スコッチウイスキー、ブナハーブンのご紹介【アイラモルト】

シングルモルトを知ろう!

ブナハーブン(Bunnahabhain)は、スコットランドのアイラ島で造られているシングルモルトウイスキー。

この記事では、ブナハーブンのことを深く知りたい人やブナハーブンを今まさに頼もうか買おうか迷っている人の参考になるような情報を提供していきます!

編集部
編集部

POINT

  • ブナハーブン蒸溜所は1881年に設立され、アイラ島の北東海岸に位置しています
  • アイラ島の他の蒸留所とは異なる穏やかでピートの香りが少ないスタイルのウイスキーを生産しており、昔は主にブレンデッドウイスキーの原酒としてつくぁ割れていました
  • 1979年に初めてのシングルモルトとなる「ブナハーブン 12年」を発表し、ウイスキー愛好家から注目を集めはじめます
  • 他のアイラウイスキーとは異なり、ブナハーブンはピートの影響が穏やかなウイスキーです
  • ブナハーブンの味わいの特徴は、熟したリンゴや洋梨、時にはバナナなどの熱帯果実のような濃厚なフルーティーな風味、沿岸部特有の微妙な海の風味や塩気と言われています
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ブナハーブンはこんな時に買う・注文すべき

ブナハーブンのことを知りたいと思い、この記事を読んで頂いてる皆さん。結局、ボトルを買うべきか、今飲むべきかで迷っていると言う方も多いかと思います。

そんな方の決断をサポートするために、場面ごとに買うべきか、注文すべきかpeatyなりの見解を示したいと思います!代表的なラインナップについて、記載させていただきます

ブナハーブンの歴史

スコットランドのアイラ島で造られているブナハーブン

長い間、ブレンデッドウイスキー用の原酒を造る蒸溜所で、アイラらしくないノンピートな味わいでした。だからこそ世に注目されるようになったブランドです。

今となってはピートを焚いたスモーキーな味わいを持つウイスキーも増えています。(’Móine’「モナ、モアンヌ」というワードが入っている種類はスモーキーな味わいです。)

アイラ島の人里離れたはずれで誕生

ブナハーブン蒸溜所が誕生したのは1881年。アイラ島の人里離れた入り江に建てられました。

設立したのは、ウィリアム・グリーンリーズ、ジェームズ・グリーンリーズ、ウィリアム・ロバートソンの3人。

辺鄙な場所に蒸溜所を建設したのは、高品質なピートがとれること水が良いこと船で物資を調達しやすいことといった理由があったようです。

蒸溜所は1881年に建てられましたが、実際に稼働し始めたのは1883年からという記録が残っています。

この時代、蒸留所の建設・合併が盛んにおこなわれていました。ブナハーブンも例外ではなく、1887年にハイランド・ディスティラリーカンパニー社に買収されました。

ブレンド用からノンピートのシングルモルトが注目を集める

当初はブレンデッドウイスキー向けの製造を中心に操業をしていました。特に、1960年代は、アメリカ向けのブレデッドウイスキーの需要が高く、1963年には設備の増強(ポットスチルを2基から4基に)をしています。

この過程で、カティサーク用のライトな酒質を求められ、ノンピート中心の製造体制へ移行をしています。

長くブレンデッドウイスキー用の原酒を造っていたブナハーブン蒸溜所ですが、このままでは生き残れないと危機感を感じました。少しずつシングルモルトにも力を入れることになります。

そして、1979年に初めてのシングルモルトとなる「ブナハーブン 12年」が誕生。ピートの香りが特徴のアイラモルトとしては珍しい、やさしい味わいが世界に注目されることになったのです。

再びピートもオーナーが移り変わる

1997年には、昔のブナハーブンの味わいも知ってもらいたいという想いからピートを使ったウイスキー造りも再開しました。そのため現在では、ノンピートのものとピートを使ったものの2種類の「ブナハーブン」を楽しめます。

1999年には、ハイランドディスラリーカンパニー社エリントングループに買収され、2~3週間操業が停止されます。その後、2003年にバーンスチュワート社にブナハーブン蒸留所は売却されます。2013年には南アフリカ共和国のディスティル・グループがバーンスチュワート社を買収したため、現在はディスティル・グループが蒸溜所を運営しています。

