グレンアラヒー(Glenallachie)は、スコッチウイスキーの一種です。スコットランドの有名なウイスキー産地のひとつであるスペイサイド地方で作られています。
この記事では、グレンアラヒーを詳しく紹介していきます。グレンアラヒーのことを深く知りたい人、グレンアラヒーを今まさに頼もうか買おうか迷っている人の参考になるような情報を提供していきます!
POINT
- グレンアラヒーは近年注目が高まってきているシングルモルト
- 1967年の操業開始となるため、比較的歴史の浅い蒸溜所
- 2017年にウイスキー界の巨匠、ビリーウォーカー氏に買収され、そこからシングルモルトとしての注目度が高まっている
- 保存している原酒、樽の種類が多いため、様々な味わいのボトルを出しており、色々な味を楽しめるウイスキー
- スタンダード品のグレンアラヒー12年はバーボンかすくで熟成されており、甘い香りとスパイシーな味わいを楽しめます
- グレンアラヒーはこんな時に買う・注文すべき
- 味わいとラインナップ
- グレンアラヒー 12年
- グレンアラヒー 15年
- グレンアラヒー 18年
- グレンアラヒー 25年
- グレンアラヒー 10年 カスクストレングス
- グレンアラヒー 9年 ライウッドフィニッシュ
- グレンアラヒー 11年 モスカテルウッドフィニッシュ
- グレンアラヒー 11年 ポートウッドフィニッシュ
- グレンアラヒー 11年 2007 バーボンバレル
- グレンアラヒー1989 ホグスヘッド 29年
- グレンアラヒー 12年 スパニッシュヴァージンオークフィニッシュ
- グレンアラヒー 12年 フレンチヴァージンオークフィニッシュ
- グレンアラヒー 12年 チンカピンヴァージンオークフィニッシュ
- グレンアラヒー1990 オロロソシェリーパンチョン
- グレンアラヒー2006 バーボンバレル
- グレンアラヒー2001 PXシェリーホグスヘッド
- 【派生商品】マクネアーズラムリークピーティッド
- グレンアラヒーの歴史
- グレンアラヒーの製法の特徴
- まとめ
グレンアラヒーはこんな時に買う・注文すべき
グレンアラヒーのことを知りたいと思い、この記事を読んで頂いてる皆さん。結局、ボトルを買うべきか、今飲むべきかで迷っていると言う方も多いかと思います。
そんな方の決断をサポートするために、場面ごとに買うべきか、注文すべきかpeatyなりの見解を示したいと思います!代表的なラインナップについて、記載させていただきます!
味わいとラインナップ
スコットランドのスペイサイド地方で造られているシングルモルトウイスキー。
知る人ぞ知るブランドでしたが、著名なプロデューサーの手腕により、世界で注目されるブランドに成長しました。
日本でも今、人気が高まっています。
それでは各ラインナップごとに細かくその特徴を紹介していきましょう。
- グレンアラヒー 12年
- グレンアラヒー 15年
- グレンアラヒー 18年
- グレンアラヒー 25年
- グレンアラヒー 10年 カスクストレングス
- グレンアラヒー 9年 ライウッドフィニッシュ
- グレンアラヒー 11年 モスカテルウッドフフィニッシュ
- グレンアラヒー 11年 ポートウッドフィニッシュ
- グレンアラヒー 11年 2007 バーボンバレル
- グレンアラヒー1989 ホグスヘッド 29年
- グレンアラヒー 12年 スパニッシュヴァージンオークフィニッシュ
- グレンアラヒー 12年 フレンチヴァージンオークフィニッシュ
- グレンアラヒー 12年 チンカピンヴァージンオークフィニッシュ
- グレンアラヒー1990 オロロソシェリーパンチョン
- グレンアラヒー2006 バーボンバレル
- グレンアラヒー2001 PXシェリーホグスヘッド【派生商品】マクネアーズラムリークピーティッド
グレンアラヒー 12年
グレンアラヒーを代表するアイテムと言えるグレンアラヒー 12年。
大半はバーボンカスクで熟成させていて、現行のスタンダードボトルは46%でボトリングしています。
バタースコッチやレーズン、ハチミツの香りが特徴。
マジパンやバナナケーキ、レーズン、バニラなどを感じるスパイシーな味わいです。
