、ファーストフィルのフェルナンド・デ・カスティーリャのオロロソシェリー樽で5年熟成されたものです。
オクトモアには常設ラインナップがなく、エディションNo.で商品を名付け毎年リリースしています。「今年のオクトモアは、、、」みたいな感じで、語られます。ボジョレーヌーボーみたいですね。
オクトモアに使用される原料は、「スーパーヘビリーピーテッド」といわれる代物。製造した年の環境によって大きく味に違いが出るため、そのエディションでしか味わえない独特の味を毎回実現している、特別感たっぷりのウイスキーなのです。
ブルックラディの詳しくは、こちらで紹介しています。
オクトモアが気になる方はぜひこちらもご覧ください。
カリラ蒸溜所 – CAOLILA –
カリラ蒸溜所は、1846年にヘクター・ヘンダーソンによって設立されました。財政難から経営権がさまざまに移る最中、第二次世界大戦の影響により操業停止にまで追い込まれます。しかし、再稼働後には大規模な改装を行い、アイラ島内最大の蒸溜所へと成長を遂げます。その後ギネス社のものとなり、現在はディオジオ社傘下です。
カリラは、アイラモルトで一番生産量が多い蒸溜所なのです。さまざまなブレンデッドウイスキーに利用されていることが理由です。有名なところでは、ジョニーウォーカーのキーモルトにもなっていますよ。
キーモルトとしての役割を果たせるほど、カリラはバランスの良い味わいを持ちます。また、多くのウイスキーの原料となるため、大量生産を可能とする製法にこだわっています。原料として、ディオジオ社が持つポートエレンという製麦工場で作られた麦芽と、ピート感を持つロッホ・ナム・バン湖の湧水を使用。
カリラ蒸溜所で最も特徴的なのが、冷却水に海水を使用していることです。カリラは海を感じられる味わいだといわれるのですが、それにはこの冷却水も関係しているそうですよ。
代表銘柄は、カリラ12年です。
ヨード香やフルーティーさといったアイラモルトの特徴をしっかりと持ちながらも、そのバランスの良さから飲みやすく、アイラモルト初心者にもおすすめの一品です。海に囲まれた土地にあるカリラらしい味わいも楽しめるでしょう。
カリラをより知るには、こちらの記事をご覧ください。
ブナハーブン蒸溜所 – Bunnahabhain –
1881年設立されたブナハーブン蒸溜所は、人里離れた辺鄙な場所に建てられました。この土地には、高品質のピートと水があり、船を使って物資を調達しやすかったりとメリットが多かったのだそうです。しかし、設立からそれほど間もない1887年、ハイランド・ディスティラリーカンパニー社に買収されます。
設立当初から、ブレンデッドウイスキーの原料としてのウイスキー製造を行っていましたが、蒸溜所の存続のためにはシングルモルトの製造は欠かせないとして、シングルモルトの製造に着手。1979年に生まれたこのブナハーブン初のシングルモルトであり、現在のスタンダード品です。
ブナハーブンでは、アイラモルトとしては珍しくピートを使ったものだけでなく、ノンピートのウイスキーを製造しています。ピートとノンピート両方を味わえ、それらを飲み比べられるのは、ブナハーブンならではといえるでしょう。
水にもこだわり、マーガデイル・スプリングの湧水を利用していますが、アイラ島の土壌にはピートが含まれています。そのため、ブナハーブンでは、蒸溜所まで地下にパイプを引くことでピートの影響を受けないようにしているのです。
代表銘柄は先ほどもご紹介した、ブナハーブン12年です。
従来のアイラモルトでは感じにくい軽い口当たりに、クセのない味わい、とアイラモルトらしくないのに美味しいアイラモルトが楽しめます。バーボン樽をメインに熟成し、シャリー樽も使用。フルーティーさが好きな人は加水して飲むのもおすすめです。
ブナハーブンについては、こちらからもご覧ください。
キルホーマン蒸溜所 – –
