エドラダワーは、スコットランドのハイランドで作られるシングルモルトウイスキーです。
クリーミーでシェリー樽由来の味わいが特徴で、さまざまな樽を使って熟成しているのも特徴です。
それでは、エドラダワーを詳しく紹介していきます。エドラダワーのことを深く知りたい人や・エドラダワーを今まさに頼もうか買おうか迷っている人の参考になるような情報を提供していきます!
- エドラダワーは、スコットランド・ハイランド地方で生産されているシングルモルトウイスキー。なめらかな甘い味わいが特徴。
- オーナーの入れ替わりはあったものの、古くからの製法をそのままに生産が続けられている。熟成樽を多種多様に所有していることから、ウイスキーの種類が多い。反面、最小クラスのポットスチルを使っているため、生産数はそれほど多くはない。
- エドラダワーはこんな時に買う・注文すべき
- 味わいとラインナップ
- エドラダワー 10年
- エドラダワー10年 アンチルフィルタード
- エドラダワー12年 カレドニア
- エドラダワー イビスコシェリーマチュアード カスクストレングス
- エドラダワー イビスコバーボンマチュアード カスクストレングス
- エドラダワー 10年 ストレートフロムザカスク
- エドラダワー バーガンディーカスクフィニッシュ
- エドラダワー シャルドネカスクフィニッシュ
- エドラダワー マディラカスクフィニッシュ
- エドラダワー ポートカスクフィニッシュ
- エドラダワー ソーテルヌカスクフィニッシュ
- エドラダワー シャルドネカスクマチュアード
- エドラダワー ポートカスクマチュアード
- エドラダワー シェリーバット10年
- エドラダワー フェアリーフラッグ 15年
- エドラダワー 8年 スーパー タスカン カスク マチュアード
- エドラダワー スーパー バローロ カスク 8年
- エドラダワーの歴史
- エドラダワーの製法の特徴
- まとめ
エドラダワーはこんな時に買う・注文すべき
エドラダワーのことを知りたいと思い、この記事を読んで頂いてる皆さん。結局、ボトルを買うべきか、今飲むべきかで迷っていると言う方も多いかと思います。
そんな方の決断をサポートするために、場面ごとに買うべきか・注文すべきかpeatyなりの見解を示したいと思います!代表的なラインナップについて、記載させていただきます!
味わいとラインナップ
エドラダワーは、なめらかで甘い味わいが特徴のボトルです。
- エドラダワー 10年
- エドラダワー アンチルフィルタードシリーズ
- エドラダワー 12年カレドニア
- エドラダワー イビスコシェリーマチュアード カスクストレングス
- エドラダワー イビスコバーボンマチュアード カスクストレングス
- エドラダワー 10年 ストレートフロムザカスク
- エドラダワー バーガンディーカスクフィニッシュ
- エドラダワー シャルドネカスクフィニッシュ
- エドラダワー マディラカスクフィニッシュ
- エドラダワー ポートカスクフィニッシュ
- エドラダワー ソーテルヌカスクフィニッシュ
- エドラダワー シャルドネカスクマチュアード
- エドラダワー ポートカスクマチュアード
- エドラダワー シェリーバット10年
- エドラダワー フェアリーフラッグ 15年
- エドラダワー 8年 スーパータスカンカスクマチュアード
- エドラダワー スーパー バローロ カスク 8年
エドラダワーのラインナップとラインナップごとに細かくその特徴を見ていきます。
エドラダワー 10年
エドラダワー 10年は、クラシックレンジというシリーズのひとつでエドラダワーのスタンダード品です。
香りは、カルピスに石鹸を足したような華やかな香り、口に含むとオイリーでミルクチョコレートのような口当たり、柑橘系のフルーティーな味わいにキャラメルの風味も感じられます。フィニッシュは非常にミルキーな風味が続きます。
おすすめの飲み方は、ストレートです。1万円以下で購入可能なため、自宅用やギフトにもぴったりです。
エドラダワー10年 アンチルフィルタード
エドラダワー10年 アンチールフィルタードは、シグナトリー社の「アン・チルフィルタード・コレクション」のひとつです。10年以上熟成させた原酒を使って作られています。ちなみに、アンチルフィルタードとは、ノンチルフィルタードのことです。
香りは、オレンジなどの柑橘系に加えコーヒーも感じることができます。口に含むとオレンジやプラムなどのフルーティーな甘さでずっしりとした風味を楽しめます。