グレンアラヒー 12年らしい風味を楽しむのなら、ストレートで飲むのがおすすめ。
グレンアラヒー 15年
ペドロヒメネスのシェリー樽とオロロソシェリー樽の原酒を使ったグレンアラヒー 15年。
アルコール度数は46%と、スコッチウイスキーとしては高めになっています。
レーズンやバタースコッチのような香り、甘いスパイスやレーズン、バナナの味わいにダークチョコレートのビターな苦みもプラス。
シェリー樽ならではの風味をしっかり感じられるアイテムです。
グレンアラヒー 18年
グレンアラヒーのフラッグシップとも言えるグレンアラヒー 18年。
バーボン樽とシェリー樽で熟成させた原酒を掛け合わせています。
バタークッキーやキャラメルナッツ、シナモンに、ミントやユーカリのようなさわやかな草木の香り。
パイナップルやダークチェリー、オレンジピールのようなフルーティーさやナッツの香ばしさを感じる味わいです。
熟成感はありますが、全体にきれいにまとまっている印象。
週末の夜に、家でゆったりとした時間を過ごす際のお供にぴったりです。
グレンアラヒー 25年
現在販売されているオフィシャルボトルの中で最も長期熟成されているグレンアラヒー 25年。
アメリカンオークのリフィルシェリー樽で熟成されていて、アルコール度数は48度。
レモンケーキやサルタナレーズンのような甘くてフルーティーな香り。
アプリコットやパイナップルの味わいが全面に出ていて、ライ麦パンやビターチョコのニュアンスも感じます。
口あたりは、粘性があるのが特徴。
グレンアラヒー 10年 カスクストレングス
10年熟成させた原酒を加水せずにボトリングしたグレンアラヒー 10年 カスクストレングス。
毎年2,000本限定でリリースされています。
パワフルな香りが特徴で、ハチミツやアプリコット、ダークチョコレートなどがしっかり。
バニラやハチミツ、力強いスパイスの味わいです。
個性的な風味でボディが厚めなので、玄人向けのアイテムでしょう。
グレンアラヒー 9年 ライウッドフィニッシュ
バーボン樽で熟成させた後、ケンタッキーで使われていたライウイスキー樽で追熟したグレンアラヒー 9年 ライウッドフィニッシュ。
日本には360本しか入荷していません。
ハチミツやバタースコッチ、シナモンやクローブのようなスパイスの香りが特徴。
ハチミツやマーマレード、バタースコッチ、生姜のような味わいも感じます。
好き嫌いがわかれる風味ではありますが、グレンアラヒー 9年 ライウッドフィニッシュらしさを楽しむのであればストレートで飲むのがおすすめです。
グレンアラヒー 11年 モスカテルウッドフィニッシュ
グレンアラヒー 11年 モスカテルウッドフィニッシュは、バーボン樽で熟成させたあと、モスカテル(白ワイン)の樽で追熟させています。
モスカテルの特徴である桃の香りにモカ、シナモンが加わり、バランスの良い印象です。
味わいも、桃やハチミツ、次第にシナモンやコーヒーなどに変化します。
フルーティーで南国の雰囲気なので、夏の暑い日にもぴったりでしょう。
グレンアラヒー 11年 ポートウッドフィニッシュ
バーボンバレルで熟成させた後、ルビーポートワインの樽で追熟したグレンアラヒー 11年 ポートウッドフィニッシュ。
ホワイトチョコレートやウエハースのような優しい甘さを感じる香り。
シェリー酒やマカダミアナッツ、プルーン、ローズヒップティーの味わいです。
やや若い印象はありますが、優しく飲みやすいアイテムでしょう。
グレンアラヒー 11年 2007 バーボンバレル
グレンアラヒー 11年 2007 バーボンバレルは日本市場向けにリリースされたアイテム。
バーボン樽で11年熟成させ、カスクストレングスでボトリングされています。
ハチミツやココア、バニラのような甘さにスターアニスやクローブのスパイスのニュアンスも。
味わいは、ハチミツたっぷりのココアやレーズン、ホワイトペッパーが香ります。
食後のデザート感覚で飲むのにぴったりです。
グレンアラヒー1989 ホグスヘッド 29年
グレンアラヒー1989 ホグスヘッド 29年は、日本向けにリリースされたオフィシャルシングルカスク。
ビリー・ウォーカーが日本のウイスキーファンに向けてチョイスした長熟カスクで、グレンアラヒーのポテンシャルの高さを感じられます。