設備を増強

バーンスチュワート社はシングルモルトウイスキー造りのために積極的な投資を行っていて、2019年には蒸溜所の大規模な改修が行われ、設備を増強しました。

ビジターセンターも改修され、蒸溜所を訪れる世界中のウイスキーファンがより楽しめる場所になったのです。環境にも配慮し、今後のウイスキー造りを見据えた展開となっています。

ブナハーブンの製法の特徴

ブナハーブン蒸溜所は良い意味でアイラモルトらしくない味わいが特徴です。この蒸溜所では約350万リットルほどのウイスキーが毎年生産されています。

長い歴史のあるアイラ島の他の蒸溜所と比べて歴史は浅いですが、他にないアイテムを続々リリースしています。

ここからは、ブナハーブン蒸溜所の製法の特徴を紹介していきましょう。

ノンピート麦芽を使用

ブナハーブン蒸溜所の最大の特徴は、アイラ島には珍しくノンピート麦芽を使用していることです。

これにより、アイラモルトらしいピーティーでスモーキーな味わいではなく、優しくマイルドな風味に仕上がります。

麦芽はポートエレン製麦所(アイラ島南部の精麦所)から仕入れています。

海岸沿いの人里離れた土地に位置していることから、昔はすべて船で運んでいました。そのため保存のためのスペースが必要となり、ブナハーブンは大きめの倉庫を持っています。現在は、全体の6割でノンピート麦芽、4割でピーテッドタイプの麦芽を使用していますが、倉庫が大きいためそれぞれの麦芽を分けて管理しやすくなっています。

また、仕込み水には蒸留所の北西に位置するマーガデイル・スプリングの湧き水を使用。アイラ島の土壌に含まれているピートが混入しないよう地下にパイプを巡らせ、蒸溜所まで水を引いています。

オレゴンパイン材の発酵槽

発酵槽は、昔ながらのオレゴンパイン材を使ったものを使用しています。6つの発酵槽で容量は100,000リットル。

発酵時間は66〜100時間と長め。

もろみのアルコール度数は6.5〜8%と低めに設定されています。

もろみのアルコール度数が低いことで、軽やかでフルーティーな味わいになっていると考えられるでしょう。

玉ねぎ型のポットスチル

ポットスチルは初溜2基と再溜2基の計4基があります。初溜用のスチルは30,000リットルほどの容量が入りますが、どちらも17,500リットルほどの蒸溜にしか使われていません。再溜用のスチルはだいたい10,000リットルずつ入ります。

玉ねぎ型、洋梨型のものを使用していて、68~72%と、とても高いアルコール度数のスピリッツが完成。

これにマーガデイル川の湧き水で加水をして、バーボン樽やシェリー樽で熟成させるという工程になっています。

味わいとラインナップ

アイラ島のウイスキーはピートがきいたスモーキーな味わいが特徴ですが、ブナハーブンはピートをほとんど使用せずに造られているのでクセのない味わいに仕上がっています。

それでは各ラインナップごとに細かくその特徴を紹介していきましょう。

  • ブナハーブン 12年
  • ブナハーブン 18年
  • ブナハーブン 25年
  • ブナハーブン28年
  • ブナハーブン モアンヌ
  • ブナハーブン トチェック
  • ブナハーブン ステュウラーダー
  • ブナハーブン アン クラダック
  • ブナハーブン エリーナグレーネ
  • ブナハーブン 2007 モイネ オロロソ・マチュアード
  • ブナハーブン 2002 15年 スパニッシュ・オーク・フィニッシュ
  • ブナハーブンクラックモナ
  • ブナハーブントイテックアダー
  • ブナハーブンダラックUR
  • ブナハーブン11年
  • ブナハーブン10年
  • ブラックボトル【参考】