おすすめの飲み方は、ストレートです。エドラダワーは以前まではスコットランドで一番小さい蒸留所として有名だったことからラベルには、「Scotland’s Smallest Distillery」(スコットランドで1番小さい蒸溜所)という文字が記されています。
エドラダワー12年 カレドニア
エドラダワー 12年 カレドニアは、スコットランドのシンガーソングライターのDougie Macleanの曲である「カレドニア」から名前をとってつけられたウイスキーです。
10年以上熟成させた原酒をさらに42ヶ月以上オロロソシェリー樽で後熟させて作られています。
香りは、シナモンやレーズン、口に含むとカカオやミルクチョコレート、ミントなどの豊かな風味を楽しめます。
おすすめの飲み方は、トワイスアップです。インターネットでも1万円前後で購入できるので気になる方は探してみてください。
エドラダワー イビスコシェリーマチュアード カスクストレングス
エドラダワー イビスコシェリーマチュアード カスクストレングスは、イビスコデキャンタシリーズの一つでカスクストレングスでボトリングされているウイスキーです。熟成にはシェリー樽を使用しています。
シェリー樽由来の香りやキャラメルなどの豊かな香り、口に含むとオイリーで滑らかな口当たりでチョコレートのような甘さを楽しめます。フィニッシュもシェリー樽由来の風味が長く続きます。
おすすめの飲み方は、ストレートです。カスクストレングスということもあり、エドラダワーの風味を直接楽しめます。
エドラダワー イビスコバーボンマチュアード カスクストレングス
エドラダワー イビスコバーボンマチュアード カスクストレングスは、イビスコデキャンタシリーズの一つでカスクストレングスでボトリングされているウイスキーです。熟成の際にバーボン樽をを使用しています。
オレンジやハチミツ、バニラのような甘い香り、口に含むとオレンジやドライフルーツなどの風味を楽しめます。
おすすめの飲み方はストレートですが、さっぱり飲みたい方にはハイボールもおすすめです。
フルーティーで甘さも感じられる味わいのため、食中酒でも楽しめます。
エドラダワー 10年 ストレートフロムザカスク
エドラダワー 10年 ストレートフロムザカスクは、ストレート・フロム・ザ・カスクシリーズの一つで、シェリー樽で10年以上熟成させた原酒を使って作られています。
香りはプラムやオレンジ、口に含むとプラムやミルクチョコレートの甘さが楽しめます。
おすすめの飲み方はストレートです。今は販売していないラインナップのため、バーなどで見かけたらぜひ飲んでみてください。
エドラダワー バーガンディーカスクフィニッシュ
エドラダワー バーガンディーカスクフィニッシュは、ストレート・フロム・ザ・カスクシリーズの中の一つです。ストレート・フロム・ザ・カスクシリーズとは、エドラダワーの中でもかなり人気のあるシリーズで、バーボン樽とワイン樽を使って熟成されているシリーズです。また、カスクストレングスでボトリングされているのも特徴です。
カカオやプラムなどの香り、口に含むとレーズンやオレンジピール、ビターチョコレートなどの風味を楽しめます。フィニッシュではハーブなども感じられます。
おすすめの飲み方はストレートです。カスクストレングスやワイン樽熟成の風味をダイレクトに味わってください。バーなどで探すのがおすすめです。
エドラダワー シャルドネカスクフィニッシュ
エドラダワー シャルドネカスクフィニッシュは、ストレート・フロム・ザ・カスクシリーズの中の一つです。ワイン樽の中でもシャルドネの樽を使って熟成した原酒を使っています。
バニラやグレープフルーツの香り、口に含むとアーモンドなどのオイリーな風味やレモンやグレープフルーツなどのフルーティーな風味も楽しめます。フィニッシュにはハーブのスパイシーな味わいも感じられます。
おすすめの飲み方は、ストレートです。シャルドネ樽の熟成風味を感じてみてください。
エドラダワー マディラカスクフィニッシュ
エドラダワー マディラカスクフィニッシュは、ストレート・フロム・ザ・カスクシリーズの中の一つです。マディラカスクでフィニッシュさせている原酒を使っています。(マディラはスペインワインの一種です。その樽を使って後熟させています。)
香りはレーズンやオレンジ、その奥に麦芽の風味も感じられます。口に含むとレーズンやオレンジ、ハーブのような味わいも楽しめます。