始めはなめし革やオレンジピール、次第にマンゴーやパパイア、シナモンの香りに変化。
ハチミツやクランベリー、オレンジピールのフルーティーな味わいにローストナッツやカカオニブのニュアンスも感じます。
高価格帯のアイテムのため、バーなどで少しずつゆったり飲むのがおすすめです。
グレンアラヒー 12年 スパニッシュヴァージンオークフィニッシュ
バーボンバレルで熟成後、スパニッシュオークの新樽で追熟させたグレンアラヒー 12年 スパニッシュヴァージンオークフィニッシュ。
世界で6,600本の限定リリースで、日本へは120本しか入っていません。
ハチミツやシナモン、ココナッツのような甘い香りが特徴。
ココナッツや糖蜜、オレンジゼストのトロピカルな味わいです。
グレンアラヒー 12年 フレンチヴァージンオークフィニッシュ
バーボンバレルで熟成後、フレンチオークの新樽で18か月間追熟させたグレンアラヒー 12年 フレンチヴァージンオークフィニッシュ。
世界で6,600本の限定リリースで、こちらも日本へは120本しか入っていません。
ハチミツやモカ、ナツメグのような香り。
バタースコッチやトフィー、シナモンやグレープフルーツの味わいで、タンニンを感じます。
グレンアラヒー 12年 チンカピンヴァージンオークフィニッシュ
バーボンバレルで熟成後、ミズナラと同属であるチンカピンオークの新樽で追熟させたグレンアラヒー 12年 チンカピンヴァージンオークフィニッシュ。
バタースコッチやナツメグ、リコリスの香り。
じつは前述のグレンアラヒー 12年 スパニッシュヴァージンオークフィニッシュとグレンアラヒー 12年 フレンチヴァージンオークフィニッシュ、このグレンアラヒー 12年 チンカピンヴァージンオークフィニッシュはビリー・ウォーカー氏が手掛けるリミテッドシリーズ。チンカピンオークの新樽は他の2つより樽の木材の乾燥期間が長いので、リコリスやローズヒップの香りを強く感じることが特徴です。
グレンアラヒー1990 オロロソシェリーパンチョン
グレンアラヒー1990 オロロソシェリーパンチョンは日本向けにリリースされたアイテム。
オロロソシェリーパンチョンで29年熟成させ、カスクストレングスボトリングしています。
ビリー・ウォーカー氏自らが選定した樽を使ったブラックラベル。
キャラメルやトフィーに続いてダークチョコレートやカフェモカが香ります。
味わいはトフィーの濃厚な甘さと、シェリー樽ならではのレーズンやミルクチョコレート。
そこにパパイヤやマンゴー、クローブのニュアンスも。
58.2%と度数は高く、飲み応えがあるので食後にゆっくり飲むのに向いているでしょう。
グレンアラヒー2006 バーボンバレル
グレンアラヒー2006 バーボンバレルは、グレンアラヒー初の日本向けオフィシャルシングルカスク。
バーボン樽で12年熟成させてカスクストレングスボトリングしています。
シロップ漬けのアプリコットやバニラビーンズのような甘い香りが特徴。
ミルクチョコレートやブラックチェリーの味わいの後に、カフェオレやレーズンのニュアンスも。
グレンアラヒーらしさを楽しめる1本です。
グレンアラヒー2001 PXシェリーホグスヘッド
グレンアラヒー2001 PXシェリーホグスヘッドも、日本向けにリリースされたシングルカスクです。
黒蜜やキャラメルクリーム、アプリコットのような濃厚な甘い香りが特徴。
バタースコッチやパイナップル、パパイヤなどの甘酸っぱい味わいに、ダークチョコレートやシナモンも感じます。
シェリー樽熟成ならではの、華やかさと重厚感、甘さがバランスよく仕上がっているアイテムです。
【派生商品】マクネアーズラムリークピーティッド
こちらは、グレンアラヒーの出すシングルモルトではなく、グレンアラヒー蒸留所が手掛けるブレンデッドモルトです。
ファーストフィルバーボン、赤ワイン、ペドロヒメネスシェリーの3種の樽で熟成させた原酒を使用しています。
バタースコッチやナツメグ、ピートの香り。
味わいはハチミツやトフィーのニュアンスに、ピートをしっかり感じます。
ロックで飲むのがおすすめ。
グレンアラヒーの歴史
スコットランドのスペイサイド地方アベラワーの郊外にあるグレンアラヒー蒸留所。
クライゲラキ蒸溜所から1kmの場所にあり、近くにはアベラワー蒸溜所もあります。