ブナハーブン 12年

ブナハーブンのスタンダードボトルである「ブナハーブン 12年」。

バーボン樽メインで熟成させていますが、シェリー樽も使用していて、シェリー樽由来のフルーツやウッディな風味も楽しめます。

香りはレーズンや青リンゴ、カカオ、ナッツ。

青リンゴ、ナッツ、ビターチョコレートのような味わいです。

口当たりは軽く、甘さがあり、クセはないのでウイスキー初心者の方にもおすすめ。

加水して飲むと、よりフルーティーな味わいになります。

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ブナハーブン 18年

シェリー樽40%、バーボン樽60%の比率で熟成させた原酒をヴァッティングした「ブナハーブン 18年」。

チェリーやキャラメルマキアート、シナモン、プルーンのような香りです。

味わいは、チェリーやレーズン、ビターチョコレートのようなニュアンス。

フルーティーで甘い風味なので、デザートとして楽しむのがおすすめです。

ブナハーブン 25年

25年以上熟成させた原酒をヴァッティングした「ブナハーブン 25年」。

ナッツや醤油、プルーンの香りが特徴的です。

和三盆やプルーン、湿った木の皮のような味わいです。

現行のブナハーブンのオフィシャルボトルの中では最上位に位置するアイテムとされています。

正直言うと、ねっとりとした甘さがあるので飲みやすいとは言い難く、好みが分かれる風味ではあります。

ブナハーブン28年

バーボン樽ホグスヘッドで28年熟成させた「ブナハーブン28年」。

日本市場には36本しか入荷していない非常に希少なアイテムです。各ボトルにシリアルナンバーが書かれています。

ハチミツやレモンクリーム、ナッツのような香り。

白ブドウや塩鮭、アーモンドスライス、バニラのような味わいが特徴です。

熟成したモルトウイスキーならではの風味を楽しめます。

ストレートで飲むのがおすすめ。

なかなか出会えないので、もしも飲む機会があれば、迷わず試してみましょう。

ブナハーブン モアンヌ

ブナハーブン モアンヌ」は、ピーテット原酒シェリー樽で熟成させた後、ブランデー樽で3年間後熟させた限定品ボトル。

イアン・マクミラン氏がマスターディスティラーに就任した2003年にリリースされました。

ピートや磯、シトラスの香りに、プラムや紅茶、薬品のような味わいです。

ボトル詰めする前に冷却ろ過を行っていないので、樽由来の風味をしっかり感じられることが特徴。

ストレートで飲むのがおすすめです。

ちなみに「モアンヌ」とは、ゲール語で「泥炭」という意味を持っています。

ブナハーブン トチェック

アイラモルトらしく、ヘビーピートの麦芽を使った「ブナハーブン トチェック」。

ブナハーブン モアンヌ」とブナハーブン蒸溜所のノンピート原酒をヴァッティングして造っています。

ミルクティーやレーズン、ピートの香り。

ダークチョコレートや塩バター、ドライフルーツ、煙のような味わいです。

アイラモルトらしいスモーキーな味わいと、ブナハーブンらしいマイルドな味わいのどちらも楽しめるアイテムに仕上がっています。

ブナハーブン ステュウラーダー

ファーストフィルのシェリー樽とセカンドフィルのシェリー樽で熟成させた原酒をヴァッティングした「ブナハーブン ステュウラーダー」。

「ステュウラーダー」とは、ゲール語で「舵をとる人」という意味を持っています。

生キャラメルやイチジク、レーズンの香り。

味わいは、ローストナッツやハチミツ、ブラックペッパー、シナモンのようなニュアンスを感じます。

ドライでスパイシーな風味で、完成度の高いアイテムです。

ブナハーブン アン クラダック

免税店向けにリリースされた「ブナハーブン アン クラダック」。

高品質なシェリー樽で熟成された原酒を使用しています。

バニラやドライフルーツ、ナッツ、ブラックペッパーの香りが特徴。

味わいは、シェリーやナッツ、レーズン、チェリーなど。

アルコール度数は50度と高めですが、フルーティーで甘さがあるので意外と飲みやすいアイテムです。

ブナハーブン エリーナグレーネ

フランスの赤ワイン樽で追熟させた「ブナハーブン エリーナグレーネ」は、免税店向けのアイテムとしてリリースされました。