同じシリーズの中でもフルーティーな風味とスパイシーさのバランスが良いウイスキーです。
おすすめの飲み方は、ストレートです。一つ前でご紹介したシャルドネ樽と比較して、マディラ樽との違いを楽しむのも良いですね。
エドラダワー ポートカスクフィニッシュ
エドラダワー ポートカスクフィニッシュは、ストレート・フロム・ザ・カスクシリーズの中の一つです。ポートカスクでフィニッシュさせているボトルです。
香りは焼いたりんご、カカオ、カシス、口に含むとキャラメルやコンポートしたりんご、フィニッシュにはミントなどのハーブの風味も楽しめます。
おすすめの飲み方は、ストレートです。同じシリーズの中でも特にりんごの風味を感じられる銘柄です。
日本で見かけることはあまりなく、インターネットでも出周りが少ないためバーや旅行先で見つけたらぜひ試してみてください。
エドラダワー ソーテルヌカスクフィニッシュ
エドラダワー ソーテルヌカスクフィニッシュは、ストレート・フロム・ザ・カスクシリーズの中の一つです。ソーテルヌカスクでフィニッシュさせたボトルです。
ソーテルヌはフランスのソーテルヌ地方にある甘さが強いワインのため、香りや味わいも甘さとスパイシーさを楽しめるのが特徴です。
おすすめの飲み方はストレートです。こちらもあまり日本では見かけないため、気になる方はバーで探してみるのがおすすめです。
エドラダワー シャルドネカスクマチュアード
エドラダワー シャルドネカスクマチュアードは、ワイン樽だけを使って熟成したシリーズのひとつです。シャルドネカスクを使って熟成しています。
香りは熟成樽からくる白ワイン、ドライフルーツ、キャラメルの香り、味わいも甘いワインやいちごの風味を感じられます。
おすすめの飲み方はストレートです。ウイスキーを飲んでいるのにワインの風味がするという不思議で高貴な味わいをダイレクトに堪能してください。
エドラダワー ポートカスクマチュアード
エドラダワー ポートカスクマチュアードもワイン樽だけを使って熟成したシリーズのひとつでで、ポートカスクだけを使って熟成した原酒を使っています。
香りはりんごやパイナップル、ブラックチェリーのような赤い果実を彷彿とさせる香りです。口に含むと赤ワインやラズベリーのような甘さとスパイシーさも感じられます。
ストレートはもちろん、初心者の場合はロックで飲むのもおすすめです。しっかりした味わいのためロックにして変化を楽しむのも良いでしょう。バーで見かけたらぜひ試してみてください。
エドラダワー シェリーバット10年
エドラダワーシェリーバット10年は、10年以上熟成した原酒を使って作られていて、カスクストレングスでボトリングされているウイスキーです。
カスクストレングスとは、樽からボトリングする際にアルコールの調整を行わない製法のため、アルコール度数は50度ほどあります。
香りは、10年熟成をした後にシェリーバットでさらに熟成しているため、シェリー由来のフルーティーな香りを楽しめます。口に含むとフルーティーさやお花などの豊かな風味を感じられます。
おすすめの飲み方は、ストレートです。華やかで甘さも感じられるウイスキーのため食後にデザートの代わりとしていただくのもおすすめです。
エドラダワー フェアリーフラッグ 15年
エドラダワー フェアリーフラッグ15年は、15年以上熟成させた原酒を使って作られています。
香りは、エタノールやキャラメルのような香り、口に含むとキャラメルの甘さやスパイシーな風味も感じられます。
おすすめの飲み方は、ストレートです。
エドラダワー 8年 スーパー タスカン カスク マチュアード
エドラダワー8年スーパータスカンカスクマチュアードは、旧エドラダワーの味わいを復刻させるコンセプトで造られたボトルです。
香りは、カラメル、バニラ、フルーツがバランスよく香ります。味わいは、甘いダークフルーツとオークで、バランスの良さを感じることができます。エドラダワーの特徴的なソープ感は少なめです。
おすすめの飲み方は、ストレートです。
エドラダワー スーパー バローロ カスク 8年
エドラダワースーパーバローロカスク8年は、2450本の少量生産のボトル。
香りは、バニラ、レッドベリー、チョコレート。味わいは、フルーティな甘さ、スパイシーさに加え、エスプレッソのような苦みの中にバニラが感じることができます。
大変希少な一本なので、是非バーでストレートで試してみてほしいです。
エドラダワーの歴史