設立したのは1967年と比較的新しい蒸留所ですが、ブランドとして確立された裏には、ウイスキー業界の巨匠の存在がありました。
蒸留所を設計したのは著名な建築家
グレンアラヒー蒸留所はスコティッシュ・ニューカッスル社により1967年に設立されました。
蒸溜所の設計を担当したのはウィリアム・デルメ・エヴァンス氏。
ウィリアム・デルメ・エヴァンス氏はアイル・オブ・ジュラやタリバーディンなども手掛けた著名な建築家で、機能性に優れた蒸留所をたくさん造ったことで知られています。
グレンアラヒー蒸留所は、エヴァンス氏の最後の作品でした。グレンアラヒー蒸留所はゲール語で「岩の谷」という意味を持っています。
また、グレンアラヒー蒸留所は設立当初、「マッキンレーズ」「スコッツクラブ」「キングスランサム」などのブレンデッドウイスキーの原酒を製造していました。
オーナーが次々に変わり…
グレンアラヒー蒸留所は1985年にインバーゴードン社に買収されたものの、2年後には操業中止。
1989年にはペルノリカール社が買収、ブレンデッドウイスキー「クランキャンベル」の原酒を造るための蒸留所となっていました。
ビリー・ウォーカーの登場
創業以来、ブレンデッドウイスキーの原酒を造る蒸留所としての機能を果たしていたグレンアラヒー蒸留所ですが、2017年に転機を迎えます。
なんと、かの有名なウイスキー業界の巨匠ビリー・ウォーカー氏がグレンアラヒー蒸留所を買収したのです。
ビリー・ウォーカー氏はベンリアック・カンパニーの創立者として知られ、ウイスキー業界で50年以上のキャリアを積んだ人物。
グレンドロナック 、グレングラッサなどの人気を生み出したのも彼の力です。
そんなビリー・ウォーカー氏がグレンアラヒーに注目したのは、昔から続く良質な樽が蒸留所にたくさん残っていたから。
グレンアラヒー・コンソシアム社を設立し、これまでブレンデッドウイスキー用として使われていた原酒をシングルモルトとしてリリースしました。
そして、ビリー・ウォーカー氏の手腕により、グレンアラヒーの名が世界に知れ渡っていったというわけです。
現在は、シングルモルトだけでなくブレンデッドウイスキーの「マクネアズ」「ホワイトヘザー」へ原酒の提供を行っています。
グレンアラヒーの製法の特徴
フルーティーでスペイサイドらしいアイテムから、骨太でリッチな味わいのアイテムまで幅広く手掛けるグレンアラヒー。
ここからは、グレンアラヒーの製法の特徴を紹介していきましょう。
ヘビリーピーテッドとノンピートの2種類を使用
グレンアラヒー蒸留所で使われている麦芽は、クリスプ社のポートゴードンで製麦されたものです。
フェノール値60~80ppmのヘビリーピーテッドと、ノンピートを使用していることが特徴。
ピーテッド85%、ノンピート15%の比率となっています。
発酵槽はステンレス製
発酵槽はステンレス製のものが6基あります。
発酵時間は160時間。スコッチウイスキーは60時間程度のものも多いので、かなり長めと言えるでしょう。
ちなみに、発酵時間が長いと乳酸菌が増えるので、複雑な味わいになると言われています。
ポットスチルの設置場所がポイント
ポットスチルは、初溜2基・再溜2基の計4基が設置されています。
そして、グレンアラヒー蒸留所ではポットスチルが一番低い場所、発酵槽が一番高い場所に設置されているのが最大の特徴です。
そのため、ウイスキーを造る工程の中で、上から順に流れ落ちるようになっています。
そして、通常縦置きのクーラーが横になっていることもポイント。
その方が原酒が銅と接触する面積が広くなり、ゆっくり冷やされる効果が期待できます。
ここからも、建築家ウィリアム・デルメ・エヴァンス氏がいかに合理性があって機能的な蒸留所を目指していたかということが垣間見れるでしょう。
まとめ
見ての通りグレンアラヒーはたくさんの種類があります。同じ銘柄でも違う樽を使っているもの、違う年のものを飲むことで味の違いを楽しめるウイスキーです。バーなどのお店で、違うグレンアラヒーを飲み比べするのも楽しそうですね。
ぜひグレンアラヒーを飲んでみてください!
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