長い歴史を持つ蒸溜所が多くあるアイラ島において、2005年、実に124年ぶりにできた新しい蒸溜所がキルホーマン蒸溜所です。100%アイラ産のウイスキーを作ることを目的に作られた蒸溜所で、ロッホサイド農場の一部敷地を利用して建てられています。大麦農場と蒸溜所が併設された「ファーム・ディスティラリー」なのです。
2009年に第1号となる「INAUGURAL」をリリース。2011年にはボトリングの設備も整い、現在はボトリングまで蒸溜所内で行えるようになっています。
アイラ島のウイスキー作りは元々大麦の栽培から自社で行うものでした。しかし、規模が大きな蒸溜所が増えるにつれ、なかなかすべてを自社内で賄うことが難しくなった蒸溜所も少なくありません。キルホーマンは、小規模蒸溜所での運営を行なっているため、昔ながらのアイラ島のウイスキー作りを復活させることができています。
キルホーマンのウイスキー作りでは、発酵時間の長さも特徴的です。通常の2倍にもなる85時間の発酵により乳酸菌を増やし、まろやかな味わいを実現しています。反対に、蒸留は短縮してスピーディにリリースできるような製造方法となっていますよ。
代表銘柄は、キルホーマン マキヤーベイです。
これは、キルホーマンのレギュラーボトルで、3年〜5年ものの原酒をヴァッティングし、さらにバーボン樽とオロロソシェリーバットを用いて熟成しています。熟成期間は短めのウイスキーではありますが、こだわり抜いた麦の風味に加え、シトラスやバニラの味わいを強く感じられる一品です。
キルホーマンの詳しくは、下記からもご覧いただけます。
アードナッホー蒸溜所 – –
アッドナッホー蒸溜所は、2018年10月から蒸留を開始したばかり、ハンターレイン社によって設立された小規模蒸溜所です。
蒸溜所近くにあるアッドナッホー湖の水を原料として使用しています。この湖の水は、数千年にわたって泥炭と岩によって濾過されたことにより、非常に硬度の低い軟水です。麦芽を製粉するのは、100年もの歴史を持つ老舗の製粉所であるヴィッカーズ ボビー。新しいものづくめのアッドナッホーにおいて、伝統を感じさせる一つです。
発酵には全体で65〜70時間をかけ、フルーティーさを生み出します。ゆっくりと穏やかな蒸留を経て、そのフルーティーさを損なうことなく、ピートとの絶妙なバランスのウイスキーへと仕上げていきます。蒸留に使われているワームタブコンセンサーは伝統的な製法でしたが、現在では数少ない蒸溜所でしか採用されていません。
代表銘柄は、アッドナッホー5年です。
80,000本が生産され、日本には600本程度しか入ってこないというレアな一本です。ヘビリーピーテッドを使用したウイスキーではあるものの、スモーキーさよりもフルーティーさの方が際立つとの評価。じっくりと味わっていく中で、スモーキーさもしっかりと感じられ、新しいアイラモルトの風を吹かせてくれる一品です。
ポートエレン蒸溜所 – –
2024年3月再稼働を果たしたばかりの新しい蒸溜所。とはいえ、元々1825年設立の歴史ある蒸溜所でした。1983年に閉鎖されていましたが、ディアジオ社により再建されました。
閉鎖されていた時期は長いものの、操業当時を知る従業員の協力を得て、なるべく元に近い形での再建を実施。閉鎖前1979年のヴィンテージはいまだに高い評価を受けており、その人気はカルト的とまでいわれています。これからどのようなウイスキーが生まれてくるのかが、楽しみですね。
まとめ
アイラウイスキーは様々なウイスキーの中でも人気が高く、初心者におすすめの銘柄から上級者向けのクセが強い銘柄まで様々な種類があります。熟成されたウイスキーを贅沢にブレンドした味わい深いものからスッキリとした風味が効いた銘柄もあるなど、アイラウイスキーだけで様々な楽しみ方ができるでしょう。
ご紹介した銘柄は見たことある人も多いと思います。アイラモルトはウイスキーの聖地なので、日本でも多く流通している銘柄が多いです。是非、今晩からアイラウイスキーを飲みに行かれてはいかがでしょうか?(私も今晩は自宅のアードベッグを楽しみます!アードベッグくんの待つ家に早く帰りたい…)