「エリーナグレーネ」は「朝の空」という意味を持ち、名前のとおり美しい色合いが特徴。

フルーティーでスパイシーな香りで、ホットワインのようなスパイスを感じる味わいです。

ウイスキーでありながらワインのニュアンスも感じるアイテム。

夜のゆったりとした時間に飲むのがぴったりです。

ブナハーブン 2007 モイネ オロロソ・マチュアード

2018年のアイラ・フェスティバルで1881本限定でリリースされました。「アイラ・フェスティバル」会期中に、蒸溜所内のショップで販売されたレアなアイテムです。

香りは、ラズベリー、オレンジピールやリンゴ感を感じることができます。味わいは、とにかくレーズン感が強いです。少しココアのような風味を感じることもできます。

ブナハーブン 2002 15年 スパニッシュ・オーク・フィニッシュ

2018年のアイラ・フェスティバルで1500本限定でリリースされました。「アイラ・フェスティバル」会期中に、蒸溜所内のショップで販売されたレアなアイテムです。

リフィルアメリカンオークカスクで熟成させた後、グラン・レゼルバ用のスパニッシュオークバレルでフィニッシュさせたアイテムです。珍しいアイテムなので、見かけたら是非試してみてほしいです!

ブナハーブンクラックモナ

ノンピートでおなじみのブナハーブンが手掛けたピーテッドモルトである「ブナハーブンクラックモナ」。

甘いピートやハーブ、草のような香りが特徴です。

味わいは麦芽やホワイトペッパー、海藻のようなニュアンス。

海藻とスパイスの風味をしっかり感じられます。

ストレートやハイボールで飲むのがおすすめ。

ブナハーブントイテックアダー

ピートが効いた「ブナハーブントイテックアダー」。

バーボン樽をメインに、シェリー樽でも熟成させています。

ブナハーブンらしい香りと味わいで、甘くフルーティーな印象。

少し加水して飲むのがおすすめです。

ブナハーブンダラックUR

免税店向けにリリースされた「ブナハーブンダラックUR」。

ノンエイジですが、20年以上熟成させた原酒も含まれるレアなアイテムです。

クッキーやナッツのような香り、バーボンオーク樽ならではのフレッシュな甘さが特徴。

ブナハーブン11年

老舗のゴードン&マクファイル社が自社で用意した樽に詰めた原酒を熟成させた「ディスカバリー」シリーズ。

バーボン樽、シェリー樽、スモーキーと、シングルモルトならではの特徴を捉えた銘柄が揃っています。

この中でも人気なのが、シェリー樽で熟成させた「ブナハーブン11年」。

オレンジマーマレードやスパイスに、シェリー樽ならではの香り。

ミルクチョコレートやナッツのような味わいを感じます。

ブナハーブン10年

大手ボトラーのダグラスレイン社の新ブランド「シングルマインデッド」。

このブランドは高いクオリティのスモールバッチのモルトをリーズナブルな価格で提供することをモットーとしていて、「ブナハーブン10年」もそのひとつです。

スモークやシリアルの甘い香りが特徴。

全粒粉のパンやブラウンシュガー、バニラのような味わいです。

ブラックボトル【参考】

ブラックボトル」は、ブナハーブン蒸溜所が手掛けているブレンデッドウイスキーです。

アイラ島内の7つの蒸留所の原酒が使われているという、ウイスキーマニアの方は必ず飲んでほしいアイテム。

カカオや青リンゴ、レーズンのような香りで、青リンゴやカラメルのような味わいです。

アイラ島内にあるすべての蒸溜所の原酒を使っていますが、それぞれの風味がケンカすることなく、飲みやすい仕上がりになっています。

まとめ

ブナハーブンについてまとめました。最後にどうでも良い豆知識を。

英語では「Bunnahabhain」ということで、nが3つも入っています。ただ実は昔は「Bunnahabhainn」でnが4つはいっていたようです。

Royal Ordnance Surveyという、イギリスの国立地理情報機関が調査・記録を行う際に誤って最後のnをない状態で登録してしまったのです。何回か追加してもらうように交渉はしたようですが、そのうちnが3つのものに皆慣れてしまい、現在の名前で落ち着いたようです。笑

ブナハーブンを飲む際は、是非思い出して見てくださいね!

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