続いてエドラダワーの歴史について紹介していきます。
エドラダワーは、ハイランド地方のピトロッホリー(ピトロクリー)という町の近くの小さな集落にあるエドラダワー蒸留所で作られています。
ちなみにこのピトロッホリーは、夏目漱石が訪れた場所としても有名です。
蒸留所の近くには、エドレッドの小川が流れており、エドラダワーとはここから名前をつけたといわれています。
エドラダワー蒸留所の設立は1825年で、地元の農民が土地を借りて蒸留をしたのが始まりでした。実際に農民によって蒸留所が設立されたのは1837年で1933年までは農業協同組合の元で稼働していました。
そして1933年に有名なウイスキーブレンダーだったウィリアム・ホワイトリー氏が買収。ホワイトリーは、アメリカのマフィアであるフランク・コステロ氏へ営業をしてアメリカへたくさんのスコッチを輸出していたようなビジネスマンでした。禁酒法時代のアメリカではスコッチが注目を浴びました。
1938年になるとホワイトリーから、アーヴィン・レイム氏へ経営が引き継がれます。レイムもまたマフィアのコステロ氏と深い繋がりがあり、レイムが亡くなる1976年までエドラダワー蒸留所はほとんどマフィアの傘下にあったのではないかといわれています。
レイムの死後、1982年にペルノ・リカール社傘下のキャンベル・ディスティラリーが蒸留所を買収し同年にビジターズセンターが設置されます。
そして1986年にエドラダワーで初めてのシングルモルトウイスキーを発売。2002年にボトラーズ会社シグナトリー社に経営が代わり現在に至ります。
シグナトリー社は、1988年創業のスコットランドにあるボトラーズ会社です。ボトラーズ会社とは、さまざまな蒸留所から樽ごとウイスキーを買い取ってブレンドさせたり後塾させたりしてオリジナルなウイスキーを作る会社です。
創業してから数年でボトラーズ会社として名を馳せていたシグナトリー社ですが、自社の蒸留所を持ちたいという夢があり、スキャパやアードベッグなどの蒸留所を買収しようとしていましたが、なかなか実を結びませんでした。そんな中でやっと獲得できたのがエドラダワー蒸留所だったのです。
シグナトリー社がそれまでに集めてきたさまざまな蒸留所の樽やオリジナルの味を作り出す技術がエドラダワーの味わいにも反映されているのかもしれません。
エドラダワーの製法の特徴
次にエドラダワーの製法を紹介します。
生麦・糖化・発酵・蒸留
エドラダワー蒸留所はオーナーが何回か変わっていますが基本的な製法や機械は同じものが受け継がれています。
糖化槽は1900年製のものを使用しています。また、1934年製のモートンタイプのオープン・ワーツクーラーも使っています。これは麦汁を冷やす時に使われる機械で、今では博物館でしか見られないような貴重な装置です。(一部2009年に新しくなっているようですがベースは今でも1934年のものが使われています。)
鋳物製のオープンタイプの糖化槽を使っており、1回の仕込みで抽出できる麦汁は6,000ℓです。
この麦汁をオレゴンパイン製の発酵槽に入れて発酵させています。
ポットスチルは初溜・再溜でそれぞれ1基ずつあり、スコットランド内で最小のポットスチル(関税当局が認める一番小さいサイズ)といわれています。
熟成
熟成樽は、シグナトリー社が集めたさまざまな樽を使用しています。
銘柄紹介の中で「●●カスク」が多かったと思いませんか?
ボトラーズ会社であるシグナトリー社のこれまでの経験やネットワークをフル活用し、他の蒸留所では手に入らないような樽も集めています。この樽の多さが種類の多さに繋がり、エドラダワー独自の味わいを作り出しています。
その他
エドラダワーは、少量生産の蒸留所としても有名です。
生産部門の従業員は5名以下、さらに関税当局が認める最小サイズのポットスチルを使用しているためです。また、日本のイチローズモルトの秩父蒸留所はエドラワー蒸留所をモチーフにしていることも有名な話です。
まとめ
夏目漱石は、留学が終わる前1週間、エドラダワーが作られているピトロクリーの街を訪れたようです。ロンドンでの留学に疲れを感じていたようですが、ピトロクリーの街で大いに癒やされたとのことです。今も郊外にある小さな、穏やかな街であるようです。いつか訪れてみたいですね。
そんなのどかな街で作られるエドラダワーの味をぜひ楽しんでみてくださいね。
その他のハイランドエリアで作られるウイスキーについてもまとめてますので、以下の記事も一緒に読んでみてくださいね。